買ってでも側に置いておきたいもの

毎週月曜日は全体朝礼。その中で「講話」という時間があります。社員持ち回りで、仕事に役立つことを5分程度で話していきます。社歴の差はあっても、自分が学んだこと、気づいたことを自分というフィルターを通して発信していく。それをみんなで共有しましょうという時間。

今朝の社員の話が、出版業界だけに限らず、どの業界にも言えることだと思いました。それは、

買ってでも側に置いておきたい本をつくること

という話。自動車業界はどんどん車が売れなくなっている。若い人たちが免許を取らなかったり、車を買わなかったり、昔とはだいぶ違ってきている。車の登録台数も減っているとか。その代りに、レンタカーではなく「カーシェア」がどんどん普及していますよね。

1日単位ではなく分単位で借りられるカーシェアはどんどん拡大中。コインパーキングに数台置いてあり、スマホで登録すれば簡単に使えますからね。電車では不便なところでも、車があれば行きたい。でも、車を持つには維持費もかかり大変。普段はそんなに乗らないし。そういう人にとっては、便利なサービス。「コストコ行きたいんだけど、自転車じゃちょっと無理」っていう人には、うってつけのサービスですね。

「借りる」というサービスです。これを例に出して話したのが、「図書館」。昔からどの地域にも図書館はあり、そこで本を借りたり、読んだりする人は多いと思います。

図書館の数は少しずつ増えていって、貸出数も増えていっています。僕も調べ物をしたいときは、図書館に足を運びます。特に古い本だと、売ってなかったり探すのが大変だったりしますからね。今はネットでどこの図書館に蔵書があるか調べられますからね。

この二つの例を出して何がいいたいかと言うと、「お金を出してまで自分の側に置いておきたい価値があるかどうか?」ということ。本でいうと、ネットで調べられるくらいの内容だったら、出す価値はないのかもしれません。ネットにも載っているかもしれないけど、それを読みやすいように編集して、価値ある内容に変えること。それが出版社としての、これからの本当に役割なんだと思います。

今は何でもレンタルできる時代。洋服、高級時計、高級車、家具などなど。「これはどうしても買いたい!」って思ってもらえるよなモノづくりが必要なんですよね。だからこそ、そのモノをお金を出して買うことへの意味付けが大事。それがあることで、どんな良いことがあるのか。それを伝えていくことも必要になってきます。

ただモノをつくって売る時代は終わりました。これからは、その価値を伝えていきましょう。朝礼での社員の話を聞いて思ったことでした。