タグ「気象ブックス」 一覧

ココが知りたい地球温暖化 気象ブックス026

テレビや新聞の報道、あるいはインターネットなど、さまざまなメディアで地球温暖化が話題になっています。書店の店頭で見かける温暖化関連の書籍の数も、いまやかなりの数に上っています。  それらの中には「進行する温暖化の危機」といったものがあるかと思えば、「温暖化はウソである」といった調子のものもあります。新しい説が唱えられるたびに、情報が錯綜し、何が本当なのかわからないというのが,大方の人の感想でしょう。温暖化のことを、見聞きする機会は多いものの、正確に理解できているかというと、そうでもないというのが実際のところのようです。  本書は、このような温暖化に関するよくある質問、素朴な疑問に、温暖化を専門に研究している、国立環境研究所地球環境研究センターの第一線の研究者たちがQ&A形式で答えるもの。地球環境研究センターのニュースレターの連載記事から29話を、質問の内容に応じて温暖化の「科学」「影響……

日本海の気象と降雪 気象ブックス025

本書は、元気象庁長官である著者が、これまでの研究・経験をもとに、日本海の降雪という現象を多くの人に理解してもらおうと執筆したものです。 冬季季節風、日本海上の気団変質から雪と人との関わり、気象予報と降雪の関係、温暖化が降雪にもたらす影響まで、日本海の降雪にまつわる全体像がわかりやすくまとめられています。さらに、降雪という現象を理解するために必要な気象学の基礎の説明にも多くのページが割かれており、気象に関する知識を多くの人に広めようという著者の思いが込められています。読み進めることで気象という科学の全体像を理解していくことができるでしょう。  日本海側に住んでいる人、実際に雪に接している人はもちろん、気象や科学に興味のあるすべての人におすすめの一冊です。 【まえがき】より  日本列島、東ユーラシア大陸、および朝鮮半島に囲まれた海を日本海とよぶ。私達は日本海から何を連想するだろう……

地球温暖化と農業 気象ブックス024

本書は、農水省の研究部門で活躍した農業気象のトップともいえる著者が、地球温暖化のメカニズムや農業へのメリット・デメリット、米・野菜・果物など各種作物への影響など、温暖化と農業の関係を最新のデータに基づきわかりやすく解明しています。そして、世界的に見た飢餓人口問題なども交え50年後、100年後を見据えた予測と今後の適応策を提言しています。  生育や品質、収穫量など、作物によって受ける影響は異なるものの、これだけ状況が変わってくるのかと驚きを感じます。現状を把握し、温暖化を上手に利用し、適応していくことが、今後の農業を支える術となるでしょう。その足掛かりとして、ぜひ一読をお薦めします。 【まえがき】より 20世紀の終わりから暑い年が続いている。最近、暖冬で明け、暑い夏になることが多いと感じるのは筆者だけだろうか。 筆者が温暖化の研究を始めたのでは、1980年代の終わりであった。その……

健康と気象 気象ブックス023

春に花粉症、夏に熱射病と年間を通して様々な疾患が生活に関係しています。そうはいっても気象と健康医学に関する知識は意外と知られていません。テレビの天気予報で健康を守る対策法を紹介していますが、限られた時間で細かな部分までは伝えられていません。  本書は、そのような健康医学と気象とのかかわりを研究する生気象学について、その第一人者の著者が最新の研究をもって細かく解説したものです。四季を通じた健康歳時記では、季節を代表する疾患が発病する条件や予防法などを記しています。他にも健康と衣食住との関係を歴史を辿りながら述べたり、先人の天候に関する知恵や最近ドイツで広まっている医学気象予報など様々な情報を記載しています。 また、口絵の「健康マップ」では、同じ疾患でも地域によって天候感度の違いがあることをビジュアル的に理解できるようになっています。 同じ気象でも年齢によって体への影響は大きく違う。幼児か……

天気予報いまむかし 気象ブックス022

本書は天気予報の背景にある学問分野の紹介、観測・通信・予報技術の進歩、さらに近年の天気予報の自由化と気象予報士の登場まで、変わり行く天気予報を文化・学問・技術の3つの視点から述べています。  一般向けに天気予報を体系的にまとめたものとして類書はなく貴重な資料といえるでしょう。巻末に天気予報関係の年表が収録されているのもうれしいポイントです。著者は気象庁OBで、数値予報の実現など、長年にわたり予報畑で勤務してきた経験を持っています。 天気予報の歴史書として、気象予報士はもとより、天気予報を利用するすべての人に読んでもらいたい一冊です。 【はじめに】より  “天気予報 いまむかし”と言っても、むかし(昔)をいつにするか大変難しい。天気俚諺(ことわざ:夕焼けは晴れなど)の時代まで遡るのか、現代の科学的天気予報が始まった時代まで遡るのか、それとも天気予報が自由化されて気象予報士が社会に……

