カテゴリー「気象・海洋」図書一覧
雪と氷の疑問60 みんなが知りたいシリーズ2
雪と氷が織りなす風景は幻想的で、子供の頃、雪が降ると心躍らせた人も多いでしょう。その一方で、毎年雪による災害も少なからず発生しており、大雪の際は日本全体に影響を及ぼします。また、近年は福島原発の汚染水対策として凍土工法が注目されたり、冬に降った雪を真夏に利用する方法が開発されたりするなど、雪氷の意外な利用法も知られるようになってきました。雪氷は、私たちにとって身近な存在でありながら知らないことも多い存在であると言えます。
本書は、なぜ雪結晶は六角形なのか、氷は透明なのに雪が白く見えるのはなぜか、色のついた雪には何が混ざっているのか、さっぽろ雪まつりの大雪像はどのようにつくられるのか、などの素朴な疑問から、シモバシラとはどんな植物なのか、火星や彗星の氷はどうなっているのか、樹氷・御神渡り・フロストフラワーなどはどのようにできるのかなど、好奇心をかき立てる疑問に27名の雪氷研究者たちがわかり……
ダウンバースト 発見・メカニズム・予測
あなたは「ダウンバースト」を知っていますか? 建造物を破壊したり、航空機を墜落させたりするほどのパワーをもつダウンバーストは竜巻同様ある特別な積乱雲による現象です。その雲の正体は? 遭遇したらどうやって身を守るのでしょう? 大好きな積乱雲を観測し続けて30年。竜巻研究の第一人者である著者が解説する極端気象の第2弾!
【はじめに】
竜巻とダウンバーストは、ともに積乱雲に伴う激しい大気現象ですが、「ダウンバースト」という言葉は聞きなれない人が多いと思います。竜巻は珍しい大気現象として太古の昔から人々は認識していました。一方、積乱雲からの降水や下降気流は良く知られた構造ですが、構造物を破壊したり、航空機を墜落させるほどの風速を持つ下降流の存在はつい最近まで知られていませんでした。竜巻が?非日常?的な現象なのに対して、下降流は?日常?的な現象であったがために逆に気づかれなかったのかもしれま……
図解 パイロットに必要な航空気象(改訂版)
現役パイロットが解説する航空気象。
航空気象はパイロットにとって必須の分野。
最初からつまずかないために、要点を絞ってわかりやすく解説。
気象に関する基礎知識から飛行の現場で使うMETARやTAFなどの学習まで、効率よく学べる一冊。
【改訂にあたって】
本書の初版は2016年に刊行されましたが、この度改訂版の刊行が行われることにまず感謝の意を表したいと思います。改訂版では変更があった箇所の修正や必要と思われる部分の追加等を行いました。主な変更箇所は次のようになります。
・自動観測によるMETAR の通報が行われている空港
・TAF を通報している空港
・管制塔が通報する風
・積乱雲の発達、成熟、衰弱
・雷の種類
・雷雨の種類
ここ数年、ゲリラ豪雨という言葉がよく取り上げられているので、積乱雲、雷、雷雨についての記述を増やしました。気象庁の予報用語ではゲリ……
海洋建築シリーズ 水波工学の基礎(改訂増補版)
海洋建築工学は、建築学の中の新しい学問領域であると同時に海洋工学の中の1つの分野です。本書では海洋建築工学における水波について、数学モデルで表し、解析することで水波という物理現象を明らかにしています。
【はじめに】より
日本大学理工学部海洋建築工学科は、建築学の海洋工学への参画を意図して1978年4月に創設された学科である。したがって、海洋建築工学は、建築学の中の新しい学問領域であると同時に海洋工学の中の1つの分野である。すなわち、建築学を基礎とした海洋工学が海洋建築工学であると考えることもできる。海洋建築工学の主たる活動の場は、海洋・沿岸域であり、海とは全く関わりのない建築関連の人々の中で、これから海洋建築工学を学ぼうとしている学生(学部高学年)および技術者を対象としている。本書の内容は、大きく2つに大別できる。前半の第1章〜第4章は、微小振幅波の特性を中心に、海洋の不規則波の取……
火山−噴火のしくみ・災害・身の守り方−
日本は火山国です。火山は大噴火が起これば広範囲にわたって被害をもたらします。しかし、その一方で地球に、そして私たちにさまざまな恵みを与えてくれます。噴火や災害でメディアがにぎやかになった昨今、改めて火山のことを知りませんか?
