2015年3月20日の日経MJから。「異分野からブックカフェ 人と本との出会い演出」というタイトルで、本屋ではなく出版社や印刷会社が、カフェを併設した本屋を出しているという記事。1軒は「かもめブックス」という校正を行う会社がつくったところ。もう1軒は「ふげん社」という印刷会社がでがけるところ。両社とも自社の特長をいかした店構えにして、他の本屋で売れるようものばかりではない。なので、独自の「ランキング」があるのがおもしろいところ。
先日行った「天狼院書店」も同じような店舗で、よくある本屋さんとは違い、「本との出会い」を大事にしている。どこの本屋に行っても同じような品揃えだと、どこで買ってもいい、という選択肢になってくる。しかし、本が好きな人にとってはその時々の「出会い」を大事にしたいと思うし、また買った本をすぐに読みたい。隣にカフェがあれば、すぐに読める。そのように「常に本がそばにある生活」が体験できる店舗ではないだろうか。
出版業界は本当に厳しい業界である。その中で工夫の仕方はまだまだあるはず。こういった記事を読むと、応援したくなるし、また自分たちも「よし、がんばろう!」という気持ちがわいてくる。一人でも多くの人に、一冊でも多くの本を届けていきたい。本が売れないと言っても、本が伝える力は大きなものがある。それを伝え続けるのが、出版人としての使命である。