企画を立てることから本づくりが始まる

どんな商品、サービスにも言えることだけど、企画を考えることが、商品・サービスを生み出すことの第一歩。そこには、経験、情報収集、勘どころが必要になってくる。いきなり売れる企画を生み出すことは難しいかもしれないけど、「どんなものが売れるだろうか?」「自分が読んでみたい本ってどんなのだろうか?」と常に考えることが大事。

考えて、考えて、考えて、一つの企画を生み出していく。専門書のため売れるパイは小さいけども、確実に売れていくであろうものを考える。そうして、企画をまとめ、企画会議と呼ばれる場に出し、プレゼンを行う。自分で良いと思っていても、みんなが同じように考えているとは限らない。まして、最終的に決定を下す社長に響かなければならない。

ここでちょっと余談。本を発行するには一般的に、製作費、印税・原稿料、製本代、販促費用は出版社持ち。出版社は大きなリスクを背負って本を出す。作ったからには売っていかないと、赤字になってしまう。だから、最終決定者である社長は慎重になるし、「本当にそれが売れるのか?」「売っていくためにどんな方法を考えているのか?」をとことん聞いていく。

だからこそ、企画を立てる人は、ただ企画をつくるのではなく、その先の売ることまで考えないとOKは出ない。編集者は本をつくり、営業が本を売る。というのは、当社では通用しない。社員全員で企画を考え、社員全員で売っていく。小さな会社はみんなで協力していかないと、商品を売ることはできないので。

例えば今は、総務グループの社員が今までの人脈をいかして、出版企画を立て、それが社内で通り、製作に進んでいるものもある。誰にでもチャンスがあるのが当社の特長でもあるかな。

今は1年間で日本全国の出版社から発行される本の数は80,000タイトル。単純計算で1日に200タイトル以上の本が発行されている計算になる。そして、それが全国の本屋さんへ行くのである。本屋さんへ行く人はわかるだろうけど、新刊書、話題書コーナーの入れ替わりの早さ。1週間前にあった話題書がなくなっているなんていうことはよくあること。書店員さんも、本を並べるので精一杯。だって、毎日たくさんの本がやってきて、それを入れ替えるための作業にものすごい時間を取られている。そんな状況。

専門書だからと言っても、そういった状況の飲まれているのは変わりない。だからこそ、企画を立てる時点で、良い内容のものを考え、どうやって売っていくかを考える必要があるのである。本ができてから「どうしようかな〜」では遅いんです。

このように当社では企画の段階から、練りに練って本をつくっているのです。