水産
水産図書をご紹介します。当社の本は古いものでも内容を見直し改訂を重ね、現代でも使えるものがたくさんあります。
教科書として長年使っていただいている学校やお仕事で使われている方、釣りやダイビングなどのマリンレジャーを趣味としている方は魚のことをより知るための参考書としてお使いいただいています。その他に魚を様々な角度から解説した「ベルソーブックスシリーズ」があります。例えば「魚は釣り糸が見えているのか?」と釣り好きなら誰もが謎に思う魚の心理を書いた本やイセエビ研究20年の著者がイセエビ養殖の最新研究成果を紹介したり、普段は見ることのない水族館の裏側を紹介するなど、身近であって身近でない魚たちのあれこれを紹介しています。
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新訂 アオリイカの秘密にせまる ベルソーブックス041 -知り、釣り、味わい、楽しむ-
日本初!「アオリイカ徹底研究本」誕生。
見てよし、食べてよし、釣ってよし。「イカの王様」と呼ばれるアオリイカ。
昨今のエギング・ブームもあり、アオリイカに関する情報を集めた書籍も出版されるようになっていますが、アオリイカの本当の生態にせまったものは見当たりません。本書は、25年の研究をベースにした「日本で最初のアオリイカ徹底研究本」です。
【目次】
第1章 アオリイカを知る
1-1 アオリイカへの素朴な疑問
アオリイカはコウイカの仲間?
イカは殻を脱ぎ捨てた?
知性と社会性を持つイカ
複雑な神経系とgiant axonと呼ばれる巨大神経軸索
漁師さんたちが口をそろえる「最高に美味しい長手」
大きな眼は,魚の眼に似た構造の「カメラ眼」
ご存知だろうか? 「アオリイカは3 つの心臓を持つ」
活魚流通におけるイカの死因は「墨」にあら……
概説 改正漁業法
水産改革の端緒となった70年ぶりの改正「改正漁業法」の要点をわかりやすく記した解説書。江戸時代の漁業制度に由来する「明治漁業法」、昭和の「漁業法」など日本の漁業制度の歴史と水産政策の変遷を検証。漁獲可能量による管理と個別割り当てを基本とする資源管理方式を導入し、漁業権における優先順位制を廃止して新規参入を促すなど、今回の「改正漁業法」の評価される点と、水産資源を「国民の共有財産」とせず公的管理の徹底が十分でないなど、今後の課題についても提言する。
【監修にあたって】
著者の有薗眞琴氏とは、私が水産庁に奉職していた時代に氏が山口県の水産課長であった時以来のお付き合いであり、その後、2017年から2019年には日本経済調査協議会の第2 次水産業改革委員会でご一緒した。また、「実例でわかる漁業法と漁業権の課題」(成山堂書店,2017年11月発行)を共著として出版した。
今般の「改正 漁……
水産エコラベル ガイドブック
資源の持続性や生態系に配慮して漁獲・生産された水産物であることの証明である水産エコラベル。
本書は日本発の「MEL」をはじめ国内外で活動している10種類の水産エコラベルを紹介し、その取り組みをさらに推進していこうとするものです。
【巻頭言】
2007年、本会がマリン・エコラベル・ジャパン(MEL)を立ち上げてから13年が経過しました。2016年12月からは、これを一般社団法人として本会から独立させ、垣添さんを会長とするマリン・エコラベル・ジャパン協議会におまかせして、もう4年となりました。
設立当初から10年の間は、本会の努力不足は否めないところながら、MELのみならずそもそも我が国における水産エコラベルの普及が進まない状況にありましたが、持続可能な開発目標を定める国連によるSDGsの提唱、累次のオリンピック・パラリンピック選手村における持続性に配慮した食材の調達基準の設定、こ……
水族育成学入門
水生生物の育成(養殖・増殖・希少種保全)の魅力や課題全般を学ぶことができる入門書。魚貝類の繁殖や発生・清澄を学べる基礎編を設けた他、水族生態・海洋環境・生物保全・食品・経済分野のコラムも充実。水族を学ぼうとする初学者から指導者必携の教本。
【はじめに】
2000 年代に入り,多くの大学・学部・学科の名称から水産の名が消え,海洋や水圏という言葉に置き換わった。何を学ぶ場か分り難い組織名になった,というお叱りを受けることもあるが,海洋という名がついて以降,少なくとも編者が勤める学科には,より多様な分野に興味を有する学生が入学してくるようになったと感じている。本書の主題である魚介類を育てる学問領域をみても,水産との名が付いていた時代の学生は,養殖産業や水産資源の生産を学ぶことを目的として,水産養殖学や増養殖学といった科目を受講した。しかし,現在は良くも悪くも水産という意識が希薄となり,水……
サンゴの白化ー砂漠化する海と、そのメカニズムー
「サンゴの白化現象」を中心に据え、サンゴの生態,白化する原因・プロセスを説明。沖縄周辺や世界各地で頻繁に起きる大規模白化現象を時系列に挙げ、サンゴ礁と人間の関わりから,環境問題への対応を提言する。
中身を見てみる
【まえがき】より
初めて本書を手に取るかたへ。
現在サンゴの研究者となっている私が、「サンゴ」という生物について興味を持つことになった最初のきっかけは、大学3年の時に手にした一冊の本でした。
その頃の私は将来何をしようか決めきれないまま、なんとなく毎日を過ごしていました。子供のころから海に近い場所で育っていたので、海の生物に対する興味は多少もってはいましたが、当時「サンゴ」という言葉から想像できたのは、ピンク色や紅色のいわゆる宝石サンゴくらいでした。
なんとなく手に取ったその本には、小さいながらもクローンを増やすことで大きな「群体」になり、様々な生物に利用さ……
実例でわかる漁業法と漁業権の課題
なぜ日本の漁業は世界の水準から遅れ、衰退しているのか?漁業制度の根幹である「漁業法」と「漁業権」の思想と目的・成り立ちを、原点である江戸・明治時代に遡り、改革を成功させた外国と比較することで、日本の漁業制度の根本的な問題点が見えてくる!
