水産の書籍紹介

魚の発酵食品 ベルソーブックス003

藤井建夫 著

塩辛、かつお節、くさや、味噌漬けなど、発酵食品の旨さの秘密に迫る。微生物や酵素を巧みに生かす、伝統的な手作りの面白さを紹介。 【はじめに】 魚の発酵食品は? と聞かれて3つ以上思いつく人は少ないのではないかと思う。水産物にも様々な発酵食品があり、しかもそこには、農産や畜産の発酵食品とはまた違った巧みな微生物・酵素利用の知恵が隠されているのに意外と知られていない。筆者は日頃そのような水産発酵食品の意義を少しでも多くの人に知ってもらいたいと考えており、先に『塩辛・くさや・かつお節ー水産発酵食品の製法と旨みー』(恒星社厚生閣、199……

エビ・カニはなぜ赤い−機能性色素カロテノイド− ベルソーブックス

松野隆男 著

β-カロテン、リコペン、アスタキサンチンなど、最近脚光を浴びてきた赤い色素カロテノイド。 その有用性と魚介類との不思議な関係。 【はじめに】より ペットブーム 言われる昨今、犬や猫を飼われている方も多いと思う。しかし、彼らは飼い主と同じ世界を見ているわけではない。意外と思われるかもしれないが、ヒトとサル以外の哺乳類はほとんど色の感覚をもっていない。明暗の識別しかできない、モノトーンの中に生きているのである。 これにひきかえ、多くの魚類や鳥類、昆虫類などは色彩の世界を感覚できる。そのため、魚類やその他の水生生物の中には特に色彩の鮮やか……

世界の湖と水環境 ベルソーブックス005

倉田 亮 著

国連職員として16年間、世界の湖を調査してきた著者が、約90個の興味深い湖を厳選し、貴重な写真と共にわかりやすく紹介する。 【はじめに】より  世界の五大陸に点在する湖沼は、その形や規模から水質、気候条件、生物相などの環境はもとより、人間との関わりまで千差万別で、きわめて多様性に富んでいる。湖の形ひとるをとっても、丸いものや三角形、四角形、細長いもの、複雑なアメーバ状をしたものまである。また、湖が形成された要因の違いや地質、流入河川の状況、気候によって、その水質は淡水湖、塩湖、酸性、アルカリ性であったり、濁っていたり、きわめて澄んで……

水生動物の音の世界 ベルソーブックス021

竹村 暘 著

音を出すのはイルカやクジラだけではない。威嚇や求愛など様々な場面で色々な音を出す、 水生動物の巧みな音の利用法に迫る。音から学ぶ水中の生態学。 【はじめに】 最近いろいろな動物の世界を紹介するテレビ番組をよく目にするようになった。以前もドキュメンタリー番組はあったが、動物が番組の中心になったものを見た記憶はあまりない。ここ十数年のうちに急速に増えてきたようである。人間社会の複雑な関係と異なり、こうした番組は安心して見ていられる。見知らぬ国の動物の思わぬ行動に目を奪われた方も多いことと思う。 しかし、こうした番組を見ていると、陸上動物……

熱帯アジアの海を歩く ベルソーブックス006

北窓時男 著

スラウェシ島、カリマンタン島、小スンダ列島…。インドネシアの島々を中心に、各地の漁具・漁法・歴史を訪ねる。 見知らぬ人々との生活・ふれあい、自然を求め、熱帯アジアの海を歩いてみよう。 【はじめに】より 熱帯アジアの海を歩こう。 ジーパンとTシャツにスニーカーをはき、小さめのバックパックに少しばかりの着替えとポケットサイズの辞書を入れよう。方にはカメラバッグ。そこにノートと筆記道具をしのばせる。長袖の上着も一枚用意しておこう。これにパスポートと往復の航空チケットがあれば、準備は万端だ。 6時間あまりの空の旅、降り立ったそこはもう熱帯だ……

よくわかるクジラ論争−捕鯨の未来をひらく− ベルソーブックス022

音で海を見る ベルソーブックス007

古澤昌彦 著

【はじめに】より 日本人は、魚を好物としている。魚を多く食べるから寿命が長いといわれる。しかし、魚を食べるときに、この魚はどこで生まれ、どのように育ち、どのように獲られ、どのようにここまで運ばれたか、と聞かれても、私を含めほとんどの人が答えられないだろう。大根などは、日頃畑などを目にしているので、およその見当がつく。このように、私たちは、魚から非常な恩恵を受けている割には、その知識に乏しい。これはやはり、魚は、海中という私たちには簡単に見えないところで生まれ育つためである。 海の中は陸上と違って、電波はほとんど伝搬できず、音波の方がず……

さしみの科学−おいしさのひみつ− ベルソーブックス023

畑江敬子 著

「さしみ」や「すし」はなぜおいしい? 旬のテクスチャーなど、ナマの魚介類には欠かせない、 おいしさのひみつを科学的に解明する。 【はじめに】より 初めて訪れた土地の食品市場やスーパーマーケットへ行くと、ワクワクする。日本国内でも外国でも同じである。旅行の楽しみは人によってそれぞれと思うが、どうやらこれは私だけではないらしい。 私は調理学を専門にしているので、同じ仲間と外国へ旅行すると、必ずそこのスーパーマーケットへ行く。その地域の人々が、どんなものを食べているか興味津々なのである。外国へ旅行するチャンスがそんなにあるわけではないが、……

貝殻・貝の歯・ゴカイの歯 ベルソーブックス008

大越健嗣 著

貝殻は身を守るためにある?。歯はものを噛むためにある?。ホントにそれだけ?貝殻や貝の歯に秘められた様々な役割、ふしぎな現象、有効利用法に目を向けてみよう! 【はじめに】 ちょっと乱暴な言い方だが、生物の体は硬い部分と軟らかい部分でできている。ウイルスなどのきわめて微小な生物を除いて、骨や歯、貝殻、甲羅(甲殻)、サンゴなど、ほとんどの生物は何か硬いものを体のどこかにもっている。それなのに一般の関心は軟らかい部分にかたよっているし、軟らかい部分を研究している人の数もはるかに多い。 たしかに、DNA、RNA、タンパク質、糖、脂質といった軟……

江戸の俳諧にみる魚食文化 ベルソーブックス024

磯 直道 著

時は江戸。後世に名を残した芭蕉や一茶、蕪村など、魚介類を味わいつつ、句に庶民の生活や時の流れを綴っていた。 その多くの俳諧から、魚食にまつわる文化を眺めてみよう。 【目次】 第1章 春  1-1 真鯛(まだい)  1-2 鰊・鯡(にしん)  1-3 鰆(さわら)  1-4 針魚・?(さより)  1-5 白魚(しらうお)  1-6 鮎並(あいなめ)  1-7 鱒(ます)  1-8 諸子魚(もろこ)  1-9 鮠(はや)  1-10 伊勢海老(いせえび)  1-11 鮒(ふな)  1-12 鮑(あわび)  1-13 蛤(はまぐり)  1……
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