『実践版「孫子の兵法」で勝つ仕事術

  • 2015.04.30 

「孫子の兵法」、以前から気にはなっていたものの、本を読むことがなかなかなかった。先日、本屋で見つけたものの、他に読みたいものがあったので、とりあえずは後回し。そう思っていたところに、この本をいただいた。中国古典から学ぶことはたくさんあるとは知っていたものの、どうしてもとっつきにくいところがあった。漢字がずらずらと並び、その読解からはじめなければならない。そこから、自分にあった部分を抽出できるのか? そんな疑問があった。

この本は、基本的な孫子の兵法を解説して、身近なことに例えながら、仕事にどう生かしていけばよいか書いてあるので、とてもわかりやすかった。以下、参考になった部分を抜粋。

・P40
始めよければ終わりよし〜無謀だと負ける
考えもなしに戦えば、失敗する。

・P43
飛ぶ前に見よ〜静かなところで勝算についてじっくり考える
勝算があれば勝てるし、なければ負ける。負けたら元も子もない。だから、戦いを始める前には、静かなところにこもり、勝ち目について考えろ。

・P43
人のふんどしで相撲をとる〜争うなら、他人のものを利用する
戦争をするとき、他人ものを利用すれば、自分の損失を減らせる。だから、他人のものを利用する方法を考えると良い。

・P45
餅は餅屋〜現場のことは現場に任せろ
戦場にいない人(君主〕には、戦場のことがわからない。戦場のことがわからないのに、戦場のことに口を出すと、混乱が生じる。だから、戦場のことは、戦場の責任者(将軍)に任せろ

・P47
五重塔も下から組む〜地に足をつけて勝負を考える
自分のいるポジションから、勝ち目を割り出していくことが大切だ。

・P49
虎視眈々〜力をたくわえてチャンスをねらう
まずは力をたくわえろ。それからタイミングを見計らって力を出せ。これができれば、うまく勢いを使いこなすことができ、自分を優勢にできる。

破竹の勢い〜おのずと勢いがつくように工夫する
転がらいやすいもの(勢いがつきやすいもの)を、転がりやすいところ(勢いのつきやすいところ)に置けば、おのずと勢いがつく。
そこで、どのようにすれば、また、どこにいれば、自分が勢いづくのかを考えて行動する。

・P51
帆掛け船に櫓を押す〜スムーズに動けるようにする
スムーズに動けるようにすれば、バックアップもしやすくなり、おのずとスピードもアップする。そこで大切なことが、3つある。
・周りの人たちの思惑を知って味方につける
・全体のありようを知って迷わないようにする
・そこのことに詳しい人に教えてもらって便利に行えるようにする
こうして味方を増やし、迷わないようにし、便利に行えるようにすれば、何をするにしてもスムーズに動けるようになる。

・P60
人を見て法を説け〜性格の違いに応じて、最適なやり方をする

・P102
常に身辺の整理をせよ!

・P114
仕事だけでなく心身をマネジメントせよ!

・P121
アンテナを広げ、いろんなことをよく見て、よく聞いて、よく考える習慣を身につけておく

・P147
副将がカッとしやすく、勝手に戦いを仕掛けられるなら、くずれることになる
たとえば、小さな会社で社長の奥さんが経理を担当していて、何かと感情的に経営に口出しするようなら、「船頭が多いと船は山に登る」という言葉どおり、経営が混乱する。

中には戦争に例えすぎて、日常では使えないようなこともあるが、仕事に当てはめた時にどう活用できるか考えるにはとてもよいことが書いてある。新しいことを知るとともに、古くから言われていることには普遍の何かがある。そこからヒントを得て、活用していくことが仕事の成功につながっていくのだろう。