なぜ成山堂書店は海事図書を発行しているのか?

歴史を知ると、もっともっと会社のことが好きになっていきます。

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

「なんで海事図書を出しているの?」

って時々、聞かれます。

なぜか? 今日は、そのことについて書いてみます。

成山堂書店を創業した祖父は神戸高等商船学校(現 神戸大学)を卒業後、三井船舶(現 商船三井)という会社に機関部員として入社し、船に乗っていました。

当時は船に関する本が少なく、英語の本ばかり。理解するのにとても苦労したそうです。その後、陸上勤務となり、海事業界がより良くなることを考えていたそうです。そうした中でたどり着いたのが「海難事故を減少させる」ということだそうです。

そこから船員のレベルアップ、船員になるための国家試験のための参考書の発行が必要と考え、出版社を創業したと聞いています。

戦争で多くのモノが焼け、その中には本も含まれていたため、勉強したくてもできない。そんな状況もあったようです。しかし、細かいことまで聞いていたわけではないので、生きているうちに、たくさん創業ストーリーを聞いておけばよかったな。

勉強熱心であった祖父。いま思い返すと、新聞・本・雑誌、ありとあらゆる「紙媒体」を常に読んでいました。

本がなかった時代に「本を通じて社会貢献をしていく」という強い思いがあったんでしょうね。

僕も本は好きですけど、祖父の足元にも及ばない。ついついスマホに手が伸び、読書が止まる。それはそれで、いろいろな情報が入ってくるからいいのでしょうが、やはり本から得ることもたくさんあるので、もっともっと本を読んでいきたいと思います。