校正作業から気づく仕事の改善方法

苦手なことでもやってみると、いろいろと発見があったり、学ぶことがあるんですよね。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

苦手な仕事こそ積極的に

誰しも苦手なことってあると思います。僕は仕事の中で苦手なことと言えば、「校正」という仕事。本を読むことは好きだけども、本を作ることって苦手。社会人になってから、ずっと営業をやってきていたから、編集の仕事を始めた時は「うぉ〜、大変だ!」って思ったわけです。

何が大変って、「本を読まないこと」に専念すること。読書であれば、字を読み進めればいいわけですけど、本作りの中で読んでしまうと、まさに読書になってしまうんです。それだと、間違いに気づきにくい。文章がおかしくないか、用字用語が統一されているか、内容に誤りはないか、などを見つけていかなければならないので、読書じゃダメなんです。文字を見ていくことに集中するわけです。

慣れないうちは、ついつい読んでしまい、内容がおもしろかったり、自分の興味のある分野だと読み進めてしまうんですよね。途中で「はっ!」っと気づいて逆戻り。なかなか作業が進まないことも。別のパターンだと、専門過ぎて進まないことも。

いづれにせよ、校正を行うに当たっては、「読書にならないように気をつける」ことを意識していくことが大事なんです。そうすると、「あれ?」ということに気づけるようになります。慣れてくると、明らかに内容に誤りがあることにも気づき、自分で調べ、著者に確認ということもできるようになってきます。

数をこなすこと

では、この苦手な校正作業。慣れるためにはどうしたらよいだろうか? それは、数をこなすしかない。1点、2点くらいじゃ慣れない。数十点やることで慣れていくし、素早く誤りに気づくこともできるようになります。と言いながらも、僕はそこまで本作りをしているわけではないので、たまにやってくるゲラを見て、悪戦苦闘しているわけです。

いまやっているのが、図書目録の作成。在庫がなくなった本を削除し、新しくできた本を追加。レイアウトが変わるページや書名検索のページの変更など、あっちこっちと確認することがたくさん。骨が折れるわけですが、これも大事な仕事。1年毎の更新だけれども、その時がきたら作業を進めるのではなく、例えば新刊ができてきた時点でデータを作っておく。他にやりやすいやり方がないかを考えてみる。他の人と仕事を分担するなど考えるわけです。

常に改善する意識が大事

校正の仕事に限ったことではなく、どんな仕事においても「改善する」という意識をもってやっていくと、慣れない仕事でも「こんな風にやれば楽になるかも」と思えるはず。久々に行った校正という仕事を通じて、自分の仕事を見直すいいきっかけとなりました。

今まで当たり前のようにやっていた仕事でも、時代の流れ、変化によって対応していき積極的に変えていくことも求められます。変えることを怖がらず、どんどん新しいことにチャレンジしていきましょう。結果は二の次。まずは動いていくことで気づくことがたくさんありますから。