読了『ワークマン式「しない経営」』

ワークマンと言えば「作業服」というイメージを持つ方も多いのではないだろうか。吉幾三のCMは幼いながら頭に残っていた。それが、今ではアウトドア向けとして販売している。僕もキャンプ用にと買ったレインウェアは、今では日常的に使っている。今の時期なら防寒にはもってこい。ランニングウェアも、かなり安くてヘビーユースしても問題なし。ゴルフでも小物を利用している人もいる。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

データ分析が勝機のきっかけ?

かつては数字分析どころか、在庫管理もたいしてしていなかったようだ。現場の感覚で「このくらい売れるだろう」というのでずっとやってきたとのこと。昔の人は「勘どころ」が鋭くて、しかもそれがけっこう当たっている。うちの会社でも年配の人の勘どころは参考になる。しかし、これからの時代はそうもいかない。その勘どころのある人は定年退職になっていくし、勘に頼っているとその人しかできなくなっていく。

そこでエクセルを駆使した経営に舵を切ったことで業績が伸びていった。社員全員がエクセルを使いこなし、適正在庫、新商品を作る数などを決めていく。ただ数字を出すのではなく、しっかりと分析することで上司や役員への説明材料にもなる。勘は外れることがしばしばあるが、数字は嘘をつかない。全員で数字に強くなれば、自然と会社も強くなっていく。そういう考えのもとでエクセル経営になっていったという。

「しない」ことで社員への負担を減らす

社員のストレスになることは一切しない。ノルマ、期限、頑張ることなどなど、他の会社からしたら当たり前のことを極力やらない。それが会社を伸ばすことにつながる。目標ひとつとっても、自らつくったものと会社から与えられたものでは頑張り具合が違う。自らやろうと思ったことは楽しさが入っているが、人から与えられたことは、やらされ感がある。けっして甘やかしているのではなく、社員のストレスになることを避け、本人が持っている力を十分に発揮してもらうための手段。

コツコツやっていくことが成功の秘訣

売上が下がったり、将来の不安があると「一発逆転」を狙いたくなるもの。たまたまそれが当たるかもしれないけども、長くは続かない。長く続けるためには、できることを愚直にやっていくこと。諦めないこと。少し先を見越してやっていくことなど、目の前にあることをまずはやっていく。そうすることで、解決策が必ず見えてくる。そして、それができるとさらに次のステップへ進めることができる。

ワークマンも「このままじゃいかん」ということで業態を変化するのではなく、社内でみんなで意見を交わし、同じ商品でも別の場所で売ることはできないかと考えた結果、「ワークマンプラス」が思いついた。

我々も同じ商品でも意味合いを変えると、違う人がターゲットになることは多々ある。それを感覚だけではなく、数字をもってやっていくことで明確な目標につながり、やりがいも出てくるというもの。我社もシステムを導入してから日常的な仕事にしか使っていないので、もっともっと分析をして活用していこう。そして、エクセルも四則演算だけではなく、もう一歩踏み込んで勉強していこう。

コロナ禍でやろうと思っていたエクセルの勉強。オンライン授業を受講したのだが、だんだんと忙しくなっていったため途中までになっているから、それを再開しよう。まずは上の者が学び、下へ伝えていこう。言い出すことは簡単だけど、それをやり続け伝え続けるほうが大切だから。