コラム

各界の専門家が発信するお役立ちコラム

2022年3月29日

コロナ禍によって私たちの生活は色々と変わりましたが、最もわかりやすい変化は外出時のマスク着用です。しかしこれまでは、マスクは一般的に冬〜春のものでした。冬はインフルエンザ、春は花粉を防ぐためです。より高性能なマスクが出回り、いつも身につけていることで、「インフルエンザにならなかった」「花粉症が少し楽な気がする」等、プラスの影響があった人もいるようです。
実はそんな「新型コロナウイルスのついでに防いでいた」微粒子に、「PM2.5」があります。2013年に大騒ぎになったことを覚えている方もいるのではないでしょうか。ビルの上階が隠れてしまうほどの大気汚染物質が、中国から風に乗って運ばれてくる!という報道により、当時もマスクが品薄になる地域がありました。
人体への吸入はマスクで防げるとはいえ、環境への影響は変わりません。地球環境の悪化が深刻な現在、PM2.5はどのような物質で、どこでどのように発生し、人体や環境にどのように影響するかを知っておくのも重要ではないでしょうか。黄砂は中国から飛んできますが、それとは同じなの、それとも違うの?何が含まれているの?
当時を覚えている方もそうでない方も、PM2.5の入門編としてぴったりの1冊をご紹介します。『みんなが知りたいPM2.5の疑問25』は、豊富な図とグラフを添えて、大気粒子の専門家がPM2.5の基本から応用まで解説を行っています。 粒子の大きさには訳がある?『みんなが知りたいPM2.5の疑問25』のつづきを読む
2022年3月20日

何年も会っていない知人のSNSを久し振りに覗いてみたら、小型船舶操縦士の免許を取得して楽しそうに海に出ている様子がわかりました。その人は釣り好きが高じたタイプで、自分で船を操縦して沖に出てみたくなったようです。
船の免許を取る動機はいくつかありますが、どんな目的であっても、船を操縦するときにもっとも重要なのは、自船の現在位置と進行方向を知ることです。そして、前方や周辺海域に障害物がないかを常に確認しながら、安全に操船しなければなりません。
今日では、安全な操船のための航海用電子機器が船に搭載されています。これに加えて、プレジャーボートや漁船では、釣行や効率操業のための漁労用電子機器も使用されています。陸上より環境が変わりやすく危険な洋上における安全で効率的な航行のためには、これらの機器をよく知り、使いこなすことが必要です。
今回ご紹介する『魚探とソナーとGPSとレーダーと舶用電子機器の極意』は、自らも釣りを愛する舶用電子機器の専門家が、長年の経験をもとにこれらの電子機器をジャンル別に全117講座で徹底解説します。豊富な写真と著者本人による図解で、舶用電子機器の今を語り尽くします。 心強い海の案内役!『魚探とソナーとGPSとレーダーと舶用電子機器の極意』のつづきを読む
2022年3月19日

あっという間に春になりました。気温が上がってくると、ダイビングをはじめとした海中のレジャーにも本格的なシーズンがやってきます。冬の海は澄んでいて上級者にはおすすめですが、通常の準備に加えて寒さ対策が求められるため、他の季節とは違う心構えで臨まなくてはなりません。これから潜ってみようという方が海に出るには、暖かい季節の方が向いています。
ダイビングの中でもボンベを使わない素潜り≒スキンダイビングについて、スクーバダイビングより気軽な印象を持つ方もいるかもしれません。しかし重装備がないということは、生身で自然を相手にするということです。安全には十分に注意し、事故を防ぐ必要があります。
今回ご紹介する『スキンダイビング・セーフティ』は、競技者、幅広い年代向けのレクリエーション、学校教育や研究活動といった活動分野から多角的にスキンダイビングの概論や活用方法、効果的な練習方法、安全に行う方法を解説しています。また事故防止については、生理学的な観点から解説を行ったのち、事故事例を挙げています。
後半では、おすすめの機材の紹介、より長く深く潜るフリーダイビングの解説や、立場の違う著者による対談・座談会が掲載されています。スキンダイビングの魅力や安全な潜り方のコツなどがたっぷり紹介されていますよ。
水中レジャーを始めようと思っている方、始めたばかりで概説書を探している方、安全についておさらいしようと思っている方、海に出る前に本書を是非ご一読ください。 限界を「超えないように潜る」『スキンダイビング・セーフティ』のつづきを読む
2022年2月25日

お酒を飲んだ翌日ちょっと体がすっきりしないとき、仕事の疲れを持ち越してしまいそうなとき、栄養ドリンクを飲むこともあるかと思います。そのときドリンクのビンのラベルを見てみたら、「タウリン」と書かれていないでしょうか。
またネコを飼っている方は、キャットフードの成分をよくチェックしているでしょう。そこにも「タウリン」が含まれているはずです。ネコには特に欠かせない成分なので、市販のキャットフードには含有が義務付けられているのです。
どうやら体にいいらしいこの「タウリン」、一体どんな成分なのでしょう?魚介類に多く含まれているらしい、滋養強壮にいい、ということはよく聞きます。タウリンはどのような仕組みで、私たちや動物の身体によい効果をもたらしてくれるのでしょう?また、具体的には体のどこに作用しているのでしょう?
今回ご紹介する『読んで効く タウリンのはなし』は、なんとなく栄養ドリンクを飲んだり魚を食べたりしていたのがもったいなくなるくらい、「タウリンが体のどこでどう働くのか」をすみずみまで解説します。
この本の発行後の2019年、タウリンは脳神経の難病、ミトコンドリア病の一種MELASに対して効果が認められ、治療薬として承認されています。その効果と仕組みについても一節を設けて書かれていますので、興味を持たれた方はご一読ください。
生物の体を守る「潤滑油」『読んで効く タウリンのはなし』のつづきを読む
2022年2月18日

機関車というと、どんなものを思い浮かべますか?煙を吐いて走る勇壮な蒸気機関車?それとも貨物列車の電気機関車やディーゼル機関車でしょうか。旅行好きな方なら、豪華寝台列車を牽く専用塗装の機関車をイメージするかもしれません。
日本では、現役の機関車はほとんど貨物列車に使われていて、一部が観光列車等の旅客列車を牽引しているというのが現状です。その貨物輸送もトラック輸送と海運に押され、機関車の数は減ってしまいました。しかし、海外では多くの国で、貨物輸送と同様旅客輸送の両面で機関車が活躍しています。
列車による輸送は、自動車での輸送に比べてエネルギー消費が6分の1といわれています。海運や自動車輸送と、日本の発達した鉄道網をうまく組み合わせれば、貨物列車による輸送は今後も生き残ることができるでしょう。より環境負荷の少ない車両を目指し、機関車も進化しています。
今回ご紹介する『電気機関車とディーゼル機関車』では、日本の機関車について、電気機関車とディーゼル機関車それぞれの技術史に加え、ハイブリッド機関車等の新しい技術についても解説しました。多くの項目で日本と世界の比較を行い、終わりの2章では機関車市場の今後の見通しと課題についても考察しています。
貨物列車や観光列車の姿が変わっても機関車が走り続けていくためには、何が必要なのでしょうか。 押したり牽いたり、世界を走る!『電気機関車とディーゼル機関車』のつづきを読む
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