一冊の本がきっかけで人生に大きな転機が訪れることもある

  • 2015.09.08 

以前、僕が担当したある一冊の本、『井田寛子の気象キャスターになりたい人へ伝えたいこと』。この本を自分で企画、編集、営業まで行い、そこそこ売れた本になった。とある方がこの本を読み、仕事の転機となったとのこと。この本を元に記事を書き、それがYahoo!ニュースに掲載され、一気にアクセスが増え、結果として本を出すまでに至ったとのこと。ご丁寧にお手紙と著書を送ってくださいました。そこには「小川さんは恩人の一人です」と大げさにも書かれていましたが、自分が担当した本が誰かの役に立つということはとても嬉しいことです。

僕は常々社員や学生に言っていることがあります。それは「人生を変えるような本に出会ったことはあるか?」ということ。いろいろな本を読んでいると「おぉ、これは!」と思えるような本に出会うことがあります。しかし、そういった本は一生に一冊あるかないか。僕は学生のときにそのような本に出会いました。それ以来多くの本を読んでいますが、それを上回る本にはまだ出会っていません。

出版社の使命として僕が思うことは、「たった一冊の本でも誰かの役に立ち、それが人生を変えるようなものであることが我々の喜びである」と。どんな物でも、どんなサービスでも、どんな本でも誰かの役に立っています。そしてそれが、人生を変えるほどのものとなっているか? そこが重要だと思っています。出版人として生涯を捧げる以上、自分がたった一冊の本で人生が変わったように、そして自分が担当した本によって、その人の人生に影響を与えられたように、これからもそういった本づくりをしていきたいと、今回いただいた手紙を読んで、改めて思った次第です。

自分のやっていることに間違いはなかったとホッとした瞬間でもありました。