積乱雲 ー都市型豪雨はなぜ発生する?ー


978-4-425-51441-0
著者名:小林文明 著
ISBN:978-4-425-51441-0
発行年月日:2018/8/8
サイズ/頁数:A5判 160頁
在庫状況:在庫有り
価格¥1,980円(税込)
数量
大好きな積乱雲を観測し続けて30年の著者が解説する極端気象の第3弾!
雲の中でも激しい雷雨や雹を降らせる積乱雲は特殊です。あのモクモクの中ではどんなことが起こっているのでしょうか? 本書は、積乱雲の発生から内部構造、組織化といった積乱雲の特徴をまとめました。また、近年増加傾向にある豪雨災害について、具体的な事例をもとに豪雨のメカニズムから身の守り方までを解説します。

■小林先生が動画で紹介

●その1


●その2


●その3


【はじめに】 豪雨をもたらす積乱雲、竜巻をもたらす積乱雲、落雷をもたらす積乱雲、雹(ひょう)をもたらす積乱雲、積乱雲はさまざまな顔を持っています。空に浮かんでいる雲は、水蒸気が凝結して水滴(雲粒)になるという水の相変化に過ぎませんが、積乱雲の中には、雲粒、過冷却水滴、氷晶、雪片、霰(あられ)、雹、雨滴とさまざまな粒子が存在しており、大変複雑です。
さらに、積乱雲が発達すると、スーパーセルや線状降水帯など、特別な構造を有します。このように、積乱雲を理解するためには、雲物理といわれる熱力学過程とメカニズムである力学過程両方を把握する必要があります。
『竜巻―メカニズム・被害・身の守り方』、『ダウンバースト―発見・メカニズム・予測』に続いて発刊される、極端気象シリーズ第3弾の本書では、まず前半「基礎編」で、積乱雲の発生、内部構造、組織化など基本的な事象についてまとめました。その上で、「都市型豪雨」をもたらす「都市型積乱雲」にターゲットを絞り、具体的な事例や統計的な特徴を述べています。さらに、後半の「研究編」では筆者が行ってきた積乱雲を掴む観測研究に言及しました。
積乱雲が湧くとはどういう事なのか、積乱雲の中では何が起こっているのか、積乱雲に関して何が問題で、どこまで分かっているのかを本書を通じてお伝えできれば幸いです。

2018年7月
小林文明

【目次】
1章 積乱雲の中はどうなっているの?
 1.1 積乱雲とは
 1.2 積乱雲中のさまざまな粒子
 1.3 暖かい雨と冷たい雨
 1.4 気象レーダーで観る

2章 積乱雲の構造  2.1 積乱雲の発生条件
 2.2 スーパーセルと降雹
 2.3 線状降水帯
 2.4 クラウドクラスター

3章 豪雨のメカニズム  3.1 地球上ではどのくらいの雨が降り得るか?
 3.2 集中豪雨の原因
 3.3 夕立のパターン
 3.4 記録的な豪雨事例

4章 都心生まれの積乱雲は凶暴化する?  4.1 都市型豪雨の謎
 4.2 ヒートアイランド
 4.3 練馬豪雨
 4.4 都市型洪水から身を守る

5章 小林教授の?雲を掴む?研究  5.1 積乱雲の卵を探す
 5.2 積乱雲発生を捉える
 5.3 積乱雲タレットの観測
 5.4 最新レーダーで雲を掴む

コラム1 種雲形
コラム2 水飽和と氷飽和
コラム3 過冷却水滴
コラム4 フェーンの問題
コラム5 メソサイクロンとマイソサイクロン
コラム6 環八雲
コラム7 初期のヒートアイランド研究
コラム8 熱帯夜
コラム9 巨大積乱雲の観測
コラム10 風の道とクールアイランド(ヒートアイランドの緩和策)
コラム11 発生初期の積乱雲とファーストエコー
コラム12 2日続いた練馬豪雨
コラム13 衛星ラピッドスキャンで積乱雲を観る

【著者紹介】 1961年11月3日生まれ。
北海道大学大学院理学研究科地球物理学専攻博士後期課程修了。
防衛大学校地球科学科助手、同講師、同准教授を経て現在、防衛大学校地球海洋学科教授。
千葉大学環境リモートセンシング研究センター客員教授(H23〜H24)。
日本大気電気学会会長(H25〜H26)、日本風工学会理事。
専門は、メソ気象学、レーダー気象学、大気電気学、研究対象は積乱雲および積乱雲に伴う雨、風、雷。


書籍「積乱雲 ー都市型豪雨はなぜ発生する?ー」を購入する

カテゴリー:気象・海洋 タグ:天気 気象 
本を出版したい方へ