気象・海洋の書籍紹介

黄砂の科学 気象ブックス018

甲斐憲次 著

毎年のように黄砂が頻発し話題となっています。これは中国内陸部のタクラマカン砂漠や黄土高原などから舞い上がった砂ぼこりが、上空の風に乗って日本に飛来するものです。黄砂の移動の様子は、衛星写真などからも把握され、関心を呼んでいます。  日本では車や洗濯物が汚れる程度の被害ですが、発生源に近い中国や韓国では雪のように降り積もり、交通、農業、健康などへの被害が甚大で、黄砂は気象災害としてとらえられているといいます。  黄砂の発生には中国内陸部の砂漠化が深く関わっているとのことです。また,本書によると,近年の黄砂被害の大規模化は過放牧,過耕……

海洋物理学概論 【4訂版】

関根義彦 著

潮流・温海洋波動から潮流、海流、海洋大循環まで様々な現象を流体力学、熱力学等の分野より解説。大気と海洋の相互作用をふまえて詳説する。 【まえがき】より 海洋は大きなスケールで見ると地球表面の約7割を被う極めて薄い膜です。しかし、地球に比べてはるかに小さい人間にとっては広く深い大海原であり、台風時には高潮がみられ、地震の発生に伴い津波も生じます。反面、海や魚や海藻などの貴重な食糧をもたらし、また陸地と比較して気候を温和にするありがたい面もあります。さらに、地球上の生物が太陽からのX線や紫外線などを通さない海中で発生したことも特筆され……

宇宙と地球環境 気象ブックス002

石田 恵一 著

天文学者が見た地球環境成り立ちの歴史。気象・気候を素材に、地球とは何か、宇宙とは何かを説く。地球の誕生から気象学の確立まで。 【目次】 第一章 気象と気候  一 気候帯  二 大気の循環  三 歴史時代の気候変動  四 縄文時代  五 氷河時代の発見  六 地質時代の気候 第二章 地球の大気  一 二酸化炭素の増加  二 水蒸気が鍵  三 地球温暖化と「事実」  四 生物の発生と資源枯渇  五 酸素と生物  六 まさかより、もしもの備え 第三章 年代測定  一 元素の年齢  二 地球の誕……

風と風車のはなし−古くて新しいクリーンエネルギー− 気象ブックス019

牛山 泉 著

世界にはさまざまな風が吹いています。ハリケーンもあり、台風もあります。心地よく肌を撫でてゆく春風もあれば、一瞬にして地上の全てを巻き上げる突風もあります。毎日の気象情報では気温、降水量の他に「風力・風向き」が予報されています。  風は気温や降水量に比べれば日々の生活にそれほど深い関わりはないように見えます。ところが、本書によると、風は私たちの生活に無縁なものではなくなります。日本には「○○風」とか「○○おろし」のように風に地域独特の名前が付いていたり、「風情がある」とか「風雅を好む」などのような風に関する言葉や、風に関する地名が多く……

海が日本の将来を決める

村田良平 著

近年、わが国周辺海域を舞台に日本の国運に係わる大きい問題がいくつも発生しています。外国軍艦による領海侵犯、工作船の活動、東シナ海の石油・ガス開発、密漁、海賊問題と大きく報道された事件だけでも枚挙に暇がありません。しかしながら、依然としてわが国には政府として一元的に海洋問題に取り組む組織は無く、国民全体としても海洋国家としては、海に対する意識が低いと言わざるをえない状況が続いています。このよう折、改めてわが国にとっての海の重要性を説き、海との関わり方はどうあるべきなのかを示した本書を発行しました。 著者の村田良平氏は、外務省出身で、駐米……

流れ星の文化誌 気象ブックス003

渡辺美和・長沢 工 共著

人々の身近な存在でありながら、今まで天文学でしか語られなかった流れ星を、歴史的・文化的視点から観測し、知られざるその素顔に迫る。 【はじめに】より  初めて流れ星が近代科学の対象として観測されたのは、1798年11月のことだ。それから100年たった1899年、日本では現代に通じる流れ星の観測は初めて行われた。  でも、もちろん、それらが初めて流れ星を見た記録ではない。流れ星はそれまでもずっと私たちの頭上に現れていたのである。  流れ星の数が、もっともっと多かったなら、それなりに天文学の発展に違った影響を与えたかもしれないが……

世界の風・日本の風 気象ブックス020

吉野正敏 著

 世界にはさまざまな風が吹いています。ハリケーンもあり、台風もあります。心地よく肌を撫でてゆく春風もあれば、一瞬にして地上の全てを巻き上げる突風もあります。毎日の気象情報では気温、降水量の他に「風力・風向き」が予報されています。  風は気温や降水量に比べれば日々の生活にそれほど深い関わりはないように見えます。ところが、本書によると、風は私たちの生活に無縁なものではありません。日本には「○○風」とか「○○おろし」のように風に地域独特の名前が付いていたり、「風情がある」とか「風雅を好む」などのような風に関する言葉や、風に関する地名が多く……

海洋音響の基礎と応用

海洋音響学会 編

局地風のいろいろ【3訂版】 気象ブックス004

荒川正一 著

局地風とはその地域特有の風で、山一つ越えればまた違う風が吹いている。現在、その複雑な仕組みの解明が進み、クリーンエネルギーとして見直されつつある。世界各地の局地風と最新の研究成果を、風を追いかけて50年の風博士がわかりやすく解説。さて、あなたの住む町にはどんな風が吹いているだろうか。 【3訂版への序】  本書の初版発行から10年を経た。その間多くの読者からご支持を受けたおかげで、このたび3訂版を出す運びとなった。これまでも改版ごとに訂正・追加などを行ってきたのであるが、この度はやや多くの場所に筆を入れた。  主な改正点は、 ……

雲と霧と雨の世界−雨冠の気象の科学1− 気象ブックス021

菊地勝弘 著

 環境問題として挙げられるものは、温暖化のほかに、オゾンホールや酸性雨などがありますが、本書によればそのどれもが雲や雨と深く関わっているといいます。本書は、地球をめぐるさまざまな形の「水」のうち、雲・霧・雨といった主に液体の状態の水をテーマにしたものです。  近年雲は、温暖化との関連で注目を集めています。著者によると、雲は地球を保温も冷却もしており、雲の増減が、今後の地球温暖化予測の鍵を握っているということです。  霧に関しては本書の約半分の分量を使って書かれています。第二次世界大戦中から続く霧研究の歴史からはじまり、霧の人工消散……
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