読めば出かけたくなる!「潮干狩り」の極意を伝授! 【第1章:潮干狩りに出かける前の疑問】

  • 2021.03.31 

この間までセーターを着ていたと思ったのに、あっという間に汗ばむ陽気になりました。開放的なレジャーに出かけたくなりますよね。実は、春は潮干狩りにうってつけのシーズンなんです。これから4回に分けて解説する『潮干狩りの疑問77』は、潮干狩りに出かける前から家に帰ってきた後まで、知りたいことをばっちりフォロー!各種安全対策をしっかり行った上でお出かけください。

第一回の今回は、潮干狩りに出かける前の準備についてお話します。楽しいお出かけも、大漁も、まずは準備から!安全に楽しく、目当ての貝を掘り当てましょう!

【道具は何を用意すればいい?適した服装は?】

道具としてまず用意するのは、クマデと貝網です。シーズンに潮干狩り場に行けば両方とも販売していますが、今はいつでもネットで買うことができます。獲ったアサリを元気に生かしておくためには、保冷剤を入れたクーラーも用意しましょう。

意外と忘れがちなのは、砂を吐かせるために海水を持ち帰ること。水汲み用の空ペットボトルもあると便利です。

服装面で気をつけることは、春の日差しを甘く見ないこと。つばの広い麦わら帽子があると安心です。服装も、上腕部と膝より上は覆われるようなものにしましょう。足元は、安全な砂場なら裸足の足裏の感覚で貝を探り当てることもできるのですが、潮干狩り場所の状態によっては、長靴やサンダルが必要になることもあります。

【潮の満ち引きを知っておこう:便利な味方、潮汐表】

潮汐表は釣具店に行けばその地方のものを置いています。潮干狩り場として営業している場所のものは、潮干狩りに適した日と時間が掲載されているはずです。干潮と満潮は1日に2回ずつやってきますが、潮汐表にはその時間と潮位が記されています。潮干狩りができるのは、大潮や中潮の干潮時の前後2時間ほどです。潮位が低い日ほど、普段は行けない深場までアサリを取りに出られる日でもあります。春が潮干狩りに最適なのは、春の大潮や中潮の干潮は昼間に大きく潮が引くからです。潮干狩りに適した日は大きく潮が引きますが、満ち始めるとあっという間です。海岸によっては危険ですので、帰り時は常に気にしていましょう。

【潮干狩り場は太平洋側だけ?】

考えてみたら、有名な潮干狩り場所は太平洋側ばかりです。日本海側では潮干狩りはできないのでしょうか?Q&Aをご紹介します。

Q:日本海側に潮干狩り場はありますか?

A:干潮から満潮までの時間は約6時間です。日本地図を見ると、日本海は海峡によって北端と南端が大きく狭められていることがわかります。この海峡によって、日本海側では6時間で海水が満ち足り引いたりすることができません。そのため、日本海側には潮干狩りのできるほど大きく潮の引く干潟が存在しないのです。

【道具の話:クマデと貝網、手袋、タオル】

潮干狩りの道具といえばクマデです。もしアサリがザクザクいるような場所を見つけたら、手で掘った方が早いかもしれません。しかしクマデを使えば安全ですし、クマデの爪に貝殻が当たる感触で貝を探すこともできます。お勧めのクマデは、「忍者クマデ」と呼ばれる5本爪のもの。使いやすく、アサリからの振動も伝えやすい優れものです。

貝網は、専用のものを選んだ方が便利です。口部分に輪がついていればいちいち網の口を広げずに済みますし、口部分がプラスチックなどの軽いもので目立つ色がついていれば、網を水中に沈めておいても、和の部分が浮くのでわかりやすいですね。

まだ水が冷たくて指がかじかむときは、ぴったりしたニトリルゴム手袋の上から軍手をはめましょう。

暑いときも寒いときも、タオルを一枚用意しておけば便利です。日差しが厳しいときは麦わら帽子にプラスして首筋を守り、寒いときは乾いたタオルを首元に巻くことで防寒ができます。

【潮干狩りと時間:目指す時間に到着する】

シーズンともなれば、潮干狩り場への道は大渋滞になります。車で出かける方がほとんどだと思いますが、スタートダッシュに遅れたら駐車場に入れないことも。極端に早く家を出るか、列車のシーサイドラインが整備されている横浜などでは、手前の駅で車を置いて電車移動に切り替えるのも最終手段として使えるかもしれません。

潮干狩りができる時間は干潮の前後2時間ほどですが、潮が満ちていくときより引いていくときの方が圧倒的に有利です。引いていく潮を追いかけながら進んでいけば、干潟の形状もわかりやすく、アサリがいそうな場所の目星もつけやすいのです。安全のことを考え、沖に出るときは必ず必ず潮と一緒に沖に出て、潮が引ききったら戻るようにしましょう。

【潮干狩りの貝は安全なの?】

「貝毒」という言葉を目にされたことがあるかと思います。自分たちの手で獲った貝を持ち帰って調理し、食べるとなれば、心配になりますよね。目安となるQ&Aを挙げておきますので、参考になさってください。

Q:貝毒のニュースが時々報道されますが

A:アサリやハマグリは元々人体に有害な成分は持っていませんが、毒性のある植物性プランクトンを体内に蓄積することで毒化していきます。しかし、アサリやハマグリより先に毒化する二枚貝がいます。イガイです。同じ海岸に生息するイガイをモニタリングしていれば、その場所のアサリやハマグリが毒化するかを事前に知ることができます。また、一度毒化が発生した海岸の貝は再び毒化する可能性があります。

今回は、潮干狩りに出かける前の基礎知識をご紹介しました。今年お出かけを考えている方も、来年以降にしておこうと思われている方も、読んでワクワクしてくるような情報をお知らせできればと思います。次回はいよいよ実践編です。主なターゲットとなるアサリの秘密を中心に、潮干狩りの秘訣を伝授いたしますよ!