水産の書籍紹介

海の微生物の利用−未知なる宝探し−

今田千秋 著

抗癌作用、肌の美白・抗肥満効果等がある有用物質を作る微生物が海に残っている。そのヒントを詰め込んだ本書を読んでいざ宝探しへ! 【目次】 1. 海洋のサンプリング  沿岸のサンプリング  外洋のサンプリング  採水器  採泥器 2. 海洋微生物の分離と培養  海洋細菌と海洋放線菌の分離培地  船上での微生物の分離操作  海洋微生物のコロニー 3. 海洋微生物の特徴  低温微生物  好塩微生物  海水濃度と酵素の生産  海水中に存在する主な元素の組成  耐圧、好圧微生物 4. 海洋細……

新 海洋動物の毒−フグからイソギンチャクまで−

塩見一雄・長島裕二 共著 

フグはもちろんウナギ、貝類、カニ、クラゲ等あらゆる有毒海洋動物の毒作りの謎から毒の成分、性質、更に薬品としての有効利用まで解説。 [toc] 【『新・海洋動物の毒』発行にあたって】より 1997年2月に『海洋動物の毒』の初版が出版されて以来、多くの方からおおむね好意的な評価をいただき身に余る光栄だと思っています。この間、ご指摘いただいた誤りや著者ら自身が身につけた誤りの訂正、著者らの勉強不足により見落としていた重要な知見の補充、最新情報の追加などにより、改訂版(1997年7月)、改訂増補版(2000年10月)、三訂版(……

サケの世界市場−アグリビジネス化する養殖業−

佐野雅昭 著

巨大資本の養殖ビジネスによって、サケは天然・国産物が駆逐された。その実状を調査し、水産物の需給構造や市場の国際化の問題に迫る。 【目次】 第1章 課題と分析の視点  第1節 問題意識の所在  第2節 サケの世界市場分析に関する研究史  第3節 分析の視点と方法及び本書の構成 第2章 国際的なサケ需給の歴史的展開  第1節 1980年以前天然サケの漁獲と消費の段階  第2節 1980年以降1990年まで       世界的な生鮮志向の高まりと需給国際化の兆し 第3章 サケ世界市場の形成と構造  第1節 サケの資源特性と生産の特……

海藻の栄養学−若さと健康の素−

大房 剛 著

欧米型食生活の導入により、日本は世界でも一、二を争う長寿国になりました。しかし、成人病や生活習慣病が増え、日本人は、長生きの代償に真の健康的な生活を失ってしまいました。 そうした中、魚食を中心としたかつての「日本型食生活」が見直され、その脇役であった海苔やワカメ、コンブといったビタミン、ミネラルの給源として最適な海藻類も注目を集めるようになりました。 本書は、それらの日頃よく口にする海藻類の有効成分や機能性を紹介し、抗がん作用や糖尿病予防、最近話題のペプチドやフコイダンなどにも触れ、その効果をわかりやすくまとめています。 食から見たア……

新訂 水産資源解析学

田中栄次 著

本書はモデルや観測量などのダーティデータを重視、取扱う水産資源解析学の基本概念を十分に説明し、統計学的側面にも注目した入門書。 【はしがき】より  本書は水産資源解析学の、学部生及び博士前期の大学院生のための、教科書ないしは参考書として書かれたものである。旧版は山田作太郎東京海洋大学教授(現在は名誉教授)との共著であったが、新版は田中栄次が1人で改訂を行うことになり、山田名誉教授が書かれた部分は新たに作成した。  言うまでもなく、現在の日本の漁業を取りまく環境は大変きびしいものがある。戦後から昭和40年代のわが国の漁業は開発の時代……

魚介類に寄生する生物 ベルソーブックス009

長澤和也 著

寄生虫と聞くと「気持ち悪い」「病害虫」と思ってしまう。しかし、本当にそんなに 悪いヤツらなのだろうか?生の魚を好む日本人にとって、寄生生物は実は想像以上に 身近な存在なのだ。正しい知識を身に付ければ、彼らに対するダーティーなイメージ もきっと変わるに違いない。 【はじめに】より  私たち日本人は、毎日、多くの新鮮な魚介類を食べており、それにつく寄生生物(寄生虫)にも少なからず関心をもっている。しかし、その実際の姿を知る人はほとんどいない。寄生生物に対して、多くの人は気持ち悪いイメージを勝手につくりあげているのが現実だろう。いったい、……

魚の変態の謎を解く ベルソーブックス025

乾 靖夫 著

いもむしが蝶に、おたまじゃくしが蛙になるように、成長とともに大きく様変わりする生き物たちがいる。 なぜ姿を変えるのか?ヒラメ・ウナギ・サケなど、魚の世界における変態の謎を解明する。 【はじめに】より  科学を志す者にとって、一生のうち幾度かは心が躍るテーマにめぐり合うものである。私にとって“ヒラメの変態とホルモンによるその調節”のテーマは紛れもなくそのひとつであった。  さまざまな昆虫やカエルなどの両生類が変態することはよく知られているが、魚が変態することはあまり知られていない。ところが、本書で紹介するように、ヒラメやウナ……

捕鯨に生きた

大洋漁業南氷洋捕鯨船団の記録を残す会 編

日本のあらゆる産業を支えてきた捕鯨事業。その従事者たちがダイナミックな体験談、公海商業捕鯨再開への希望を思い思いに綴る。 【目次】 1:捕鯨三隻,氷山に閉じ込められる 2:遭難捕鯨船救出作戦に成功 3:抹香フライキ(旗) 4:三代社長に仕えて 5:南鯨戦後第一回の出漁 6:私の捕鯨人生 7:捕鯨船事始め 8:若き日の失敗談 9:航海実習生 10:南氷洋捕鯨の電波利用物語 11:一五回出漁の軌跡 12:今,甦る鯨の世界 13:ソロモン海で第二日新丸炎上! 14:南氷洋の気象雑感 15:山家男のくじらとり 16:第二〇次南鯨便り 17:……

都市と漁業−沿岸域利用と交流−

日高 健 著*漁業経済学会賞受賞

都市化が進む沿岸域で,漁業が生き残る道を都市との交流を中心に活動の実例を挙げ検証する。転換期を迎えた漁業の経営革新を目指す1冊。

海のミネラル学−生物との関わりと利用−

大越健嗣 編著

 本書は、海水や海洋生物に含まれるミネラルに着目し、生物とどのような関わりがあるのか、またミネラルを利用してわかることは何か、などについてわかりやすく解説しています。冒頭の海洋深層水やタラソテラピー以外にも、ミネラルを利用したウナギやアユの回遊履歴の解明やカキの産地判別への応用、特定のミネラルを多く蓄積する生物などに関する記述もあります。ミネラルと聞くと一般的にはどうしても健康と関連付けてしまいたくなりますが、そればかりではなく、様々な分野での利用可能性を示しています。  これまで海のミネラルに関する本は、それぞれの立場から断片的に書……
本を出版したい方へ