ドクター山見のダイビング医学


978-4-425-95631-9
著者名:山見 信夫 著
ISBN:978-4-425-95631-9
発行年月日:2021/7/28
サイズ/頁数:B5判 288頁
在庫状況:在庫有り
価格¥4,400円(税込)
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レクリエーショナルダイビングから潜水業務まで!ダイバーや潜水士なら知っておきたいダイビングが体に与える影響についてQ&Aで学ぶ。
とくに誰もが気になる減圧症や、減圧症以外の潜水が原因で起こる頻度の高い潜水障害の症例と原因、予防法について、イメージが難しい体のしくみや症状などを図解しながら丁寧に解説していく。また、より安全で体に負担をかけないという視点からダイブコンピュータや呼吸ガス、ダイビング前後の行動の注意点について正しい知識も紹介。

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【はじめに】

海に行くと、ダイバーからよく体調のことを相談されます。毎日潜っているインストラクターでも、健康そうに見えて、実は体調を気遣っていることはよくあるようです。持病が潜水事故の原因になったり、ダイビングをすることで病気が悪化したりすることもあります。注意すべきことを知らなかったばかりに、潜水障害にかかったり、専門医に相談するタイミングが遅れ、後遺症を残してしまったりするダイバーもいます。せっかく遠方から病院を受診いただいても、日常診療の中では、お伝えできる時間も限られています。このような状況にあるダイバーに、わずかでもお役に立てればという思いから、執筆させていただきました。
基本的な安全潜水の知識と潜水医学のエッセンスだけを手早く知りたい方は、図表を参考に、青字だけ読んでいただければ2~3時間で理解いただけると思います。すべて読んでいただくと、指導者レベルの知識を得ることができると思います。
どのような潜り方をすると減圧症を予防できるのか、できるだけ図解し、窒素の吸収・排出のグラフも多く取り入れ、実際のダイビングで使える内容にいたしました。減圧症以外の潜水障害についても、とくに重要な病気については掲載いたしました。
レクリエーショナルダイバーや学校でダイビングを習う実習生はもとより、インストラクター、救助、海洋土木工事など、業務で潜られる方々、これからダイビング医学をサブスペシャリティーとされる医師の方など、多くのダイビング関係者に参考にしていただければと思っています。
最後になりますが、執筆の機会を与えてくださいました成山堂書店の代表取締役社長の小川典子様、いつも親切にご対応くださいました編集グループの方々、掲載資料を快くご提供くださいました研究者やダイバーの方々に心より御礼申し上げます。

2021年6月吉日
山見 信夫

【目次】

第1部 減圧症 #1 減圧症とはなにか
 Q1 減圧症とは?
 Q2 潜水病と減圧症は同じ?
 Q3 体内の窒素が気泡になりやすいのはなぜ?
 Q4 気泡ができやすいのはどんなとき?

#2 症状
 Q5 よくみられる減圧症の症状は?
 Q6 減圧症の分類とは?
 Q7 ダイビング後、手足のしびれ感が現れたら減圧症?
 Q8 ダイビング後の痛みは減圧症?
 Q9 ダイビング後、めまいが現れたら減圧症?
 Q10 ダイビング後、皮膚にかゆみが現れたら減圧症?
 Q11 ダイビング後、尿や便が出にくくなったら減圧症?

#3 診断
 Q12 減圧症はどのように診断する?

#4 関連する病気: 動脈ガス塞栓、減圧性骨壊死
 Q13 減圧症と同じ症状が現れる動脈ガス塞栓とは?
 Q14 ダイビングをすると骨が腐ることがある?

#5 応急手当と減圧症セルフチェック
 Q15 減圧症を疑ったとき、やったほうがよいこと、やらないほうがよいことは?

#6 治療
 Q16 減圧症の治療法は?
 Q17 高気圧酸素治療の副作用は?
 Q18 高気圧酸素治療でみられるリバウンド症状とは?
 Q19 救急再圧と高気圧酸素治療は違う?
 Q20 海外の高気圧酸素治療費は?
  column 1 高気圧酸素治療以外に治療はないのか

#7 治療後のダイビング復帰
 Q21 減圧症になってもダイビングはできる?

