気象・海洋の書籍紹介
高層気象の科学−基礎理論から観測技術まで−
廣田道夫・白木正規・八木正允 編著
異常気象など気象に起因する自然災害や、地球温暖化など地球環境問題に関連して、気象や大気に関する社会の関心が以前にも増して高まっている。このような状況に対応して関連する書物が多数出版されているが、対流圏と成層圏を対象とした高層大気の観測については、専門的な内部資料が多く、一般向けに詳しく解説したものは少ない。
本書は、高層大気の物理的・化学的な基礎に加えて、高層大気の観測にも重点を置いて、全体を大きく3部にわけて解説した。 第1部は高層大気の物理的な基礎のほか、高層天気図の見方、身近な気象現象のメカニズムなど応用的な分野についても……
極限の雪原を越えて−わが南極遊記− 極地研ライブラリー
木崎 甲子郎 著
絶望なんて笑い飛ばそう!
絶望の崖っぷちを乗り越えてきた「極地探検請負人」のストーリー!
日本の南極探検史上唯一の殉職者を出した部隊への参加、地図にない極地の未踏山の登頂、複数の外国隊への参加・・・。極地探検請負人と呼んでいい著者の木崎甲子郎は「今まで絶望なんて事は、ただの一度も感じた事がない」と笑い飛ばす。彼は常人の予想もつかない極地での苦境をどう乗り越えてきたのか?
【目次】
第1章 南極観測の始まり
「どうにもならない」とは、こういうことか?
茅誠司会長の決断が日本の南極観測を動かした
南極は金がかかる
……
井田寛子の気象キャスターになりたい人へ伝えたいこと
氷海に閉ざされた1296時間−第12次南極越冬隊の記録− 極地研ライブラリー
山田知充 編
第12次隊を乗せた観測船「ふじ」は、往路40日間、復路14日間にわたり、氷海に閉じ込められた状態・ビセットを経験。これは、歴代の南極観測隊の中で最も長い時間、氷海に閉じ込められた記録となっており、それによって昭和基地に滞在できた日数は1年にも満たなかった。また、氷情が悪く「ふじ」は昭和基地沿岸まで辿り着けず、接岸することができなかったため、大型の観測機器等を輸送することができず、隊員たちは最低限の物資で基地の建設や観測、調査を行わなければならなかった。本書は、このような特異な体験をした第12次観測隊の越冬記録である。
【序文】
……
酸性雨から越境大気汚染へ 気象ブックス036
藤田慎一 著
酸性雨は古くて新しい環境問題。100年以上前にヨーロッパの工業都市で見つかったこの問題は、やがて国内にとどまらず、欧米では国境を越えた環境問題として認識されるようになりました。
日本の酸性雨も例外ではありません。世界の関心は現在、生産活動の進展が著しい東アジアの越境大気汚染に集まっています。本書では、酸性雨100年の歴史を振り返り、日本と東アジアの現況を分析するとともに、将来のあり方について述べています。
【はじめに】
1970年代から1990年代にかけて、「酸性雨」という用語が日本のマスメディアを賑わした。
レモ……
日本南極探検隊長 白瀬矗 極地研ライブラリー
井上正鉄 著
鎖国の閉塞した時代醒めやまない明治初頭。齢11の少年が未知の世界への探検を志した。その夢を50歳でかなえた。しかも世界的な探検である。この探検の成功が日本南極地域観測隊の礎となった。
本書は白瀬の生い立ちから南極探検を成し遂げるまで、そしてその探検の成果、今に続く白瀬の功績をまとめています。
【はじめに】より
今から100年前の明治43(1910)年11月28日、大隈重信南極探検後援会長をはじめ、大勢の民衆の手で盛大な送別式が挙行され、一隻の小さな機帆船が東京芝浦埠頭を離れた。船の名前は「開南丸」、白瀬矗(しらせ・のぶ)を……
バイオロギング−「ペンギン目線」の動物行動学− 極地研ライブラリー
内藤靖彦・佐藤克文・高橋晃周・渡辺佑基 共著
動物たちは水の中で何をしているのだろう?
動物たちに超小型の記録計を取り付けて、画像や動物たちの体の動きをとらえることで、動物たちの日常が見えてくる!
■これってホント?
ペンギンやアザラシも泳ぎの燃費を気にしていた!
アザラシの親は、子どもに泳ぎを教えていた!
アザラシは、息を吐いてから海に潜っていた!
ペンギンは海の中を滑空していた!
浮かぶペンギン、沈むアザラシ、では魚は?
さぁ、動物たちの背中に乗って、海の中をのぞいてみよう!
※「バイオロギング」とは、動物に計測器を装着して遠隔観測を行うこ……
未踏の南極ドームを探る−内陸雪原の13カ月− 極地研ライブラリー
上田(あげた) 豊 著
最低気温・氷点下60℃の雪中基地「みずほ」での冬ごもり、未踏のドーム頂上の発見、4000キロの探査行。知られざる南極大陸最前線のドラマを克明に描き、極地ならではのロマンをさわやかに伝える。
1984年11月から1986年3月まで、第26次南極観測越冬隊に参加した著者の、13ヵ月にわたる南極滞在中の詳細な活動記録。一か所に留まるのではなく、内陸の前進拠点を作りながら「みずほ基地」で5名だけの5ヵ月の越冬をし、これまで未踏だった南極で2番目に高いドームを探し出した後、新たなルートで帰還するまでを紹介。
【著者からのことば】
……
南極で隕石をさがす 極地研ライブラリー
小島秀康 著
日本は世界一、二を争う南極隕石の保有大国であり、そのほとんどを国立極地研究所が保管している。本書は、極地研の隕石担当責任者、言うなれば日本を代表する隕石研究者が、自分の同行した南極観測を中心に隕石探査活動の記録をまとめている。
【はじめに】より
日本の南極観測隊が南極で発見した隕石の数は、これまでにおよそ1万6800個である。米国、中国など外国隊の成果を合わせると、南極で発見された隕石の数は、4万8000個に及ぶ。これらを南極隕石と呼ぶ。南極以外の場所で発見された隕石数が約1万2000個であることを考えると、いかに多くの隕石……
アイスコア−地球環境のタイムカプセル− 極地研ライブラリー
藤井理行・本山秀明 編著
古きをたずね新しきを知る。
地球環境の将来を予測する上で、古気候古環境の情報は、極めて重要である。
極地の氷床(アイスコア)は、時間分解能が高いこと、過去数十万年前以前まで連続して遡れること、昔の空気そのものを含む環境シグナルを保存していることなどから、地球環境のタイムカプセルとも言える優れた記録媒体である。
本書は、気鋭の研究者達が、我が国のアイスコア研究の成果を分かりやすくまとめた最初の書物である。
【はじめに】より
温故知新。地球環境の将来を予測する上で、古気候古環境の情報は、極めて重要である。人工衛星を含む観測……



