本の適切なサイズとは?

  • 2021.08.02 

ここ最近できてきた当社の本を見ると、B5判ばかり。多いはA5判。次に四六判といったところだろうか。本をつくるにあたって、判型はどう決めるのだろうか?

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

明確な基準はなく、原稿次第というところが本音だろうか。文字の量、写真、イラスト、計算式、用途によってサイズはわけられる。文字ばかりなのに大きなサイズにすることはないし、写真やイラストが多いのに小さなサイズにすることもない。その判断は編集マンの経験によるところだろう。

新人たちはそういった先輩の経験によって自分で感覚を身に着けていく。

「○○文字で写真は何枚、計算式は何個以上がB5判」といった基準は決めにくいだろう。

問題集なんかは、大きめのサイズの方が使いやすいという声も聞く。ただし、大きくすればいいというものでもない。分量がそんなにないのに大きくすると、今度はペラペラな本になってしまう。そこはバランスが必要だろう。

読者を想定しながら、分量を見て決めていく。「これだ!」という線引はあえてしないほうが、自由に本を作ることができる。だからといって好き勝手つくっていわけではない。最低限のルールはあるわけなのので、そこに乗っかりながら、最適なサイズ、文字や写真、イラストの大きさを決めていく。

あれこれ考えながらやっていくのが楽しいわけです。

本づくりは奥が深い。