水産の書籍紹介

魚をとりながら増やす ベルソーブックス001

松宮義晴 著

減少の一途をたどる魚資源はいかにすれば増やすことが出来るのか? 永続的に、そして多くの漁獲をあげるための資源管理型漁業の入門書。 【はじめに】より 魚は短いサイクルで卵や子供を産み、自らの子孫を残し、種を維持しようとします。このことが、鉱物資源や森林資源にはない、生物資源としての魚の大きな特徴です。また、魚は人間が手を出しにくい水中で生活しています。陸上の狩猟産業は、野生動物を絶滅に追い込んだり激減させたため滅んでしまいましたが、漁業は海や湖川の幸を食卓へ運ぶ産業として、今日まで引き継がれてきました。しかし、技術の著しい進歩や環境……

藻場とさかな ベルソーブックス032

小路 淳 著

本書では、藻場の持つ役割のうち、稚魚を育む場、いわば「ゆりかご」機能に焦点を絞っています。そもそも、なぜ稚魚たちは藻場という存在を知り、頼るのか。本能的に知っているのでしょうか?  自然の藻場ではなく人工的な藻場ではどうでしょう? 魚の持つ能力や行動にも疑問を持った著者が、独自の調査により藻場との関わり方を明らかにし、その重要性を明らかにしています。  印象に残ったのは、「どのような藻場を保全するべきか」ということです。ただやみくもに藻場を造成するだけではなく、アマモ場・ガラモ場の距離感を意識することが必要、というのが著者の見解で……

江戸前のさかな−食文化の足跡をたどる−

金田禎之 著

江戸前の魚はなぜうまいのか?それを先人たちはどう評価し、賞味し、獲っていたのか。その様々な側面を豊富な史料をもとに紹介する。 【まえがき】より 「江戸前の海」と、そのさかなを材料として生まれた「江戸前の料理」のルーツは江戸時代にさかのぼる。江戸前の漁業が本格的に発展したのは江戸時代に入って徳川家康が江戸幕府を開いた以後のことである。江戸が政治の中心となって以来人口は急激に拡大していき、18世紀初頭には人口100万人を超える世界有数の大都市へと発展を遂げていた。幕府はこれらの江戸の住人の食料を確保するために、先進地の漁村から漁師をつれ……

水圏環境リテラシープログラム 水圏環境教育の理論と実践

佐々木 剛 著

 近年、水産資源の減少、海洋汚染、海底資源の問題等々を背景に、海や川・湖といった水に占められている部分(水圏)の重要性が認識されるようになった。一方で、我々が直接目にすることのできない水圏に関する理解・認識は未だ低いと言わざるを得ない。  2007年に制定された海洋基本法では、国民の海洋に対する理解を推進することが明記され、水圏環境の総合的な理解を推進するリーダーを養成するためのプログラムがスタートした。本書では、著者と東京海洋大学が推進する「水圏環境リテラシー教育推進プログラム」を中心に、水圏環境教育とは何か?水圏環境リテラシーと……

水族館をつくる−うおのぞきから環境展示へ− ベルソーブックス039

アクアマリンふくしま館長 安部 義孝 著

マグロの回遊水槽の実現や、世界初のバショウカジキの飼育など 味のある水族館を手掛けてきた館長が、 その貴重な経験と知識を織り交ぜながら水族館を語る。 【プロローグ】より  地球の表面の70%を占める海洋と、湖沼河川の水辺の自然をテーマにして、楽しみながら学ぶことのできる水族館がいま注目されています。水環境の保全は、世界の人口増加や地球温暖化などの地球規模の環境問題のなかで重要な位置を占めています。また、タンパク源を確保するために水域の持続可能な利用、漁業のありかたについての議論も盛んになってきました。これらの問題をテーマに……

真珠をつくる ベルソーブックス038

和田 克彦 著

真珠のでき方とそれを生み出す貝を知り尽くせば、もっと素敵な真珠ができるかも!日本の 伝統として培われてきた技術を守り、育てて行くためにはどうすれば良いのか!長年、真珠 と貝に向き合ってきたプロがその全容を紹介する。 【はじめに】より  「真珠」という言葉は、日本語としていつごろ定着したのだろうか。同じ感じを使う国として先輩の中国では、珍珠と書く。おそらく天然真珠が珍しいという意味からきたのだろうが、養殖法の発明で、もはや珍しくなった「真の珠」が、商品として一般に普及したのは日本が最初である。しかし、その真珠を生み出す貝には……

減ったマイワシ、増えるマサバ−わかりやすい資源変動のしくみ− ベルソーブックス037

谷津明彦・渡邊千夏子 共著

大衆魚と呼ばれた魚たちはなぜ激減したのか!生態や資源変動のしくみ、資源管理の方法をわかりやすく紹介。今後の資源回復への道を探る。 【はじめに】より  「マイワシやマサバが高級魚に」のコピーが新聞やテレビで報じられるようになった。もともとマイワシやマサバは大衆魚とか多獲性浮魚類とも呼ばれる。つまり、たくさん獲れて安いので庶民的な魚だった。それがニュースになるほど減ってしまったのはなぜか?  魚売り場に行くと、マイワシもサバも売られているので、あまり実感がわかないかも知れない。しかし、その中には外国産のものが多く見られる。ノルウェーから……

海藻と育毛

山田 信夫 著

「海藻を食べると髪の毛が生える」と聞くと、単なる言い伝えでほとんど効果がないと思われることが多い。しかしながら近年、一部には科学的根拠があるとする論文が発表され、海藻を主成分とする育毛サプリメントなどが商品化されている。また、海藻成分入りシャンプー・育毛剤などは以前から販売されており、頭皮に塗布することによる育毛・トリートメント効果は認知されてきた。本書では、毛髪と海藻の関係を民間伝承から最近の研究まで取り上げ、海藻のどんな成分が、どのような育毛効果をもたらすのかを、科学的データをもとにわかりやすく解説する。 ……

基礎から学ぶ食品科学

渡邊悦生・加藤 登・大熊廣一・濱田奈保子 共著

食品化学を専門とする著者が、食品工学的視点からまとめた「食品科学」。食品化学者は食品工学的知識が乏しく、一方で工学的知識を要求される機会は少なくない。本書は、食品化学者や化学分野などを専門とする食品従事者のため、「食品科学」のなかでも苦手意識を持たれる食品物理・食品工学分野を中心に、よりわかりやすくまとめた内容。 ◆この本のレベル◆ ★★★☆☆食品工学的知識・数式が苦手な人のために、基礎的事項からわかりやすく解説。食品を化学的に取り扱う人、あるいはその指導の一助となる絶好の一冊。 【はじめに】より  人間が主食とし……

フグはフグ毒をつくらない ベルソーブックス036

野口 玉雄 著

陸上養殖のトラフグは無毒になり、海にも陸にもフグ毒をもつ生き物がいることがわかった! フグはなぜフグ毒をもつのか、またもち得るのか?フグ毒研究とフグ利用法の最新の成果がここに。 【はじめに】より フグは昔から日本人に親しまれ、愛されてきた魚である。身に危険が迫ると大きく膨れ上がる、そのユーモラスな姿が私たちの心を捉えているのだろう。しかし、愛嬌だけがフグの人気の源ではない。フグは当たれば死んでしまうことから「鉄砲」と呼ぶこともある。しかし、白身魚の王と言ってもよいほど美味しい。手を出したくとも高価で容易には出せないことも人気……
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