本書は噴火のしくみ・災害・見の守り方について減災コンサルタントである著者が教える火山のことがわかる一冊です。
【はじめに】より
平成7年1月17日、私は阪神淡路大震災を神戸で経験しました。その後、あっという間に時が過ぎ去ったような気がするし、ゆっくり進んでいるような気もします。日本は地震国であり、火山国です。いつか、ふたたび大規模な地震や火山噴火があります。そのときに役立ってこその対策です。役立つ話でなければ、阪神淡路大震災の犠牲が活かされません。勤務していた神戸海洋気象台は、職員のほとんどが被災者で、気象台の建物も半分が直ちに立入禁止、残りも取り壊し……
風力発電設備と雷ーその影響と対策ー
風力発電設備に携わる管理者・設計者・研究者の方へ
雷の性質や種類・季節別分類・多発地域・観測方法と風力発電設備の落雷被害・落雷対策・避雷対策など風力発電設備の事故防止と安全性を高めるために必要な知識を、この1冊で知ることができます。
【まえがき】より
雷は、気象現象であるとともに電気現象である。
昔から高い地物に対しては、落雷による被害が多いのが常識となっている。材質が導体であろうと絶縁体であろうと、高い地物ほど雷を引き寄せる効果は大きい。
落雷による被害は、高電圧、大電流によるものと、それに付帯して発生する瞬間的な衝撃、音、高熱によるものである。
風力発電設備は、平成15年(2003年)ごろには単機出力が1500kW を超えるような大型機種が急速に増えてきた。さらに風車のタワーは高くなり、ブレード先端高さが100m を超えるようになってきた。このころ、海外からの輸入……
オーロラの謎ー南極・北極の比較観測ー 極地研ライブラリー
神秘的なオーロラはいつの時代も人々の心を魅了してやまない。本書はその美しいオーロラから一歩踏み込み、オーロラをもっと知りたい! に応える内容となっています。最前線で研究を続ける筆者らが南極・北極の比較観測でわかったオーロラの仕組みや特性を科学的にわかりやすく解説します。オーロラのみならず太陽ー地球の相互関係についても知ることができます。
【はじめに】より
オーロラは私たち人類が地球上で目にすることができる自然現象の中でも、最も神秘的で壮大な現象の1つといえる。凍えるような極地の夜空いっぱいに広がり、音もなく舞い、さまざまに形や色を変えるオーロラを目にすると、何ともいえない自然界の不思議に感じとらわれる。
今日では、オーロラの源は太陽から吹き出す高温のプラズマであり、地球を取り巻く磁気圏と呼ばれる空間が太陽活動の影響を受けてオーロラを生み出していることがわかってきた。地球の大気と磁場(……
レジーム・シフト ー気候変動と生物資源管理ー
“マイワシが減り、さんまが増える”魚種交代の背景には地球規模の気候変動があった! 本書では、レジーム・シフト発生のメカニズムと、それによって起こる生態系・生物資源の変動機構を明らかにし、“変動を組み込んだ”新しい資源管理理論を提案する。
【発刊にあたって】より
“自然はそれ自体の法則にしたがって変動している”と言えば、“そんなことは当たり前だ”という応えが返ってきそうであるが、海洋生物の資源の研究やそれを管理する世界では、そのことを“当たり前と考えない”状況がまかり通ってきたし、力は衰えたが、今でもまかり通っている。その根拠となってきたのが海洋生物資源のバイオマスの法則的な変動を否定し、環境変動はノイズであるという前提に立って作られた平衡理論=MSY理論である。そして、その“当たり前と考えない”ことが、海洋生物の研究全体にマイナスの影響を与え続けてきた。そのネガティヴな影響は……
統計からみた気象の世界 気象ブックス041
猛暑や豪雨が多くなったのは地球温暖化のせい?
世の中そんなに単純ではありません。
刻々と移り変わる気象をどうやって切り取り、観測データから何が見えてくるか。
数字で読み解く気象の世界。
【はじめに】より
「夕焼けは晴れ」「太陽が暈をかぶると雨」 「西風日いっぱい」。これらは気象に関ることわざである。それらの中には、今の気象学の知識にちゃんと合っているものが少なくない。たとえば「西風日いっぱい」とは、冬の季節風が昼間は強く吹いていても、日が落ちると弱まることを指す。これは、日が暮れて気温が下がるにつれ、大気が安定になって風が弱まる傾向があることを表している。このようなことわざは、天気予報がなかった時代に、長年の経験の中で得られた知識を表している。日ごろの経験の中には、偶然や思い過ごしの類いもあるだろう。しかし、科学的根拠のないものは長い年月のうちに現実と合わなくなって廃れ、ち……
河川工学の基礎と防災 気象ブックス040
洪水を防ぐための堤防や水の流れの調節など、見慣れた川にも多くの技術が隠されています。川と人とのかかわりを、科学技術の方面から追求する河川工学の実務者が、基礎知識から洪水ハザードマップまで、よどみなく解説している、「川の取扱説明書」です。
【はじめに】より
河川をめぐっては昔から左岸と右岸、上流と下流の利害が対立しがちであった。洪水時に片方の堤防が決壊するととたんに水かさ(技術的には「水位」という)が下がり、危なかった対岸はじめ近隣堤防が安全になるということがある。水かさが増して堤防を乗り越えそうになると人々は土のうを積んで越水(川の水があふれ出ること)を防ごうとする。対岸の堤防が切れると自分の方が助かるという、せっぱ詰まった状況にあった。
図1は、元荒川の堤防上にある「御定杭」である。洪水時に両岸の間でしばしば険悪な争いになるので代官所が調停して平時から堤防を一定の高さに制限……