コラム

各界の専門家が発信するお役立ちコラム

2022年5月20日

10連休も可能だった今年のGW。久しぶりにどこかへ出かけたという方も多かったと思います。
初校で気になるのが移動時間です。目的地に向かう途中や疲れた帰り道、予定以上の時間をとられるのは困りますね。列車は事故がなければ比較的時間通りに運行しますが、自家用車は渋滞につかまるかもしれませんし、飛行機は遅れるかもしれません。空港でフライトボードを見ながら、搭乗手続きはまだかな?と思った経験はないでしょうか。
飛行機にももちろんダイヤは存在します。しかし、列車のものと飛行機のダイヤは性格が違います。滑走路はそんなにたくさんないのに、同じ時間に離陸する便が複数重なる場合もあるのです。一気に飛び立つことは不可能なのに、なぜこのようなダイヤが組まれるのでしょう?
今回ご紹介する『飛行機ダイヤのしくみ』は、こうした飛行機ダイヤの特徴と、飛行機ダイヤの作られ方、飛行時間に影響する要素は何か、鉄道ダイヤとの違いは何か等、あまり知られていなかった飛行機ダイヤについて解説します。実際の飛行機時刻表や、元機長である著者が経験した出来事を紹介したコラムも掲載しています。
この本を読んだら、待ち時間について納得できるかもしれません。 定刻到着は天候とパイロットの腕次第?『飛行機ダイヤのしくみ』のつづきを読む
2022年5月19日

地球温暖化の話をするとき、極地の氷が溶けている!という話が出ることがあります。崩れ落ちる氷壁や露出した地面の映像は、私たちの危機感に訴えかけてきます。
ところで、北極、といって皆さんの頭に浮かぶイメージは何でしょう?南極は大陸があるので、ペンギンの群れや南極観測基地、観測船などを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし北極域の中心は海洋です。海氷の上を歩くホッキョクグマや海から顔を出すアザラシといった動物や、オーロラを想像する方も多いかもしれません。
北極は南極とともに、極地で起こる諸現象の観測において同等に重要な地域です。しかし北極域は、複雑な陸地に接する海という自然の特性により、ひと固まりに把握することがなかなか難しいのです。加えて、様々な国に属する場所が集まっているという理由により、国際的な調査が難しく、科学観測においても長いこと空白域でした。
そこで、北極に関する情報を整理し、北極域の自然を全体として理解できるように書かれたのが、今回ご紹介する『北極読本』です。本書では、極地研究の専門家たちが、北極における地球科学、生物科学、観測の歴史を解説しています。加えて、北極域の民族、資源開発や北海航路などの政治経済的な問題についても触れています。
地球の気候を保つ北と南二つの極地のうち、北極について知りたい方はこの一冊をどうぞ。姉妹編『南極読本』と同様に、現在の極地研究について知ることができる入門書であるとともに、情報満載の「北極ペディア」としてもお使いいただけます。 陸に囲まれた北の「冷源」『北極読本』のつづきを読む
2022年5月13日

この間桜が咲いたと思ったら、あっという間に5月の連休も終わってしまいました。雨の季節もすぐそこです。作物を育てる恵みの雨も、度が過ぎれば沿岸域に被害を及ぼす洪水になります。歴史上何度も被害を受けてきた地域も多く、そうした場所で暮らす方々は、洪水に備える知恵を受け継いできたことでしょう。
洪水の被害を防ぐため、日本では上流ではダムの建設、中流では遊水地による水量の調節や堤防の建設など、様々な対策を続けてきています。被害軽減のためには、構造物によらない洪水対策も併せて用いられてきました。それは洪水を避け、逃げることです。
避難のためには、いつどこで洪水が起こるかを予測することが必要です。また、この予測は避難のためだけではなく、構造物の効果的な活用や保守のためにも欠かせません。
さらに「効果的に逃げる」ためには、これらの予測情報を的確に活用しなければなりません。今回ご紹介する『レーダで洪水を予測する』では、河川洪水について、現在どのように河川の観測と洪水予測が行われ、どのような形でデータが提供されているかを解説します。情報活用によって、個々人が災害時により的確な判断を行えるようになるでしょう。
暴れ川の側で暮らしてきた人々の間に受け継がれてきた知恵が、現在は形を変えてレーダ観測データとして広く提供されるようになっているのです。 雲を見る目を使って、効果的に逃げる!『レーダで洪水を予測する』のつづきを読む
2022年4月22日

