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エルニーニョ現象を学ぶ 【改訂増補版】 気象ブックス007
ペルー沖の海水温度上昇が、遠くの日本の冷夏など、地球規模の異常気象をもたらすというエルニーニョ現象。知っておきたいその仕組から発生の予測、社会的影響まで地球の躍動をやさしく、ていねいに解説。大気と海洋の、微妙なバランスがつくりだす現象の全貌を、最新の研究成果から明らかにする。
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【まえがき】
学校における「理科離れ」が問題になって久しいものがあります。この「気象ブックス」シリーズの刊行の趣旨では、その理科離れを引き戻すことも念頭においています。私も微力ながらその趣旨に沿うよう協力できたらというのが、本書を執筆した動機です。
しかし、私にしてみれば、理科離れは本当だろうかと思うこともしばしばです。毎日移り変わる気象現象を見ていると、おのずと明日の天気が気になりますし、天気予報を知りたければ、テレビのチャンネルをを気象情報の番組に合わせます。最近のテレビ各局は、競って……
気象予報士の天気学 【2訂版】 気象ブックス008
「雨はなぜ降るのか?」を「明日雨が降る」にまで高めたところに気象学のすばらしさがあります。天気予報はどんなプロセスで行われているのか、「天気」の初歩から最新の予報技術までを紹介します。気象予報士試験に新しく加えられた「季節予報」もやさしく解説しています。
【はじめに】より
インターネットを使えば、気象衛星の雲、気象レーダーの雨、アメダスの気温など、いまの気象がすぐわかる。テレビを見ると、雨の予報図、天気の分布予報、気温の変化グラフなど、これからの天気が見やすく加工されている。情報処理技術の発展により、気象情報はずいぶん使いやすく、見やすくなってきた。目で見てすぐわかることの価値は大きいが、そのことと予報の精度は別である。天気予報が華やかに加工されるようになればなるほど、中身の充実が大切になってくる。中身とは精度のよい予報であり、精度を支えているのは予報の技術である。そして、技術の基……
成層圏オゾンが生物を守る 【改訂版】 気象ブックス009
ヤマセと冷害−東北稲作のあゆみ− 気象ブックス010
ヤマセ地帯で安定した「米作り」は可能なのだろうか?冷害の歴史や対策を検証し、ヤマセを活用した冷害のない農業の可能性を探る。
【はじめに】より
江戸時代は寒冷な気候期(小氷期)といわれ、地球全体が今日より二?三℃低温で、冷夏の規模も大きく冷害が頻発し、年間で数十万人の餓死者があった。その後の近代的な国家体制のもとでは、大和神話に基づく国粋主義が隆盛を極め「米作り」が日本人の天分とされた。気候条件による適地適作を論ずるよりも土地があれば先ず「米作り」が精神論として求められ、冷害の危険地帯である北日本へ稲作は拡大の一途を辿る。戦後の食糧不足の時代にも食糧増産=米の増産とする戦前の思想が引き継がれ昭和四〇年代まで続いた。
一方、気象観測は近代国家の事業として始まり、冷害をもたらす冷夏の発生機構やその特質に関する研究にも取り組んできた。今日では、東北地方に冷害をもたらすヤマセの襲来は気……