成層圏オゾンが生物を守る 【改訂版】 気象ブックス009

ヤマセと冷害−東北稲作のあゆみ− 気象ブックス010

ヤマセ地帯で安定した「米作り」は可能なのだろうか?冷害の歴史や対策を検証し、ヤマセを活用した冷害のない農業の可能性を探る。 【はじめに】より  江戸時代は寒冷な気候期(小氷期)といわれ、地球全体が今日より二?三℃低温で、冷夏の規模も大きく冷害が頻発し、年間で数十万人の餓死者があった。その後の近代的な国家体制のもとでは、大和神話に基づく国粋主義が隆盛を極め「米作り」が日本人の天分とされた。気候条件による適地適作を論ずるよりも土地があれば先ず「米作り」が精神論として求められ、冷害の危険地帯である北日本へ稲作は拡大の一途を辿る。戦後の食糧不足の時代にも食糧増産=米の増産とする戦前の思想が引き継がれ昭和四〇年代まで続いた。  一方、気象観測は近代国家の事業として始まり、冷害をもたらす冷夏の発生機構やその特質に関する研究にも取り組んできた。今日では、東北地方に冷害をもたらすヤマセの襲来は気……

昆虫と気象 気象ブックス011

日常の気象から地球温暖化まで、昆虫の大発生、害虫管理、昆虫媒介病などに及ぼす影響を新しい切り口で解明した最先端の書。 【まえがき】より 本書の表題はおそらく近代の応用昆虫学でも最も古くてかつ新しい問題である。後に英国のバッタ対策センター(ALRC)の初代所長に任命されたB・P・ウバロフ博士が『昆虫と気候』という本を世に出したのが1931年で、その当時すでに少なくとも1300もの関連の論文が世界で公刊されていた。ウバロフはそれを総括することによって、害虫の発生を予知し、これを駆除することに役立てたいと述べている。日本でもこの流れを汲んで官製の発生予察事業が発足し、研究予算の乏しい第二次大戦後の病害虫防除の研究と事業を支えてきた。戦後の食糧不足を背景に、発生予察事業は農薬散布のための病害虫の発生時期(可能なれば発生量も)の予知とその早期発見に重点が置かれた。しかしウバロフが「気象条件……

富士山測候所物語 気象ブックス012

明治時代以降、過酷な自然環境で続けられている富士山頂での気象観測。命をかけた人々の熱意と富士山測候所の全歴史を熱く伝える物語。 【まえがき】より  標高三七七六?、日本一高い山といえば富士山、この山頂に測候所があるのは誰でもご存じのことと思う。富士山頂では天気の良い日に関東の平野から房総、相模灘、伊豆半島、さらに御前崎の西方まで見えることもまれではない。雲を下に見るのは普通のことである。雷の中に入ることはあるが、雷を下に聞くことはあまりない。遠くに聞くときはある。雨と雪は横から風と共に吹き上がってくる。八月に雪が降る。気象は激しく変化して平地では到底想像することができないほど厳しい。  富士山は独立孤峰であるから、自由大気の流れに曝されている山頂で気象の観測をすれば、高層の気象がよく分かり、天気予報に大いに役立つではないか、と誰もが考えたことであった。このような考えは外国にもあり……

台風と闘った観測船 気象ブックス013

日本の台風災害の軽減に多大な貢献をした定点観測船の活躍を中心に描く。苛酷な環境下の興味深いエピソードや貴重な資料を交えて綴る。 【まえがき】より 一九一二年(明治四五年)四月一〇日に北西大西洋で起こったタイタニック号の海難は、一四九〇名が亡くなったことが強調して語られている。しかし、全員が死亡していたかもしれないところを、積んでいた最新機器の無線通信機によって、七一一名が救助されている。このため、無線通信機を積む船が増え、船で観測したデータをすばやく気象台等に送り、逆に気象台等から危険な状態にあう可能性があるかどうかの情報をすばやく受けるという気象事業が世界的に急速に発展している。日本でも、一九二〇年に海洋気象台ができ、それまでの陸上に加えて、海上の予報にも力が入れられた。その後、日米間に暗雲が立ちこめるなか、三陸沖で日本海軍が台風に巻き込まれた。このときに得られた知識は隠され、南……
本を出版したい方へ