旅に出ると、その街に路面電車が走っていることがあります。私(担当M)は時間があれば一日乗車券を買って、端から端まで通しで乗車します。鉄道駅付近から出発し、大通りを行く車やバスに囲まれて軌道を走り、通勤通学客や買い物客などを地域の施設に運んでいく路面電車は、どこの地域においても「地域の足」でした。
路面電車は、バスのように渋滞に巻き込まれることがありません。現在では連結された超低床車も多く、一度に多くの人を運ぶこともできます。
2022年度には宇都宮ライトレールが開業し、2023年度には岡山電気軌道の路面電車が延伸されます。広島電鉄の駅前大橋線も予定されています。
こうした開業ラッシュを迎えつつも、日本の路面電車には。諸外国にはあまり見られない弱点がありました。現状を憂えて停滞の原因を探ったのが、今回ご紹介する『路面電車』です。
日本の路面電車の運賃収受は、運転士(車掌)のチェックする運賃箱への支払いです。乗降扉が限定されるので時間がかかり、定時運行の妨げにもなりかねません。今では交通ICカードの登場で時間は短縮されましたが、小銭との併用と乗降扉が限定されるシステムは基本的に変わっていません。
路面電車が真に「地域の足」となり、都心部の渋滞解消や大気汚染の軽減を進め、ひとが主役となる都市空間を作り上げるには、何を変えていけばいいのでしょうか?
LRT導入率の高い海外では、これまでどのような方式によって利便性を高め、利用促進を進めてきたのでしょう。LRT先進国の普及の秘密と日本の路面電車の試行錯誤の歴史と展望を、運賃収受方式に着目して解説します。 大量輸送と定時運行の秘訣は「運賃収受」?『路面電車』のつづきを読む
2022年4月22日

釣りは魚との勝負とはまさによく言ったもので、魚を釣り上げるためには、勝負相手をよく調べるように魚のことを知らなければいけません。裏をかかれてエサだけ取られたり、いるのはわかっているのに何故か食いついてくれなかったりという経験は、釣りをする方なら誰しもあることでしょう。
勝負に勝つには、先輩に教わるのも手です。魚の生態をよく知っている人として、水族館の飼育員さんが思い浮かびます。毎日魚の世話をしている人たちが、しかも釣り名人だったらどうでしょう。飼育のプロと釣り人の視点から、釣りに役立つ知識を教えてくれるのではないでしょうか?
そんな発想で作られたのが、今回ご紹介する『水族館発!みんなが知りたい釣り魚の生態』です。国内の渓流、海、海外、そして水族館内まで、本書に出てくる釣り現場は様々です。飼育下で観察した魚の生態が、フィールドでどのように活用できるのか?釣り人にはもちろん、釣りをしない人にも面白い、魚の意外な生態がたっぷり紹介されています。
また本文中で語られる、水族館の仕事も興味深いものです。執筆者の所属館のいくつかは、既に閉館しています。水族館が苦境に立たされている今こそ、知る意義があるのではないでしょうか。本書では、疑問を抱き、観察し、検証し、理論化するといった一連の科学的態度が、趣味の釣りと仕事としての飼育を繋げています。その様子を、本書を通して読み取っていただければと思います。 飼育員がこっそり教える釣りのコツ『水族館発!みんなが知りたい釣り魚の生態』のつづきを読む
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