水産の書籍紹介
フグはフグ毒をつくらない ベルソーブックス036
野口 玉雄 著
陸上養殖のトラフグは無毒になり、海にも陸にもフグ毒をもつ生き物がいることがわかった!
フグはなぜフグ毒をもつのか、またもち得るのか?フグ毒研究とフグ利用法の最新の成果がここに。
【はじめに】より
フグは昔から日本人に親しまれ、愛されてきた魚である。身に危険が迫ると大きく膨れ上がる、そのユーモラスな姿が私たちの心を捉えているのだろう。しかし、愛嬌だけがフグの人気の源ではない。フグは当たれば死んでしまうことから「鉄砲」と呼ぶこともある。しかし、白身魚の王と言ってもよいほど美味しい。手を出したくとも高価で容易には出せないことも人気……
魚との知恵比べ−魚の感覚と行動の科学−【3訂版】 ベルソーブックス004
川村軍蔵 著
もっと魚を釣るために、もっともっと釣りを楽しむために、魚のことを知りつくした研究者が書いた本をオススメします。魚は色がわかるのか?魚は1度釣られると学習するのか?釣り糸は見えているのか?初心者からベテランまで、マニュアル本には載っていない釣りのヒントが満載。
【はじめに】より
魚の行動に興味をもつ動機は人によって様々で、自分が飼っている熱帯魚に自分の意志を伝えたいためにその魚を知りたいという人もいれば、もっと釣りが上手になりたいために魚の行動を知りたいという釣り愛好家もいるだろう。最近は、自然環境保全という考えが浸透し、希少魚……
イセエビをつくる ベルソーブックス035
松田浩一 著
生まれた時のクモのような姿からガラス細工のように繊細な稚エビとなり、最後は威風堂々とした姿に成長するイセエビ。初めて幼生の人工飼育に成功した著者がその不思議な生物を、最新の研究成果とともに紹介する。
【はじめに】より
イセエビ は磯の王者である。長年イセエビのことを研究し、思い入れが強い筆者であるのでかなり贔屓目に見ている感はいなめないが、確かにそう思う。磯に棲む生物としては魚類を除いて最大のものであり、体長35cm、重さ2kg以上にも成長する。このような大きさのイセエビは、もはや片手では持てずに、両手でしっかりとつかんでもやっと……
海のトワイライトゾーン−知られざる中深層生態系− ベルソーブックス034
齊藤宏明 著
水深150メートルを超えると太陽の光がわずかに届く薄暗い世界が広がっている。この世界に潜む生物たちはどのような生存競争を繰り広げているのだろうか? 最新科学のサーチライトを当ててみよう。
【はじめに】より
波間に太陽の光がきらめく暖かい海の表面から潜っていくと、次第に太陽の光が弱まり、薄暗くなってくる。やがて、水は冷たくなり、僅かに光を感じはするが、物の形は薄暗さの中にぼんやりとしか浮かび上がらなくなってくる。水深200mから1,000m程の深さの海には、このように僅かしか光が到達しないトワイライトゾーン(薄暮帯)と呼ばれる……
クロダイの生物学とチヌの釣魚学 ベルソーブックス033
海野徹也 著
クロダイには色が分かるのか?
釣り糸は見えているのか?
あなたは本当にクロダイのことが分かっていますか?
クロダイを“彼女”と呼ぶほどにチヌ釣りを愛し、クロダイの研究を探し続けてきた著者が最新の研究成果と釣りの経験を融合してまとめた待望の「チヌ学」入門書です。
【はじめに】より
魚の中で有名な魚といえばマダイやマグロかもしれない。これをタイの仲間に限定するとマダイであり、次はクロダイであろう。それにクロダイは知名度が高いだけでなく、水産業においても重宝されている。日本では“捕る漁業から作り育てる漁業”を合言葉に栽培漁業が……
世界の湖と水環境 ベルソーブックス005
倉田 亮 著
国連職員として16年間、世界の湖を調査してきた著者が、約90個の興味深い湖を厳選し、貴重な写真と共にわかりやすく紹介する。
【はじめに】より
世界の五大陸に点在する湖沼は、その形や規模から水質、気候条件、生物相などの環境はもとより、人間との関わりまで千差万別で、きわめて多様性に富んでいる。湖の形ひとるをとっても、丸いものや三角形、四角形、細長いもの、複雑なアメーバ状をしたものまである。また、湖が形成された要因の違いや地質、流入河川の状況、気候によって、その水質は淡水湖、塩湖、酸性、アルカリ性であったり、濁っていたり、きわめて澄んで……
水生動物の音の世界 ベルソーブックス021
竹村 暘 著
音を出すのはイルカやクジラだけではない。威嚇や求愛など様々な場面で色々な音を出す、
水生動物の巧みな音の利用法に迫る。音から学ぶ水中の生態学。
【はじめに】
最近いろいろな動物の世界を紹介するテレビ番組をよく目にするようになった。以前もドキュメンタリー番組はあったが、動物が番組の中心になったものを見た記憶はあまりない。ここ十数年のうちに急速に増えてきたようである。人間社会の複雑な関係と異なり、こうした番組は安心して見ていられる。見知らぬ国の動物の思わぬ行動に目を奪われた方も多いことと思う。
しかし、こうした番組を見ていると、陸上動物……
熱帯アジアの海を歩く ベルソーブックス006
北窓時男 著
スラウェシ島、カリマンタン島、小スンダ列島…。インドネシアの島々を中心に、各地の漁具・漁法・歴史を訪ねる。
見知らぬ人々との生活・ふれあい、自然を求め、熱帯アジアの海を歩いてみよう。
【はじめに】より
熱帯アジアの海を歩こう。
ジーパンとTシャツにスニーカーをはき、小さめのバックパックに少しばかりの着替えとポケットサイズの辞書を入れよう。方にはカメラバッグ。そこにノートと筆記道具をしのばせる。長袖の上着も一枚用意しておこう。これにパスポートと往復の航空チケットがあれば、準備は万端だ。
6時間あまりの空の旅、降り立ったそこはもう熱帯だ……
よくわかるクジラ論争−捕鯨の未来をひらく− ベルソーブックス022
音で海を見る ベルソーブックス007
古澤昌彦 著
【はじめに】より
日本人は、魚を好物としている。魚を多く食べるから寿命が長いといわれる。しかし、魚を食べるときに、この魚はどこで生まれ、どのように育ち、どのように獲られ、どのようにここまで運ばれたか、と聞かれても、私を含めほとんどの人が答えられないだろう。大根などは、日頃畑などを目にしているので、およその見当がつく。このように、私たちは、魚から非常な恩恵を受けている割には、その知識に乏しい。これはやはり、魚は、海中という私たちには簡単に見えないところで生まれ育つためである。
海の中は陸上と違って、電波はほとんど伝搬できず、音波の方がず……