やさしさを与える、それだけで十分

  • 2014.12.15 

『どうか忘れないでください、子どものことを』
タイトルだけ見ると、子育てを放棄した人に向けての内容なのかなと思ったけど、読んでみるとそんなことはない。子どもとしっかりと向き合ってほしいという著者の思いがつまっている。

子育てをしていると、周囲からこんなことをよく聞く。

・抱っこばかりしていると、抱っこ癖がつく
・子どもの言うことばかり聞いているとわがままになる
・厳しく躾けなければいけない

など、いろいろなことを言う人がいる。うちは最初からそんなことはなく、抱っこしてほしければするし、子どもの言うことはしっかりと聞いているし、厳しい躾けはそこまでしていない。誰が言ったかわからないが、それが当たり前のような風習になっているのだろう。

この本から、響いた部分。

子どもは一人一人違うし、同じように育てられるわけがない。その子その子に合った育て方をすればいい。周りの声に惑わされずに子どもとしっかりと向き合ってほしい。

いい子だからかわいがる、いうことをきくからやさしくするのではありません。子どもというのは、かわいがるから、言うことをきいてやるから、いい子に育つのです。

ただ、ひたすら、やさしさだけを与えてほしい。それだけでじゅうぶんです。

じっと親が待ちながら、穏やかに何度も何度も言い聞かせて、子どもが「できた」ときにほめることで自立性は育っていくものです。

親は待つことが、叱ることより大事な仕事なのです。「何度でも言ってあげる」「できなかったら何度でも教えてあげる」のが親なのです。どうか、待ってあげてください。叱ったり、叩いたりしてその場だけ従わせても、子どもは怖がり、萎縮してしまうだけで、決して自立心は育ちません。

大人も子どもも同じだなと思う。一方的に自分の考えを押し付ける大人とは嫌がられる。親だからといって、一方的にあれやこれやと言われると子どもだって嫌になる。愛情持って正面から向き合えるかどうかが大事なんだと思う。そう、やさしく愛情をもって。