水産の書籍紹介

新訂 水産資源解析学

田中栄次 著

本書はモデルや観測量などのダーティデータを重視、取扱う水産資源解析学の基本概念を十分に説明し、統計学的側面にも注目した入門書。 【はしがき】より  本書は水産資源解析学の、学部生及び博士前期の大学院生のための、教科書ないしは参考書として書かれたものである。旧版は山田作太郎東京海洋大学教授(現在は名誉教授)との共著であったが、新版は田中栄次が1人で改訂を行うことになり、山田名誉教授が書かれた部分は新たに作成した。  言うまでもなく、現在の日本の漁業を取りまく環境は大変きびしいものがある。戦後から昭和40年代のわが国の漁業は開発の時代……

魚介類に寄生する生物 ベルソーブックス009

長澤和也 著

寄生虫と聞くと「気持ち悪い」「病害虫」と思ってしまう。しかし、本当にそんなに 悪いヤツらなのだろうか?生の魚を好む日本人にとって、寄生生物は実は想像以上に 身近な存在なのだ。正しい知識を身に付ければ、彼らに対するダーティーなイメージ もきっと変わるに違いない。 【はじめに】より  私たち日本人は、毎日、多くの新鮮な魚介類を食べており、それにつく寄生生物(寄生虫)にも少なからず関心をもっている。しかし、その実際の姿を知る人はほとんどいない。寄生生物に対して、多くの人は気持ち悪いイメージを勝手につくりあげているのが現実だろう。いったい、……

魚の変態の謎を解く ベルソーブックス025

乾 靖夫 著

いもむしが蝶に、おたまじゃくしが蛙になるように、成長とともに大きく様変わりする生き物たちがいる。 なぜ姿を変えるのか?ヒラメ・ウナギ・サケなど、魚の世界における変態の謎を解明する。 【はじめに】より  科学を志す者にとって、一生のうち幾度かは心が躍るテーマにめぐり合うものである。私にとって“ヒラメの変態とホルモンによるその調節”のテーマは紛れもなくそのひとつであった。  さまざまな昆虫やカエルなどの両生類が変態することはよく知られているが、魚が変態することはあまり知られていない。ところが、本書で紹介するように、ヒラメやウナ……

捕鯨に生きた

大洋漁業南氷洋捕鯨船団の記録を残す会 編

日本のあらゆる産業を支えてきた捕鯨事業。その従事者たちがダイナミックな体験談、公海商業捕鯨再開への希望を思い思いに綴る。 【目次】 1:捕鯨三隻,氷山に閉じ込められる 2:遭難捕鯨船救出作戦に成功 3:抹香フライキ(旗) 4:三代社長に仕えて 5:南鯨戦後第一回の出漁 6:私の捕鯨人生 7:捕鯨船事始め 8:若き日の失敗談 9:航海実習生 10:南氷洋捕鯨の電波利用物語 11:一五回出漁の軌跡 12:今,甦る鯨の世界 13:ソロモン海で第二日新丸炎上! 14:南氷洋の気象雑感 15:山家男のくじらとり 16:第二〇次南鯨便り 17:……

都市と漁業−沿岸域利用と交流−

日高 健 著*漁業経済学会賞受賞

都市化が進む沿岸域で,漁業が生き残る道を都市との交流を中心に活動の実例を挙げ検証する。転換期を迎えた漁業の経営革新を目指す1冊。

海のミネラル学−生物との関わりと利用−

大越健嗣 編著

 本書は、海水や海洋生物に含まれるミネラルに着目し、生物とどのような関わりがあるのか、またミネラルを利用してわかることは何か、などについてわかりやすく解説しています。冒頭の海洋深層水やタラソテラピー以外にも、ミネラルを利用したウナギやアユの回遊履歴の解明やカキの産地判別への応用、特定のミネラルを多く蓄積する生物などに関する記述もあります。ミネラルと聞くと一般的にはどうしても健康と関連付けてしまいたくなりますが、そればかりではなく、様々な分野での利用可能性を示しています。  これまで海のミネラルに関する本は、それぞれの立場から断片的に書……

水産・海洋ライブラリ6 水産物の利用 ー原料から加工・調理までー【2訂版】

山中英明・田中宗彦 共著

鮮度低下の速い魚類・軟体類・甲殻類など魚介類の原料特性と調理法、缶詰・調味加工品への加工法をわかりやすく解説する。 【目次】 第1章 水産物統計  1.1 世界の主要国別漁業・養殖業生産量  1.2 日本の漁業・養殖業生産量及び生産額  1.3 水産物の輸入  1.4 主要水産加工品の生産量  1.5 日本人1人1日当たりの動物性タンパク質供給量 第2章 水産加工の目的と魚介類の原料特性  2.1 水産加工の目的  2.2 魚介類の加工原料としての特性   2.2.1 漁獲量の不安定性   2.2.2 原料の多種多様性   2.……

うなぎを増やす【二訂版】 ベルソーブックス010

廣瀬慶二 著

ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)によって「レッドリスト」の絶滅危惧種に指定された。復活する術はあるのか? いまだに謎につつまれているウナギの生態から資源管理、養殖に必要な環境や増やし方など、ウナギを深く知り、長く愛してほしい。 【二訂版について】 本書の改訂版を出版しておよそ10年が経過し、その間に日本のうなぎ消費量は大きく減少している。これはシラスウナギの漁獲量減少と深く関係している。ヨーロッパウナギがワシントン条約の対象になり輸出に制限ができたことにもよる。また、今年(2014年)6月国際自然保護連合(IUCN)が……

魚の心をさぐる−魚の心理と行動− ベルソーブックス026

益田玲爾 著

魚は何を思い、何を感じて行動しているのか? 群れをつくるしくみは?学習能力は? さまざまな疑問の解明に新たなアプローチで挑む! 【はじめに】より  ハワイの研究所に勤めていた頃、はわい大学動物学部の大学院生と話をする機会があった。サンゴ礁魚類の行動生態学でもうすぐ学位を取るというカート君は、筆者の話を聴き終えてひと言、「あんたのやっている研究は、行動学というよりはむしろ心理学だね」。彼の言葉が、それまで自分のなかでモヤモヤと立ちこめていた霧を晴らしてくれたように思う。  「そうだ、Fish Psychologyと称してみ……

世界の海洋と漁業資源−海洋と大気と魚−

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