タグ「気象ブックス」 一覧

世界の風・日本の風 気象ブックス020

 世界にはさまざまな風が吹いています。ハリケーンもあり、台風もあります。心地よく肌を撫でてゆく春風もあれば、一瞬にして地上の全てを巻き上げる突風もあります。毎日の気象情報では気温、降水量の他に「風力・風向き」が予報されています。  風は気温や降水量に比べれば日々の生活にそれほど深い関わりはないように見えます。ところが、本書によると、風は私たちの生活に無縁なものではありません。日本には「○○風」とか「○○おろし」のように風に地域独特の名前が付いていたり、「風情がある」とか「風雅を好む」などのような風に関する言葉や、風に関する地名が多くあります。世界でも農作物から建築物にまで風の影響が及んでいるといいます。  目には見えない風にも名前があり、特有の性格があり、人間の衣食住や文化にまで深い関わりがあることを改めて教えてくれます。  著者は学生時代から風に興味を持ち、長年にわたって世界各地で……

流れ星の文化誌 気象ブックス003

人々の身近な存在でありながら、今まで天文学でしか語られなかった流れ星を、歴史的・文化的視点から観測し、知られざるその素顔に迫る。 【はじめに】より  初めて流れ星が近代科学の対象として観測されたのは、1798年11月のことだ。それから100年たった1899年、日本では現代に通じる流れ星の観測は初めて行われた。  でも、もちろん、それらが初めて流れ星を見た記録ではない。流れ星はそれまでもずっと私たちの頭上に現れていたのである。  流れ星の数が、もっともっと多かったなら、それなりに天文学の発展に違った影響を与えたかもしれないが、残念ながら、流れ星はその数も適度であった。太陽、月、惑星などの規則的な現象を撹乱するにはあまりに微力であり、その結果、流れ星はそれ自身の解明が進むまでは、占いの対象とされたりして脇役に甘んじてきたのである。  この流れ星にまつわる文化(文化というほど大袈裟……

雲と霧と雨の世界−雨冠の気象の科学1− 気象ブックス021

 環境問題として挙げられるものは、温暖化のほかに、オゾンホールや酸性雨などがありますが、本書によればそのどれもが雲や雨と深く関わっているといいます。本書は、地球をめぐるさまざまな形の「水」のうち、雲・霧・雨といった主に液体の状態の水をテーマにしたものです。  近年雲は、温暖化との関連で注目を集めています。著者によると、雲は地球を保温も冷却もしており、雲の増減が、今後の地球温暖化予測の鍵を握っているということです。  霧に関しては本書の約半分の分量を使って書かれています。第二次世界大戦中から続く霧研究の歴史からはじまり、霧の人工消散実験などを紹介しています。霧をこれだけまとまって扱ったものは過去に例がなく、霧研究の集大成ともいえる内容であり、本書の大きな特徴です。  このほか、人工降雨の手法としても用いられる、雲の併合による降雨の増幅効果のメカニズムや、最近の都市型豪雨などの話題にも触……

局地風のいろいろ【3訂版】 気象ブックス004

局地風とはその地域特有の風で、山一つ越えればまた違う風が吹いている。現在、その複雑な仕組みの解明が進み、クリーンエネルギーとして見直されつつある。世界各地の局地風と最新の研究成果を、風を追いかけて50年の風博士がわかりやすく解説。さて、あなたの住む町にはどんな風が吹いているだろうか。 【3訂版への序】  本書の初版発行から10年を経た。その間多くの読者からご支持を受けたおかげで、このたび3訂版を出す運びとなった。これまでも改版ごとに訂正・追加などを行ってきたのであるが、この度はやや多くの場所に筆を入れた。  主な改正点は、 ※ご存知のとおり、フェーンの源はアルプスに吹く南風である。アルプスのフェーンについては、2000年の前後10年ほどの間に比較的多くの研究が報告された。最近のヨーロッパにおける研究成果に基づいて、“フェーン小論”を2章に追加した。代わりに、“風力発電からみた地……

