なんだかんだで本から得ることが知識として蓄えられる

  • 2020.03.18 

本が売れないというけれど、やっぱり紙の本に戻ってくるのかな。そんなことを思う、最近のこと。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

世の中が自粛ムード。学校などが休校となり、自宅で過ごすことが多くなった昨今。本屋さんでは、勉強に送れが出ないようにと、ドリル関係が売れているとのこと。近所の本屋へ行くと、確かにドリルや学習参考書のコーナーが目立ち、けっこう売れている様子。見ている人も多いですね。

別の本屋さんへ行くと、レジ待ちの列が。店内にあるカフェは満席。仕事をしている人、本を読んでいる人。隣に座っている家族はみんなで読書。出版業界に身を置く者として、嬉しい反面、複雑な心境。普段から本を読んでほしいなと思うけど、それ以上に楽しいことが世の中にはいっぱいある。「自粛ムードだから本を読む」は、それはそれでありなのかもしれないけど。でも、これをきっかけと言っちゃなんだけど、本への関心を強めてほしいなと思う。

手軽だからこそ「いつでもいいや」と思うのか。本に魅力を感じないのかはわからないけど、本を読んで「楽しいな」「勉強になったな」と感じてくれる人が増えることを願う。

一人の人が時間をかけて、自分が学んできたこと、研究してきたことを一冊にまとめている。それを手軽に読める本は、読者からするとものすごい勉強になるわけです。疑似体験というか、著者が得てきたことを、ざっくりとでも知ることができる。知識が増え、それを実践し経験として蓄える。そんな本の良さを、もっともっと広めていきたい。

ネットに繋げば、ありとあらゆく情報にアクセスできる現代。しかし、それがどのくらい身になっているのだろうか? 苦労とまではいわないが、紙の本を読み漁ったほうが得られる知識、蓄えられる量は圧倒的に多いのではないかと思う。

こういうご時世なので、本屋へは行きづらいという方は、自宅に本があれば、そこに手を伸ばしてもらいたい。読んでない本、読みかけの本はないですか? それらを手にとって、ゆっくりと読んでみませんか?