「本を出すにはハードルが高いよね?」という声をよく聞くとツイートしたら、思わぬ反響があった。
「本を出すってハードル高いよね」っていう声をよく聞きます。確かに、数万字を書くので、そりゃ労力がいります。一人では大変。だから僕らのような出版社が存在するんです。編集者が最初から最後まで伴走する。そして、一冊の本ができあがる。
陰から著者を支えるのが僕たちの仕事です。 pic.twitter.com/11d0BoHH6F— 小川啓人(やんやん)・専門書出版社の専務 (@mahaloyanyan) 2018年8月17日
僕ら出版社の仕事は、著者から原稿を預かり、内容を精査し、本という形にしていくこと。どんなジャンルの本にも編集者がつく。それこそ有名な作家さんであっても、編集者がいないと本にはならない。なぜか? それは原稿を書く人と、本にする人では、やることが違うから。
僕らは本を書くことはできないけど、本という形にすることが仕事。そのためには、どういったサイズが最適か、フォント、フォントサイズ、写真配置、用字用語の統一、「てにをは」の確認、本当にその内容が正しいのかどうかということまで、数え上げたらきりがないのかもしれない。そうやって、本にしていくのが出版社という会社の仕事。
時には著者以上にその本にのめり込み、なかなか校了(これでOK。次は印刷へ)することができないこともある。それくらい、編集者は著者と一緒に歩んでいるのである。まさに「伴走者」というべき存在なのである。なので、時には著者とぶつかることもある。でもそれは自我を通すのではなく、よりよいものにしたい、より売れる本にしたいという強い思いがあるからこそ。
逆になんでもかんでも「いいですよ」という編集者は、まだまだ経験が足りないのかもしれない。出版するジャンルの知識も少ないことも原因かもしれない。とはいえ、知らないことは勉強して、著者と話ができないと、一人前の編集者としてはまだまだだろう。
僕は多くの出版物には携わってはいないけど、担当した本、自ら企画を立ち上げた本の分野に関しては、徹底して勉強をしてきた。どうしてもわからないことは著者に委ねるけど、多くのことは自分で調べることができる。そうやって、突っ込んでいくから、出来上がった時はとっても嬉しくなる。まるで自分が最初から書き上げたかのような気分。
そしてその後に、「どうやったらこの本をたくさんの人に知ってもらえることができるのか?」を考える。作って終わりではない。特に当社のような小さな会社は編集者も著者と一緒になって、本の宣伝を行う。だって、その本にずっと携わってきたから、内容を熟知しているしね。
そうやって、僕らは多くの本を世に出してきている。冒頭に書いた「本を出すにはハードルが高い」ってあるけど、本を出したい人は、まずは出版社に問い合わせてみてください。出版社ごとに強いジャンルがあるから、自分の出したい分野の出版社を探して、チャレンジして欲しいです。
当社で言うと、自然科学(生き物、科学、お天気などなど)や、鉄道、飛行機、魚、船などの専門書が多いけど、優しい本だって出しているので、この分野で出版したいと思う人は、一度連絡してみてください。ただし、100%出版が可能というわけではありません。文章力や内容、人柄などなど、総合的に判断をして出版の可否をします。
出してみないと売れるかどうかわからないけど、本当に売れるのか? どうやったら売れるのかを事前に練らないといけないので。なんでもかんでも出していたら、いくらお金があっても足りませんしね。逆に「なんでもOKですよ〜」というのは怪しいかも。
当社のジャンルとは違っても、出版に関する相談にはのれると思うので、「本を出してみたいな」という人はお声がけください。まずは最初の一歩からなので。