水産の書籍紹介

養殖マグロビジネスの経済分析−フードシステム論によるアプローチ−

小野征一郎 編著

近年急速に市場を拡大した養殖マグロの生産から流通、消費までを解説。養殖ビジネスの実態を分析する。マグロ関係者必携の一冊。 【はしがき】より 本書は、21世紀COEプログラムに採択された「クロマグロ等の魚類養殖産業支援型研究拠点」の流通・経済部門の成果である。研究の出発点が「クロマグロの完全養殖」にあることは言うまでもないが、流通・経済部門が研究に取りかかった2003年度においては、私を含め研究スタッフの全員が、養殖マグロの日本の主産地が奄美大島であることくらいしか知らなかったと思う。もっともこの事態は今もあまり変わっていないのではな……

あわび文化と日本人 ベルソーブックス002

大場俊雄 著

あわびは、古くから日本人の生活と共にありました。縄文時代には交易品として、奈良・平安時代には貢物として、戦国時代は武将の出陣の儀式に使われるなど、時代によって様々な役割を果たしてきました。 本書は、そんな日本のあわび文化を詳しく紹介。あわびの生態から歴史、食文化、漁業などに至るまで幅広く取り扱っています。 これを読めば、「あわび」のすべてがわかります! 「はじめに」より 荒海の磯に付いているアワビをはがしとると、殻からあふれ出るように盛り上がった身を生きいきとくねらせる。アワビは貝類の中でとび抜けて肉量が多く、しかも食べ……

環境ホルモンと水生生物 ベルソーブックス019

川合真一郎 著

オスの魚がメス化し、メスの貝がオス化する!オスになれないワニ、子どもを産めないアザラシ、殻が薄く壊れやすい卵を産むワシやタカ! 内分泌錯乱物質、いわゆる「環境ホルモン」の問題は始まったばかりなのだ。 【はじめに】より  わが国では1996年ごろから内分泌撹乱物質についての報道が始まったが、その辞典ではまだ“内分泌撹乱物質”という言葉も定着していなかったし、まして“環境ホルモン”という単語も誕生していなかった。ところが1997年に入ってからは連日のように、“環境ホルモン”に関する新聞、テレビの報道はパニック的ともいえるほどの状況を呈し……

図説 水産概要

村上光由 著

魚の生態・漁法・養殖・栽培・資源管理・貿易など生産、流通、消費の各段階を魚介類の特徴と関連付けながら多数の図とデータから解説。 【目次】 第1章 漁業、水産業を考える 第2章 魚類と人との関わり  (1)魚類と人との共存  (2)魚の棲む場所  (3)魚の生態 第3章 魚の獲り方  (1)網を使った獲り方  (2)釣り針を使った獲り方  (3)その他の獲り方 第4章 魚を育てて獲る  (1)養殖  (2)栽培漁業と海洋牧場 第5章 魚の資源を護る  (1)漁業と魚の資源の関わり  (2)漁業技術の進歩  (3)20……

海藻利用の科学【新訂増補版】

山田信夫 著

食用や肥・飼料としてだけでなく、工業・医薬など多方面で幅広く利用されている海藻。新たに、寒天などの多糖類の高度利用や、これまで伝承でしかないとされていた育毛効果、さらに世界で初の海藻発酵製品の誕生、バイオ燃料の開発研究などの新知見を紹介し、新たな方向性を探る。 【目次】 第1章 海藻と海草  1.1 海藻類の発生  1.2 海藻の種類と分類  1.3 海藻の保護  1.4 海藻と海草の違い  1.5 海草の利用  1.6 哺乳動物の主食である海草  1.7 海草の保護 第2章 世……

おさかな栄養学

鈴木たね子・大野智子 共著

EPA・DHA、ビタミン、ミネラル…魚がもつ栄養とその機能をやさしく解説。魚で作る離乳食、おやつ、治療食等の簡単レシピも紹介。 【はじめに】より スーパーの魚売り場では、『魚を食べると頭がよくなる』の歌が流れています。また、多くの主婦は『魚は健康によいので料理するようにしている』といっております。その根拠になるのは、魚の油にあるEPA(エイコサペンタエン酸、IPAとも言います〕とDHA(ドコサヘキサエン酸〕という成分です。今ではだれもがEPAやDHAの名前を知っているようになりました。健康補助食品として常用している方もおります。しか……

磯焼け対策シリーズ2 磯焼けを起こすウニ−生態・利用から藻場回復まで−

藤田大介・町口裕二・桑原久実 編著

環境要因による藻場の衰退を扱っている内容。さらに、もっと根本的な問題として、藻場の変動特性、日本沿岸の藻場分布、藻場の成立や衰退を左右させる環境要因等、藻場とそれを構成する藻類について包括的にまとめている。 また、従来主流であったハード主体の藻場造成手法や施肥に対して批判的に検討するなど、従来の藻場造成関連本とは一線を画す内容である。 著者からこの本を読まれる方へ(「まえがき」より) 四方を海に囲まれた日本は、世界で最も海藻の利用が盛んで、海藻に対して造詣の深い国である。古来、食料、藻塩、布糊、漆喰、海藻風呂など様々な形で生活の中に……

魚の発酵食品 ベルソーブックス003

藤井建夫 著

塩辛、かつお節、くさや、味噌漬けなど、発酵食品の旨さの秘密に迫る。微生物や酵素を巧みに生かす、伝統的な手作りの面白さを紹介。 【はじめに】 魚の発酵食品は? と聞かれて3つ以上思いつく人は少ないのではないかと思う。水産物にも様々な発酵食品があり、しかもそこには、農産や畜産の発酵食品とはまた違った巧みな微生物・酵素利用の知恵が隠されているのに意外と知られていない。筆者は日頃そのような水産発酵食品の意義を少しでも多くの人に知ってもらいたいと考えており、先に『塩辛・くさや・かつお節ー水産発酵食品の製法と旨みー』(恒星社厚生閣、199……

エビ・カニはなぜ赤い−機能性色素カロテノイド− ベルソーブックス

松野隆男 著

β-カロテン、リコペン、アスタキサンチンなど、最近脚光を浴びてきた赤い色素カロテノイド。 その有用性と魚介類との不思議な関係。 【はじめに】より ペットブーム 言われる昨今、犬や猫を飼われている方も多いと思う。しかし、彼らは飼い主と同じ世界を見ているわけではない。意外と思われるかもしれないが、ヒトとサル以外の哺乳類はほとんど色の感覚をもっていない。明暗の識別しかできない、モノトーンの中に生きているのである。 これにひきかえ、多くの魚類や鳥類、昆虫類などは色彩の世界を感覚できる。そのため、魚類やその他の水生生物の中には特に色彩の鮮やか……

漁具物理学

松田 皎 編著

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