成山堂書店の書籍紹介
海洋物理学概論 【4訂版】
関根義彦 著
潮流・温海洋波動から潮流、海流、海洋大循環まで様々な現象を流体力学、熱力学等の分野より解説。大気と海洋の相互作用をふまえて詳説する。
【まえがき】より
海洋は大きなスケールで見ると地球表面の約7割を被う極めて薄い膜です。しかし、地球に比べてはるかに小さい人間にとっては広く深い大海原であり、台風時には高潮がみられ、地震の発生に伴い津波も生じます。反面、海や魚や海藻などの貴重な食糧をもたらし、また陸地と比較して気候を温和にするありがたい面もあります。さらに、地球上の生物が太陽からのX線や紫外線などを通さない海中で発生したことも特筆され……
富士山測候所物語 気象ブックス012
志崎大策 著
明治時代以降、過酷な自然環境で続けられている富士山頂での気象観測。命をかけた人々の熱意と富士山測候所の全歴史を熱く伝える物語。
【まえがき】より
標高三七七六?、日本一高い山といえば富士山、この山頂に測候所があるのは誰でもご存じのことと思う。富士山頂では天気の良い日に関東の平野から房総、相模灘、伊豆半島、さらに御前崎の西方まで見えることもまれではない。雲を下に見るのは普通のことである。雷の中に入ることはあるが、雷を下に聞くことはあまりない。遠くに聞くときはある。雨と雪は横から風と共に吹き上がってくる。八月に雪が降る。気象は激……
まぐろ随談
大森 徹 著
まぐろ船の漁労長から販売まで何でもやった経験豊富な著者が、まぐろの語源、生態、漁法、買い方、調理、エピソード等を軽妙に語った書。
【まえがき】より
まぐろや鮪漁業全般のことを、平易な文体でわかりやすく書いてみようと思い立ちました。幸い私は鮪漁船の船長漁労長を経験し、その後漁業経営や水産加工の道を歩み、さらに今はスーパーマーケットの経営を通じ、まぐろの販売も携わっています。何とかかけそうな気がして、ボツボツ書き溜めた物をまとめたのがこの本です。
平易な文体ということで口語体にしてみました。随談という題名もそこから付けたものです。そも……
水産環境の科学
早川康博・安田秀一 編著
水の構造と物性、海水の光学的性質、潮汐・潮流、海洋拡散、砂浜の生態、物質循環等、環境浄化や水産物の供給として重要な海の働きを解説。
【目次】
1 水の不思議をミクロの目で調べる
1-1 はじめに
1-2 身近に目にする水の不思議
1-3 ミクロにみた水の不思議
1-4 赤外分光法で水の不思議の起源を研究する
1-5 おわりに
2 海中の光
2-1 はじめに
2-2 光の波長と色
2-3 海水の固有の光学的性質
2-4 海水の固有の光学的性質の実測例
2-5 空と海の青い色
2-6 照度と輝度
2-7 照……
磯焼け対策シリーズ1 海藻を食べる魚たち−生態から利用まで−
藤田大介・野田幹雄・桑原久実 編著
近年、高度経済成長期から現在にかけて失われてしまった『豊かな海』を取り戻そうという動きが、官民問わず幅広い分野で活発化しています。その中で藻場は豊かな海の象徴的な存在の一つとして位置づけられ、全国各地で再生に向けた取り組みが行われています。しかしながら、思うような成果が上がらない、あるいは衰退に歯止めがかからないといった状況も見受けられます。その原因の一つとして最近注目されるようになっているのが、アイゴ・ブダイ・ニザダイなどの植食性魚類です。
本書は、これら植食性魚類による藻場の被害状況をまとめ、魚の生態、漁獲法、利用(食べ方)などを……
水産・海洋ライブラリ2 食品のレオロジー
磯 直道・水野治夫・小川廣男 共著
「レオロジーとは何か?」から食品製造工程の役割、消費者の官能評価まで、その理論と実践を様々な食品を例に多くの図表を用いて解説。
【目次】
第1章 弾性
1.1 フックの法則
1.2 実用弾性率
1.3 弾性と温度
第2章 粘性
2.1 ニュートンの法則
2.2 粘性率
2.3 粘性と温度
2.4 溶液の粘度
2.5 異常粘性
第3章 粘弾性
3.1 マックスウエル弾性
3.2 フォークト粘弾性
3.3 多要素模型
3.4 粘弾性と温度
3.5 熱レオロジー的単純性
3.6 動的粘弾性
3.7 非……
旅する視点−自分流海外散歩のすすめ−
日本の港の歴史−その現実と課題− 交通ブックス212
小林照夫 著
港の誕生から現在迄を日本経済との関わりを中心に解説、エコポートの創造や成熟社会の下での経済機能面の強化など今後の課題にもふれる
【はじめに】より
日本は四方海に囲まれている。そのため、早くから海運が発達した。しかし、日本の港が本格的な外国貿易に携わるのは、横浜村に波止場が建設され、英・米をはじめとした欧米列強諸国との交易がはじまってからである。その意味では、わが国を代表する港、横浜といえど、ヨーロッパの港に比べると、その歴史は浅く、140年ほどに過ぎない。
開港当初、江戸時代の長い鎖国体制の下に置かれていたわれわれ日本人は、外国との……
魚貝類とアレルギー(改訂版) ベルソーブックス013
塩見一雄 著
世界で一番の魚好き、エビ・カニ好きの日本人。実は世界一の魚貝類のアレルギー大国だった!? 現代人に急増している食物アレルギーとは何か。水産物をメインにその原因と実状を解説し、対応策を探る。
【はじめに】より
日本人の3人に1人は、何らかのアレルギーをもつと言われている。私自身も、数年前に突然花粉症にかかり、毎年2〜4月は鼻水、鼻づまり、くしゃみなどに苦しんでいる。また、大掃除では必ずくしゃみや眼の痛み、呼吸困難などが起こるので、ハウスダスト・アレルギーに、さらに研究で実験動物に用いることから、ウサギ・アレルギーにもなっている……
沿岸漁業の歴史 ベルソーブックス029
山口 徹 著
房総、三浦、瀬戸内など、沿岸で暮らす人々はどのような漁業を営んできたのだろうか。
自然の中で様々な技術をあみ出してきた漁民たち。彼らの生活を振り返り、漁業の変遷を辿る。
【はじめに】より
私が漁業と漁村の歴史に関心を持つようになったのは、それほど古いことではない。つい20年ほど前、わが国の漁業史研究に先駆的な役割を果たしてきた渋沢敬三が創立した日本常民文化研究所の再建に携わってからのことである。その研究を継承するために、まずは漁業・漁村を知ろうと思い、調査に入ったのが千葉県の房総半島や九十九里浜の漁村であり、かつお一本釣りで……



