読了『チーズはどこへ消えた?』

何事もタイミングがある。不思議なことに、タイミングよく自分に必要なものが降ってくるような感じかな。この本もそう。変わらなければならない今だからこそ、書棚から出てきたのだろう。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

変わってもいいし変わらなくてもいい

「現状維持は衰退と同じ」と言われて久しい。変化が激しいこの世の中で、変わり続けていかなければ世の中の変化に取り残されてしまう。すべてを変える必要はないかもしれないが、変えられる部分は変えていかないと本当に衰退してなくなっていく。その危機感はどこからくるのだろうか。また、その危機感がない人はどういうことを考えているのだろうか。

過去の成功体験やプライドが大きいと、変わることができないのかもしれない。「今までこうしていたから」「このやり方が楽だから」など、過去の延長線上だけで生きていると、変えることは難しい。現状で満足してしまうと、変わる必要性を感じないのだろう。でも、気づいたときには手遅れ。「あの時こうしておけばよかった」は後の祭り。視点を広げて、世の中を見回していこう。いま置かれている自分の立場がわかるはず。

常にそのチーズがあるわけではない

この本ではチーズに例えて物語が進んでいく。そのチーズを自分に置き換えてみると何になるだろうか? 仕事で言うと、いままでのやり方だろうか。確かにいままでのやり方でやったほうが慣れているから楽だろう。しかし技術や考え方は速い速度で変わっていっている。「ついていけない」では置いていかれるだけ。常に新しい方法はないか、違うやり方はないかと周囲を見ていないと、気づいたときには取り残されているかもしれない。自分の持っているチーズは何かを考えてみよう。

新しいことにチャレンジしなければ見つからない

やっぱり動き出さないと新しい発見はない。いままでのことをいままで通りやっていては、違いに気づくわけがない。いまの状況から飛び出そう。このタイミングでこの本を読み直したことはちょうどよかった。コロナ禍の状況で、世の中は一変した。いままでのやり方が通用しない部分も出てきた。順調だったこともそうではない。だからこそ、変化しないと生き残れない。プライドとか過去のことなんて捨てて、一歩を踏み出そう。「こんなことやったら・・・」と考えず、思いついたことはやってみよう、提案してみよう。そこから次の方法が見えてくるはずだから。恐れず前に進もう。そんな勇気をくれ、背中を押してくれた本だった。