生物統計学入門


978-4-425-82433-5
著者名:山田作太郎・北田修一 共著
ISBN:978-4-425-82433-5
発行年月日:2004/4/18
サイズ/頁数:A5判 278頁
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価格¥4,180円(税込)
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統計学の初歩から生物学系で多用される主要な分析方法までをわかりやすく解説。「生物資源統計学」を改題しての発行。

【まえがき】より  本書は生物学、農学、医学、薬学、生態学など生物系の学生諸君がはじめて統計学を勉強されるときの教科書ないしは参考書として書かれたものである。今日統計学はデータ解析の学問として非常に広い範囲にわたって応用されている。生物学に関係する分野においても統計学は日常的に使われており、近年注目されているゲノムデータの解析も統計学に基礎を置いている。大学の前半期にしっかり統計学を勉強しておくことは、将来専門分野に進んだとき必ず役立つことであろう。
 本書では統計学の初歩から説き起こし、生物系で使用頻度の高い確率分布や推定・検定など基本を押さえた後、主要な分析手法をなっている分散分析、回帰分析、サンプリング理論、ノンパラメトリック検定の他、最尤法や一般化線形モデルまで幅広く解説を試みた。最近の生物科学における統計学の広がりは大きく、すべての解析手法が網羅されたわけではもちろんないが、基本的なものは盛り込めたのではないかと考えている。
 近年ではコンピュータとソフトウエアの普及によって、内容を知らなくても結果が得られる弊害も指摘されている。本書では、内容の理解を容易にするため、式の導出は天下り的にならないよう心がけた。また、できるだけ多くの実例を示し、手法の応用のされ方についても説明を与えるよう心がけた。本書は、“水産海洋ライブラリー”の一冊として刊行されたが、この度の改訂にあたり書名も改めシリーズから独立させることとなった。広く生物系の学生・大学院諸君や社会で仕事をされている方々の教科書・参考書として役立つことがあれば望外の幸せである。
 最後になってしまったが、本書を刊行するにあたり多くの方々にお世話になった。東京大学農学生命科学研究科の岸野洋久先生は本書の原稿を読み、貴重なコメントを下さった。北海道東海大学の帰山雅秀先生ならびに独立行政法人水産総合研究センター栽培漁業部はデータの使用を快諾下さった。刊行に際しては、(株)成山堂書店編集部の方々に大変お世話になった。この場を借りて、厚くお礼申し上げたい。

平成16年3月
著者

【目次】
第1章 データの記述

 1.1 母集団と標本
 1.2 1次元データのまとめ
 1.3 2次元データのまとめ

第2章 確率と確率分布
 2.1 母集団分布のモデルと標本率変数
 2.2 確率変数と確率分布
 2.3 条件付確率とベイズの定理
 2.4 確率変数の平均と分散
 2.5 2次元の確率分布

第3章 いろいな確率分布
 3.1 離散型分布
 3.2 連続型分布
 3.3 正規分布から導かれる分布
 3.4 新しい確率分布の生成

第4章 推定
 4.1 推定の誤差
 4.2 最尤推定量
 4.3 区間推定
 4.4 ベイズ推定

第5章 検定
 5.1 統計的検定
 5.2 正規分布に関する検定
 5.3 2項分布に関する検定
 5.4 尤度比検定
 5.5 適合度検定

第6章 分散比較
 6.1 分散分析とはなにか
 6.2 1元配置分散分析
 6.3 変量モデル
 6.4 2元配置分散分析
 6.5 繰り返しのない2元配置
 6.6 分散分析の仮定

第7章 回帰分析
 7.1 線形モデル
 7.2 単回帰
 7.3 回帰直線の比較
 7.4 重回帰

第8章 サンプリング
 8.1 サンプリング理論の役割
 8.2 単純ランダムサンプリング
 8.3 区画法:個体数の推定
 8.4 層別ランダムサンプリング
 8.5 比率の推定
 8.6 クラスターサンプリング
 8.7 2段サンプリング

第9章 ノンパラメトリック検定
 9.1 順位和検定
 9.2 順位和検定:対応がある場合
 9.3 コルモゴロフ・スミルノフ検定
 9.4 連による傾向性の検定

第10章 統計モデルと推測
 10.1 分散が異なるモデル:標識再捕から死亡率を推定する
 10.2 一般化線形モデル
 10.3 サンプリングと統計モデル



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カテゴリー:水産 
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