『藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー 』

  • 2015.01.26 

若い頃、1年ほどお世話になった会社。ここでは心身ともに鍛えてもらった。若いながらも重要な仕事を任せてもらうこともあった。今はどうかわからないが、「24時間働けますか」精神も叩き込まれた(笑)。今の仕事観の元となるのは、サイバーエージェントでの1年があったからだと思う。

社長と一緒に仕事をすることはなかったけど、社内で会うと気軽に話しかけてくれる。「俺は社長だぞ!」というオーラはいい意味でなかった。社長であると同時に現場目線をもっているからだろう。辞めてからも、藤田社長が出す本は気になって読んでしまう。読むと、新しい気づきがいつもある。とてもわかりやすく、社長目線というよりも、現場目線で書かれているので、誰が読んでもすぐに実践できるないようである。

第1章 職場に不満がある人に
第2章 成長速度を上げたい人に
第3章 円滑な意思疎通のために
第4章 初めて上司になる人に
第5章 自ら考え実現するために
第6章 今すぐ結果を出すために
第7章 オフにも成長するために
第8章 藤田進むの経営者ブログ

の8章仕立て。どれも、「そうだそうだ」と思う内容。その中でも特に気になった内容は以下。

怒鳴られた時こそ前進しよう
忙しい時ほどマイペース
不満がある時の転職は失敗する
効率よりも場数が能力を決める
目標は1つに絞り込もう
できる人よりも志の高い人とつき合おう
ほどほどのモチベーションが継続のコツ
メールを書く能力は会話力と同じくらい重要
ヒットのネタは日々の仕事の中にある
自らの「失敗の法則」を把握しよう
会議も常にスクラップ・アンド・ビルドを
メモを取る人は信用される
人を動かすのは言葉よりも環境
情報は鵜呑みにせず、仮説を立てよう
これだと思う本は何度も熟読しよう

この中でも一番、「そうだ!」と思ったのが、「ほどほどのモチベーションが継続のコツ」という項。ここで働いているとき、辛くて結果も出ていない時期に友人が、

お前は気持ちの浮き沈みが激しいんだよ。もっと楽にしたほうがいい。一度、モチベーションを一定にしてみたらどうだ?

と言われた。どうやったら自分のモチベーションを調整したらいいのかわからなかったが、一喜一憂せずに、いい時も悪い時も、心を落ち着かせることにした。そうしたら、不思議なことに仕事がうまくいくようになった。今までできなかったことができるようになり、そうすると大きな仕事を任されたり、それが結果に結びつくようになる。そして上司から褒められる。また、仕事を任される。といういい循環に入っていった。

気持ちを安定させるだけど、こうも変わるのかと不思議に思ったけど、現実そうなったからおもしろいものである。その習慣は今でも意識している。当時よりも、年齢や経験を重ねたせいか、安定度が増している。時には荒れるときもあるが、心の安定が、すべての安定につながっていくのである。

経営をしていれば、毎日いろんなことがある。いいことも嫌なことも。すべてを含めて経営なのである。一喜一憂していたら、いい経営者とはいえない。いついかなるときも、安定した心が求められる。私生活でも同じだろう。

巷では「大事なことは◯◯で教わった」というタイトルの本がよくあるが、それに例えるなら「仕事で大事なことはサイバーエージェントで激務の中から教わった」であろうか。。。若い時の辛い経験が今に生きている。この本は経営者も読むと参考になるが、一番参考となるのが、これから社会へ出る人たち、社会に出て間もない人たちだと思う。