気象と音楽と詩 気象ブックス005

ベートーヴェンの「月光」は、低気圧の通過を表現していた!?先人達が音楽・詩歌に託した「気象」を鑑賞し、現代の生活で忘れがちな「自然への素朴な感動」の世界へご招待します。 【まえがき】より われわれは大気の底に住んでいるので、気象の恩恵と脅威を受けながら毎日の暮らしを営んでいる。しかし、気象の恩恵は、空気の存在を忘れるように、当たり前に事として心に留められることもなく、気象の脅威も、災害は忘れたころにやってくるのたとえの通り、記憶が薄れていく。脅威を代表する暴風雨は天気予報の原点で、特に台風と梅雨期の雨は災害を伴う気象の筆頭として昔から人々に恐れられてきた。ところが、台風が一度も来なかったり、空梅雨に終わると、日本はたちまち深刻な雨不足に悩まされる。もし、過度に風が吹き、雨が降れば、空気は浄化され、水にも恵まれていうことはない。昔の人はこのような気象の平穏な振る舞いを「五風十雨」とも……

釣りと気象 気象ブックス006

釣り人のための気象をわかりやすく解説。長年の釣り経験に基づく興味深い話題をまじえ、楽しみながら天気図の読み方が学べる1冊。 【まえがき】より 釣りは、男女を問わず子供かた大人、高齢者に至るまで、多くの人々が手軽にできるレジャーである。そのためか、近年、立派な設備を整えた「釣り公園」が各地に建設されている。どこの釣り公園も竿の放列にはびっくりする。港周りの波止から小磯、防波堤も太公望でにぎわっている。 しかし、同じ釣りでも荒磯釣りとなると、手軽にできるものではない。わざわざ渡船を使って沖の荒磯に渡り、危険性に高い、むつかしいテクニックのいる釣りを好んでするのであるそこには、必然的に心得ていなければならない自然のしくみや守らなければならない掟があることを知らなければならない。 低気圧やうねりの気配を察知し、時には、引き上げるころ合いを見定める必要もある。これは、釣り人の心構えでもあ……

エルニーニョ現象を学ぶ 【改訂増補版】 気象ブックス007

ペルー沖の海水温度上昇が、遠くの日本の冷夏など、地球規模の異常気象をもたらすというエルニーニョ現象。知っておきたいその仕組から発生の予測、社会的影響まで地球の躍動をやさしく、ていねいに解説。大気と海洋の、微妙なバランスがつくりだす現象の全貌を、最新の研究成果から明らかにする。 [toc] 【まえがき】 学校における「理科離れ」が問題になって久しいものがあります。この「気象ブックス」シリーズの刊行の趣旨では、その理科離れを引き戻すことも念頭においています。私も微力ながらその趣旨に沿うよう協力できたらというのが、本書を執筆した動機です。 しかし、私にしてみれば、理科離れは本当だろうかと思うこともしばしばです。毎日移り変わる気象現象を見ていると、おのずと明日の天気が気になりますし、天気予報を知りたければ、テレビのチャンネルをを気象情報の番組に合わせます。最近のテレビ各局は、競って……

気象予報士の天気学 【2訂版】 気象ブックス008

「雨はなぜ降るのか?」を「明日雨が降る」にまで高めたところに気象学のすばらしさがあります。天気予報はどんなプロセスで行われているのか、「天気」の初歩から最新の予報技術までを紹介します。気象予報士試験に新しく加えられた「季節予報」もやさしく解説しています。 【はじめに】より インターネットを使えば、気象衛星の雲、気象レーダーの雨、アメダスの気温など、いまの気象がすぐわかる。テレビを見ると、雨の予報図、天気の分布予報、気温の変化グラフなど、これからの天気が見やすく加工されている。情報処理技術の発展により、気象情報はずいぶん使いやすく、見やすくなってきた。目で見てすぐわかることの価値は大きいが、そのことと予報の精度は別である。天気予報が華やかに加工されるようになればなるほど、中身の充実が大切になってくる。中身とは精度のよい予報であり、精度を支えているのは予報の技術である。そして、技術の基……
本を出版したい方へ