『ビジネスエリートになるための教養としての投資』

「投資」と聞くと、「ちょいと儲けてやろう」みたいなイメージのある日本。まして株で儲けようとすると「まじめに働け!」と言われてしまう始末。僕もそんなイメージだったけど、この本を読んでからは、「投資は勉強」「投機はギャンブル」と違いがわかりました。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

勉強せずに成長なし

仕事もそうですが、勉強もせずにただ目の前の仕事だけやっていたって給料は上がらない。昔は上がったかもしれないけど、これからの世の中はそんなに甘くない。終身雇用がなくなりつつあり、転職をしながらステップアップしていくのが当たり前になっていくのかもしれない。超高齢化社会になり、もらえる年金も少なくなる。高齢者を支える若者が少なくなっているのだからしょうがない。老後2000万円問題なんていう話もあった。しかし、それだけで夫婦2人で過ごしていけるとは思えない。今は80歳くらいまでは働けるとはいえ、若い時と同じように体も頭もついてきてはくれない。

そうなると、思い立ったときからコツコツ貯めながら増やしていくしかない。しかし超低金利時代のいま、銀行に預けたって飲み代にもならない。ならば、投資をして増やしていこうというのが、この本の考え。しかしそれには勉強が必要。何に投資するのか、投資するものがどういうものなのかを勉強しないと、せっかく貯めた資金をドブに捨てるようなもの。「なんか良さそう」で株を買っても損をするだけ。その会社の独自性や成長性を見ながら投資をしていく。そうやって少しずつ増やしていく。

長期視点で考えること

これまた仕事もそうだけど、すぐに結果は出てこない。ビギナーズラックはあるものの、それがずっと続くわけではない。やはり、コツコツやってきた人が成功する。特に投資は売り買いを繰り返すのではなく、「これは長期で持とう」というものを見つけることが増やすコツ。短期で売り買いするものは「投機」。これでは常に株価をチェックし、安くなったら買い、高くなったら売る。仕事をしている人がそんなことに時間を裂けるわけがない。

だったらじっくりと企業研究をして、その間に元手を貯めて、少しずつ投資をしていく。そうやって選んだ会社ならば常に見ている必要もなく、日々のニュースやその業界、周辺の業界のことを見て、世の中のチェックをしていけばいい。そして四半期決算ごとに財務諸表をチェック。それくらいでいいのではないだろうか。そうやって長く持っていくことで、雪だるま式に膨れ上がっていくというもの。

数字の知識はビジネスマンに必須

「ビジネスマンである以上、数字を読めて当たり前」とよく言われるが、数字だけ見たって覚えられるわけがない。簿記の勉強をすれば、頭に入ってくるけど、これまた難しい。「お金が嫌い」という人は少ないだろうし、お金がないと生活ができない現代。それを増やしていこうということに興味があるという人は多いだろう。どうせ数字の勉強をするのであれば、楽しくやっていきたい。お金の勉強をしながら、それが増えていき、数字にも強くなって、仕事に生かせていけるのであれば一石二鳥というもの。

投資をするには、企業の財務諸表を見るのは当たり前。その上で、事業がどうかということを見ていく。数字から導き出されることは多いので、投資から数字の勉強は理にかなっているのではないだろうか。

やれる範囲で投資をしていこうと、この本を読んでみて思った。また、知らない会社のことを知ることで見聞も広がりそうだ。国内だけではなく、海外にも目を向けてみよう。