【はじめに】より
日本の漁業法制度をわかりやすく解説した本に遭遇したことがない。水産庁の時代から諸先輩が水産業協同組合法と漁業法の解説を書いているのを脇から見たことがあるが,大局的に,法の思想と目的まで解説したものではなく,漁業法や水協法などの一部改正が,技術的に行われた際に,それに対する解説コメントが中心で,到底わかりやすいといえるものではなかった。私はこの10年間にわたり,「水産業についての専門知識を修得する研修」の責任者を務めており,そこで水産業の基礎編を教え,試験を実施している。しかし,試験の成績が毎年悪くなっていく傾向にあったことから,この原因……
ミドリムシの仲間がつくる地球環境と健康 ーシアノバクテリア・緑藻・ユーグレナのパワー ー
『ミドリムシの仲間がつくる地球環境と健康』
健康食品やバイオ燃料に利用されているのはブームとなっているミドリムシだけではありません。
葉緑体をもち光合成をする単細胞生物の仲間(マイクロアルジェ)は、古くはレンガやダイナマイトとなり、現在は健康食品や医薬品の開発に、そして近未来の食料や石油の代替品、環境改善に利用するための研究が進んでいます。
農水産業では、放射性物質の除染やCO2削減、水質・土壌改善が期待でき、環境を汚さない家畜の餌に利用できます。
また工業分野では、バイオ燃料・バイオプラスチックの原料になります。
そして医療・健康分野では、人間の免疫力を高めるほか、強い抗酸化作用や紫外線を防御する等の非常に優れた生理作用をもつ種類が発見されています。
それらからは、現代病ともいえるガンやアレルギー、ストレス、生活習慣病、抗生物質が効かない耐性菌に効果がある成分などが見つかりました。
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海洋高校生たちのまちおこしーコンブとサカナで地方創生ー
全国の3割に相当する523市町村では、子供を出産する割合の高い20〜39歳の女性人口が、2040年までに5割以上減少するとされています。結果として、地方自治体の経営破綻が起きる恐れがあります。この人口減少や高齢化などの地方衰退の波は、日本海の自然豊かな糸魚川市にも確実に押し寄せてきています。
その糸魚川市の海洋高校が行う、地域や企業と連携した学習を通し「地域活性化に貢献できる学校」「地域活性化を担える人材育成」を目指した取組みを紹介。地方創生の切り札ともいえる水産高校の可能性を示すとともに、高校生たちが地域のなかで存在意義を高めている姿を描くことで、水産高校をはじめとする実業高校のあり方を考えるうえでの参考となります。
【まえがき】より
本校がある糸魚川市は、フォッサマグナの西縁にあたる糸魚川―静岡構造線上にあり、稀少鉱物であるヒスイを産出することでよく知られています。平成21年には……
世界と日本の漁業管理ー政策・経営と改革ー
乱獲や資源悪化の問題を克服するため科学に基づく政策を導入してきた水産先進各国の事例と、明治時代から脱却できない日本の漁業制度の現状。
著者が各国の現場を実際に訪れて調査し取り纏めた、今後の政策立案や学術的研究、漁業経営のために必須の一冊。
【序論―世界と日本の漁業・養殖業の現状】より
世界の漁業養殖業の生産は近年急速な勢いで増加する需要に応じて,伸びてきている。その理由は,ひとつには世界の所得が増加したためである。もうひとつは,水産物に対する栄養面・健康面での評価が高まったからである。それゆえ,世界の水産物に対する需要が急速に高まっている。
しかし,現在の世界の漁業生産量は,その需要の伸びに対して応える体制になっているとは言いがたい。その結果,養殖業の生産に力点が移行した。加えて,天然漁業の資源の悪化が放置されることで,更なる資源の悪化と漁業の衰退を招いている国が多い。
多く……
サンゴ 知られざる世界
サンゴの不思議な生態が今、明らかに!
サンゴの研究に40年。その成果をまとめたサンゴの本。
石垣島・宮古島で報告されている白化現象は広がっている!?
【はじめに】より
白い砂浜、淡い水色から濃い青(コバルトブルー)、緑がかった青(エメラルドグリーン)、深い場所の青みがかった黒。言葉では表現に困るほどサンゴ礁には多彩な海の色があります。何度見ても飽きることのない、誰もが惹きつけられる光景の一つかと思います。海底の白砂からの反射、プランクトン等の懸濁粒子が少なく透明度の高い水、深さの異なる複雑な地形、そして差し込む太陽の光、どれか一つが欠けてもこのような光景は成立しません。
サンゴやサンゴ礁という言葉は誰でも知っていますが、そもそもサンゴとサンゴ礁の違い、サンゴそのものがどのような生物で何を食べて、どのように子孫を残していくのか等々よく聞かれ説明に窮することもあります。そして、サンゴ礁を……