読了『99%の社長が知らない銀行とお金の話』

銀行に対する常識がひっくり返った1冊。実際に僕はまだ銀行とやり取りはしていないけど、将来やりとりするときの参考になりました。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

「晴れの日に傘をさし、雨の日に取り上げる」とはよく聞く言葉。会社が安定しているときは、「お金を借りてください」と足繁く通うのに、会社が危機的状況になると「貸したお金を返せ」という例え。

まわりでもよく聞くことです。銀行も仕事ですから、借りてもらってその金利が売上になるわけだし、貸した会社が傾いて返済してもらえなくなると、それはそれで銀行が損をする。間違ったことではないんですよね。でも、なぜか銀行が悪者扱いされてしまう。

それは知識がないだけ。銀行交渉も知識があり、経験を積んでいけば怖くないものだとこの本を読んで思いました。そのためにも、会社の状況を細かく把握しておくこと。資料を見ずに、事細かく会社の数字を言えるようになる。現状、将来展望などまとめ語れるようにしておくこと。それが銀行との交渉に大切なこと。

銀行に限らず取引相手の社長が、自社のことをよくわからず語ることができないと不安になるのと一緒です。新規に取引するにあたっても、「この会社は大丈夫だろうか? 支払いはしてくれるのだろうか?」と慎重に見ていかなければなりません。どんぶり勘定では会社が立ち行かなくなる。会社を預かる経営者は、厳しく相手のことを見て、自社のことを理解しないといけない。

日頃からコツコツと信用を蓄積していくことで、銀行とも取引企業とも良好な関係が築けていく。特に今のコロな禍の状況で、それを実感します。一朝一夕に信用は築けない。毎日毎日の努力の賜物。そんな気づきを与えてくれた一冊でもあります。

経営者はもちろん、経理・財務部門に属している人も読んでおいたほうがいい内容ですね。お金を借りるにも、いきなり「貸してください」と言ってすぐに貸してくれるところはありません。会社の規模、財務状況、経営者の人となり、それまでの関係性などを考慮するわけですし。

友人同士でお金の貸し借りはそんなにはないとは思いますが、例えば仕事を任せるときには「こいつなら信用できる」って思ってもらえるかどうかが大切ですしね。