読了『最後だとわかっていたなら』

明日がいつもと同じように来るのだろうか? そんな疑問を抱くことなく、毎日を過ごしている。それは当たり前のことではない。今日と同じ明日が来ないかもしれない。そう考えたら、いま、何をするだろうか。何ができるだろうか?

みなさん、こんにちは。
成山堂書店という専門書をつくっている会社の三代目(専務)の小川啓人です。
海に関すること(船、海洋、水産)、気象、飛行機、鉄道などの物流の専門書から、
深海魚、釣り、海の生き物などの趣味的な本までを発行しています。

書棚を整理していたら目に止まった一冊。しばし手を止めて読んでいたら、涙が出てきた。前日、息子のことを怒りすぎた。些細なことだったけど、何度も何度も注意しても直らない。後から思うと、どうでもいいことだった。でも、自分の価値観からは許せなかった。

そんな僕に「お前、これを読め!」という天からのお告げなのだろうか。そんなに厳しくしなくたっていいじゃん、まだ10歳だぜ。42歳になる自分だって、未完成だしミスばかりだし、至らないことばかりなのに、自分のことは棚に上げて、10歳の息子を叱りつける自分の至らなさに、情けなくなった。

子供の成長はあっという間で、もう一緒に遊ぶことが少なくなった。小さい頃はあれだけ一緒にいて、いろんなところへ遊びに行って、ベッタリしていたのに、手が離れていくと寂しくなる。成長と共に「お兄ちゃんなんだから」と言いたくなることも。

でも、子供にとって、そんなことは関係ない。今を一生懸命生きているんだから。今という時を共に過ごしているんだから。

この本は、

今を大切に生きようよ

っていうことを言いたいんだと僕は思う。ガミガミ言うことだってある。
でも、そんなときは、

「ごめんね」や「許してね」や
「ありがとう」や「気にしないで」を
伝える時を持とう

という一文を思い出そう。

心あたたまる一冊。

イライラ、カリカリしている人、忙しすぎる人、何かに悩んでいる人に読んでもらいたいな。