成山堂書店の書籍紹介

高層気象の科学−基礎理論から観測技術まで−

廣田道夫・白木正規・八木正允 編著

 異常気象など気象に起因する自然災害や、地球温暖化など地球環境問題に関連して、気象や大気に関する社会の関心が以前にも増して高まっている。このような状況に対応して関連する書物が多数出版されているが、対流圏と成層圏を対象とした高層大気の観測については、専門的な内部資料が多く、一般向けに詳しく解説したものは少ない。  本書は、高層大気の物理的・化学的な基礎に加えて、高層大気の観測にも重点を置いて、全体を大きく3部にわけて解説した。 第1部は高層大気の物理的な基礎のほか、高層天気図の見方、身近な気象現象のメカニズムなど応用的な分野についても……

ズワイガニの漁業管理と世界市場

東村玲子 著

TAC(総漁獲可能量)による漁業管理が行われているズワイガニ。漁獲、加工、漁業管理など実態に基づき分析するとともに、その世界市場の構図を鳥瞰する。果たして、個別割当制度は機能するのか。海外事例の緻密な分析により検証する。 【はじめに】より 今日、世界における水産資源の利用は、ローカルとグローバルの両面を持って展開している。すなわち、海洋生物資源の多くは排他的経済水域(以下、EEZ:Exclusive Economic Zone)の設定により、沿岸国に囲い込まれてしまった。そして、沿岸国による資源の合理的利用、すなわち漁業の望ま……

空飛ぶ漁師カワウとヒトとの上手な付き合い方―被害の真相とその解決策を探る― ベルソーブックス042

坪井 潤一 著

カワウを悪者にする水産資源管理はもうやめよう! 元来、カワウは″水に潜って魚を食べる鳥″。魚や鳥の暮らす水辺環境をヒトの都合だけで管理してはならない。カワウの生態や取り巻く環境を理解すれば、やるべきことは見えてくる。 著者が試行錯誤を重ねてきた対策方法やカワウから教わったことが満載の本書を読んで、できることから始めよう! 【はじめに】より  筆者とカワウとの出会いは、母校北海道大学水産学部での講義だった。小城春雄先生が静かな語り口で説明する。 「最近、本州の河川ではカワウという鳥が急激に増えていて、水産被害や森林枯死が深……

航海訓練所シリーズ 帆船 日本丸・海王丸を知る(改訂版)

独立行政法人 海技教育機構 編

世界最大級の帆船、日本丸と海王丸の仕組みと運航技術を1冊に収録。マスト、帆、ロープの詳細な図解で複雑に見える帆船の構造を理解できる。帆走理論、航法などの専門知識を現役の航海士が丁寧に解説。 【はじめに】より 本書の基になった帆船操典の作成は昭和37年にまで遡ります。当時の日本丸船長であった千葉宗雄教授が主として執筆された原稿をもとに帆船操典の初版を発行し、その後「高所及び帆船作業指針」(昭和38年3月)、「帆船操典(追録)」(昭和41年3月)を加え、昭和42年2月、実習上の便宜を図るため本文と付図の2分冊として発行しました。昭……

魚探とソナーとGPSとレーダーと舶用電子機器の極意(改訂版)

須磨はじめ

技術書、実用書に何より求められる「分かりやすさ」。本書では、全117項目を見開き(2ページ)ないし1ページで展開し、情報を整理。魚群探知機、ソナー、GPSなどの基本構成や見落としがちなポイントについて図解入りで解説するとともに、実機のテスト航海などについても掲載しています。イラストはすべて著者自らの手によるもので、長年、古野電気で磨き上げてきた知識がふんだんに盛り込まれています。また、マリンギアライターとしても、簡潔で的を射た解説は書最大の特徴といえます。 【はじめに(改訂版に寄せて)】 洋上を航行する船舶においてもっとも重要……

応用微細藻類学−食料からエネルギーまで−

倉橋みどり・小柳津広志 編著

微細藻類利用の第一線を余すところなく解き明かす 「微細藻類」とはどのような生物を指すのであろうか。 いまからおよそ27億年前に、光合成能力を持った細菌が地球上に出現したと考えられている。その細菌が、真核生物に共生するようになり(一次共生)、やがて細胞内で葉緑体という光合成装置として取り込まれた。さらに、その光合成装置を細胞内に持つようになった真核光合成生物が、別の真核生物に共生する現象が活発に起こった(二次共生)。大雑把に表現すれば、このような進化上のイベントの結果として現れた光合成能を持つ生物のうち、陸上植物と大型海藻を除いたものが……

港湾倉庫マネジメント−戦略的思考と黒字化のポイント−

篠原正人 監修・春山利廣 著

あなたの倉庫は黒字ですか? 「きめ細かい運営をすれば、日本人ならではの素晴らしい港湾倉庫サービスが実現する」、「荷主の求める物流を的確に、かつ、適正なコストで提供すれば黒字化が達成できる」と語る篠原氏と春山氏。国際競争の厳しさを肌で知る二人が、このような革新を持つことができたのはなぜか。倉庫運営に悩みをもつあなたに、自信をもって本書をお勧めします。 目次 第1部 港湾倉庫(保税蔵置所)の基本情報  第1章 港湾倉庫(保税蔵置所)の役割   1. 港湾倉庫(保税蔵置所)と輸出入貨物   2. 在来船と港湾倉庫(保税蔵……

極限の雪原を越えて−わが南極遊記− 極地研ライブラリー

木崎 甲子郎 著

絶望なんて笑い飛ばそう! 絶望の崖っぷちを乗り越えてきた「極地探検請負人」のストーリー! 日本の南極探検史上唯一の殉職者を出した部隊への参加、地図にない極地の未踏山の登頂、複数の外国隊への参加・・・。極地探検請負人と呼んでいい著者の木崎甲子郎は「今まで絶望なんて事は、ただの一度も感じた事がない」と笑い飛ばす。彼は常人の予想もつかない極地での苦境をどう乗り越えてきたのか? 【目次】 第1章 南極観測の始まり  「どうにもならない」とは、こういうことか?  茅誠司会長の決断が日本の南極観測を動かした  南極は金がかかる ……

それゆけ、水産高校!−驚きの学校生活と被災の記録−

平居高志 著

水産にかかわった事のない普通の国語教師が、新たに着任した水産高校での生活を写真と文章で綴ったも内容。もともとは、自身が着任当時(平成22年)からスタートした、ブログ「水産高校だより」がベースになっている。独特な授業内容や施設、純朴な生徒や熱意ある教員との接触など、水産高校のもつ魅力が描かれている。題材は、著者の好奇心のままに選ばれているものの、観察と記述には自身の興味と学校や生徒への愛着が素直に描かれている。本書を読めば、あまり知られていない水産高校の魅力を知ることができる。付録として「東日本大震災 被災の記録」を掲載している。 【……

わかりやすい材料学の基礎

菱田博俊 著

【はじめに】 ●本書の目的 この本は、大学の教養過程において理工系の学生が材料の基礎について初めて学習するにあたり、できるだけ抵抗なく、取っ掛かりとしての広範囲の知識を得られる様にと企画構想した、言わば初心者用の「材料学」の教科書である。工学で用いられている材料全般を視野に、特徴を比較しながら、初めて材料を学ぶ際に先ずは知ってもらいたい内容を記載した。将来、こんな場面でこんな物を作りたいのだが、その時にこの様な材料をこの様な感じで使えば良いだろうか、と漠然とで結構なのでイメージを持てる様になってもらえれば嬉しい限りである。 その意味、……
本を出版したい方へ