読了『傾聴のコツ』

聴き方にもコツがある。ただ聴けばいいわけではなく、かといってアドバイスするわけでもなく。「聞き上手は話し上手」なんて言われるしね。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

できる人ほど聴き上手

年齢や立場が上になればなるほど、ついつい言いたくなる。ああしなさい、こうしなさい、と。。。親子関係なんかいい例かも。子供よりも親のほうが経験豊富。子供のやることはすべてお見通し。「それはダメ、これはダメ」と言っていませんか? 僕は言っちゃってます(笑)。わかるからこそ言いたくなる。でも、なんでもかんでも、何かをやる前に言われちゃうと、聞く気をなくす。そうなってしまうと、何を言っても聞き入れてくれることはなくなる。言う前に、子供がどうしたいのか見守ったり、声に耳を傾けてみませんか? そうすると、意外と危ないことなんて少ないもんです。

大人の世界も似たようなことがたくさん。会社組織を見ると、上司が部下の仕事に何でもかんでも首を突っ込んでくる。ミスをすると、「だからそうなんだよ」と上司の言葉。そしてお説教。しまいには「俺のときはな」と昔の武勇伝を語る。こう書きながらも、自分もついついやってしまう。部下を育てるのも、子育ても同じ。言う前に見守ろう。最低限のことは教えるけど。手取り足取り教えるのは最初だけ。その後は、要所要所でチェックすればいい。なんでもかんでも口を挟んでいると、指示通りにしか動けなくなる。部下はわかっている、「どうせ何言っても聞かないでしょ」ってね。

まずは聴き入れよう

自分の話ばかりする人より、話を聴いてくれる人のほうが好感が持てませんか? そして、話を聴きながらも口を挟まず、「うんうん」と黙って聴いてくれる人、受け入れてくれる人には話をしたくなりませんか? ただ話をしたいのに、「それは違うね」とか「わかるよ、わかるよ」とわかってもいないのに言う人。安易な同調や否定は話し手にとっては、話す気がなくなる。否定も肯定もせず、聴き入れる。それができるような人になりたいなと、この本を読みながら思うわけです。

先入観を捨てること

年齢を重ね、経験が豊富になると、自分より下の人の話をバカにする人もいます。そうすると「結論は?」と先を急ぐ傾向も出てくる。そして相手を変えようとする。他人のことなんで絶対に変えることはできないのに、変えようとする。そんなことをすると、人はどんどん離れていく。そうならないためにも、相手への先入観をすて、まっさらな心で相手を見て聴き入れる。そのためにも、多様性を受け入れられるような教養も必要になってくる。それは、いつもと同じことに加えて、ちょっと違うことをしてみる。例えばビジネス書ばかり読んでいるなら小説を読んでみるとか、映画をたくさん見るなら、お芝居を見に行くとか。それによって、脳の動きが活発になったり、新たな気付きがある。そうやって、多くのことに目を向けると「こういう世界があるのか、こういう考えがあるのか」と気づくはずです。

協調していく世の中。まずは人の話を聴いてみよう。