水産の書籍紹介
アジアのエビ養殖と貿易
多屋勝雄 編著
エビ養殖の盛んなアジアが抱える環境破壊・生産物の汚染・地域経済の摩擦問題と、エビ消費大国日本の輸入・流通・消費等養殖事情を解明。
第1章 アジアのエビ養殖
1.1 エビ養殖の展開と養殖池の分類
1.2 エビ養殖業の抱える問題
第2章 インドネシアのエビ漁業−日本への輸出が与えた影響−
2.1 エビトロール漁業の展開と冷凍エビ輸出
2.2 エビ漁業の展開
2.3 エビ産業の再編と冷凍エビ輸出構造の変化
2.4 日本への冷凍エビ輸出がエビ産業に与えた影響
第3章 「エコシュリンプ」と粗放養殖風景
3.1 対談「エコ……
さかな随談
金田禎之 著
本書の著者は、主として水産関係の法令に関する専門書を多く著してきたことで知られていますが、この本はそれらとは少し趣が違っています。半世紀にわたって水産行政と漁業の現場に立ち会ってきた著者が、そのなかで出会ったさかなにまつわる忘れられない出来事や事件の顛末をまとめたのが本書であり、酸性度の強い湖にウグイを移植する苦労話、全盛期の頃の捕鯨の様子、密漁の現行犯逮捕の話など、興味深い話題が多くあります。
また、これらの出来事や事件とともに、それぞれのさかなについて、名前の由来から種類、形態、分布、日本人の生活とのかかわり、漁具・漁法、利用・加……
水産・海洋ライブラリ9 ヘルスフード科学概論
矢澤一良 著
近年、食品関係者だけでなく一般の人々の間でも食と健康に対する意識が高まっています。EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)といった言葉もすっかり定着した感があります。一方、食品開発の現場では消費者の健康志向に応えるべく、ヘルスフードの概念から特許戦略に至るまで総合的な食の知識が求められるようになってきました。
本書は、食品産業に携わる人が食と健康を考える上で必要となる知識や食品研究・開発のあるべき姿をまとめたものです。 内容は、食品産業の現状、予防医学の概念、臨床試験の組み立て方、機能性食品素材の探索等について……
魚貝類とアレルギー(改訂版) ベルソーブックス013
塩見一雄 著
世界で一番の魚好き、エビ・カニ好きの日本人。実は世界一の魚貝類のアレルギー大国だった!? 現代人に急増している食物アレルギーとは何か。水産物をメインにその原因と実状を解説し、対応策を探る。
【はじめに】より
日本人の3人に1人は、何らかのアレルギーをもつと言われている。私自身も、数年前に突然花粉症にかかり、毎年2〜4月は鼻水、鼻づまり、くしゃみなどに苦しんでいる。また、大掃除では必ずくしゃみや眼の痛み、呼吸困難などが起こるので、ハウスダスト・アレルギーに、さらに研究で実験動物に用いることから、ウサギ・アレルギーにもなっている……
沿岸漁業の歴史 ベルソーブックス029
山口 徹 著
房総、三浦、瀬戸内など、沿岸で暮らす人々はどのような漁業を営んできたのだろうか。
自然の中で様々な技術をあみ出してきた漁民たち。彼らの生活を振り返り、漁業の変遷を辿る。
【はじめに】より
私が漁業と漁村の歴史に関心を持つようになったのは、それほど古いことではない。つい20年ほど前、わが国の漁業史研究に先駆的な役割を果たしてきた渋沢敬三が創立した日本常民文化研究所の再建に携わってからのことである。その研究を継承するために、まずは漁業・漁村を知ろうと思い、調査に入ったのが千葉県の房総半島や九十九里浜の漁村であり、かつお一本釣りで……
アオサの利用と環境修復 【改訂版】
能登谷正浩 編著
各地の沿岸で大繁殖し、被害を及ぼすアオサは環境修復や飼料などに優れた性質を持つ。その生態や有効な利用・加工方法などを紹介する。
【目次】
第1章 アオサと大繁殖
1.1 アオサとは
1.2 大繁殖するアオサ類
第2章 種と生育の特徴
2.1 長生
2.2 成熟と繁殖
2.3 光合成と生産力
2.4 栄養塩の吸収
第3章 静穏な海域で栄養繁殖する種
3.1 長崎県大村湾では
3.2 横浜市海の公園では
第4章 水質浄化と環境修復
4.1 二酸化炭素の吸収と地球温暖化抑制への寄与
4.2 養殖場の水質浄化……
生命の源マイクロアルジェ−健康・美容・食糧・環境問題の救世主−
竹中裕行 著
自然治癒力の増進、抗ガン、老化防止、美肌効果だけでなく、環境・食糧・エネルギー問題を解決するマイクロアルジェ(微細藻類)の力!
【目次】
プロローグ-生命を育んだ原始の海
第1章 マイクロアルジェがつくった地球環境
35億年前から酸素をつくっていた
テツはマイクロアルジェの贈り物
オゾン層はマイクロアルジェから生まれた
共生-他の生物と助け合って進化する
共存と食物連鎖-生態系を維持する
太陽エネルギーを生命エネルギーに換える
第2章 マイクロアルジェの仲間とその利用
マイクロアルジェの多様な進化
本書に登場する……
明太子開発史−そのルーツを探る−
今西 一・中谷三男 共著
発行までに7年もの歳月を費やした、明太子にかける熱い思いがつまった1冊。
福岡・山口等の土産物として名高く、ご飯のおかずやおにぎりの具はもとより、スパゲッティやもんじゃ焼き、各種和え物など様々な料理に利用されている辛子明太子。現在でこそスーパー等で普通に売られ家庭にも浸透していますが、元々は郷土の名産品のひとつにすぎませんでした。普段何気なく口にしていますが、考えてみると明太子について一般に知られていないことがいろいろと多いことがわかります。例えば、どのようにして全国に広まっていったのか。なぜ全国への供給が可能になったのか。ルーツは……
海藻の食文化 ベルソーブックス014
今田節子 著
健康食として注目されている海藻。日本では古くから薬効をもつ食べ物として、今よりも多種類の海藻が利用されていた。
海藻の食文化を見直すことで、新しい利用法も見えてくる!
【目次】
第1章 海藻とは何か?海藻の食文化を理解するために?
1-1 海藻と海草はどう違う
(1)海藻と海草を区別する
(2)海草利用の伝統
1-2 海藻の分類と特徴
(1)色による海藻の分類
(2)「〜モ」「〜メ」「〜ノリ」
1-3 海藻が生える環境とその採り方
第2章 食用海藻の種類と移り変わり
2-1 食べている海藻は一握り
2-2 昔はた……
エチゼンクラゲとミズクラゲ−その正体と対策− ベルソーブックス030
安田 徹 著
ふぅわり、ゆらゆら
優雅に海中を漂う美しいクラゲたち。
心を癒すものもいれば、
人々に大きな被害を与えるものもいる。
不思議に満ちたクラゲたちの生態、被害対策、利用法を探る。
【はじめに】より
近年、温暖化に伴う地球環境(大気や海洋等)の変化・異常現象が話題となっています。新聞、雑誌やテレビなどのメディアを通じて、私たちは世界規模で起こっているその現状を知ることができます。海洋に関することでは、海面の水位や水温の上昇、豪雨による沿岸土砂の流入等がとりあげられ、今後の見通し・予測が論じられています。
では海洋生物ではどうでしょうか。最……