『海難1890』

  • 2015.12.25 

現在公開中の『海難1890』。見に行こうと思ったら、本が出ているとのことで、まずは読んでみることに。本が先ではなく、映画の脚本をノベライズ。日本・トルコ友好125周年を記念してつくられた映画。日本とトルコの関係性は、いままで一切知らなかった。なぜ、この本を手にとったのか。それは、1985年に起こったテヘランでの出来事をしったからである。

1985年、イラン・イラク戦争のまっただ中、当時のフセイン大統領が「いまから48時間後にイラン領空を飛んでいる航空機は無差別に攻撃する」と宣言。現地に取り残されていた日本人には救援の飛行機は来ない。そんなときに助けてくれたのは、トルコ政府。自国民よりも、日本人を優先したわけとは?それは1980年に和歌山県串本沖で発生した、エルトゥールル号の沈没。串本町の人たちが必死になって救出したことにはじまる。

その話を聞いたのが、当時テヘランで日本に帰れるか帰れないかのまっただ中にいた人であった。偶然にも息子が通っていた幼稚園のお父さんたちの会に古くからいる人で、たまたま「飲みに行きましょう」という話からサシ飲み。そこで「えぇ〜、そうだったんですか!?」なんてびっくりするような話をお聞きしたからなのです。

「先人に学べ!」とよく言われます。日本とトルコの友好関係も、この方から話を聞かなければ、詳しくは知ることはなかったでしょう。日本人の良さを再確認することも、なかったのかもしれません。「日本は遅れてる!」とか「日本人はガツガツしていない」とか言われていますが、「人のために尽くす」ことこそ日本人の良さなのではないでしょうか?

見ず知らずの人のために自分を犠牲にしてでも尽くすことこそ、日本の美なんだと思います。それでも最近は、自分勝手な人が多くなっていますが、昔のことを知ることで、「日本人として生きていてよかった」と思えることもあるかもしれません。

歴史を知る、歴史から学ぶ、そんなことを再確認できた1冊でした。