#8 ダイブコンピュータ
 Q22 半飽和時間(ハーフタイム)とは?
 Q23 窒素の排出速度は組織によってどのくらい差がみられる?
 Q24 ダイブプロフィールが同じでも、減圧症にかかるときとかからないときがある?
 Q25 正しいDECO の消し方は? 無減圧潜水時間が残りわずかになったらどうする?
 Q26 ダイブコンピュータに従っても減圧症になることがある?

#9 減圧症にかからない潜り方
 Q27 減圧症にかかりにくい浮上速度は?
 Q28 潜水深度と潜水時間は、減圧症とどのような関係がある?
 Q29 絶対に減圧症が発症しない潜水深度は?
 Q30 最大深度と潜水時間が同じでも、ダイブプロフィールが違うと発症リスクに差が現れる?
 Q31 シンメトリックダイブのリスクは?
 Q32 安全停止と窒素飽和率の関係は?
 Q33 ダイビング後の気泡発生数と窒素飽和率の関係は?
 Q34 水面休息時間はどのくらいとれば効果的?
 Q35 エンリッチド・エア・ナイトロックス(EAN)を使うと窒素飽和率をどのくらい減らせる?
 Q36 リスクの高いダイブプロフィールの特徴は?
 Q37 減圧症にかかったダイバーの特徴は?
 Q38 ダイビング中に減圧症のリスクが高まっていることを知る方法は?
 Q39 酸素減圧の許容時間は?

#10 誘因と予防
 Q40 減圧症の誘因にはどのようなものがある? その予防法は?
 Q41 減圧症の発症率は?

#11 航空機搭乗、高所移動
 Q42 飛行機に乗るだけで減圧症になることがある?
 Q43 飛行機に乗った直後のダイビングは減圧症のリスクが高い?
 Q44 ダイビング後、すぐに飛行機に乗ると減圧症にかかりやすい?
 Q45 減圧症にかかったあと(治療前、治療後)の航空機搭乗はいつから?
 Q46 ダイビングのあと、高所に移動すると減圧症になりやすい?
 Q47 ダイビング後の低気圧や高層ビルへの移動は減圧症発症に影響する?

#12 高所潜水、気候による影響
 Q48 標高の高いところで潜ると、減圧症にかかりやすい?
 Q49 気候による気圧変化の影響は?

#13 女性と減圧症
 Q50 ダイビングが妊娠に及ぼす影響は?
 Q51 妊娠中に減圧症にかかったら高気圧酸素治療を受けたほうがいい?
 Q52 男性と女性はどちらが減圧症にかかりやすい?
 Q53 月経中やピル(女性ホルモン製剤)服用中は減圧症になりやすい?

第2部 減圧症以外の潜水障害 #14 目
 Q54 マスクスクイズとは?

#15 耳・耳抜き
 Q55 中耳腔スクイズとは?
 Q56 耳抜きとは?
 Q57 中耳腔リバースブロックとは?
 Q58 外リンパ漏(内耳窓損傷)とは?
  column 2 オキシジェン・イヤー(oxygen ear)
#16 副鼻腔・鼻
 Q59 副鼻腔スクイズとは?
 Q60 副鼻腔リバースブロックとは?

#17 口
 Q61 歯のスクイズとは?

#18 肺・呼吸
 Q62 ダイビング中、突然、息が苦しくなる浸水性肺水腫とは?
 Q63 肺気圧外傷(肺破裂)はどのようなダイバーに発生する?
 Q64 ダイビング中は気管支喘息発作を起こしやすい?

#19 心臓
 Q65 卵円孔開存があってもダイビングはできる?
  column 3 卵円孔開存のリスク
#20 皮膚・海洋生物の刺毒
 Q66 ダイビングでみられる皮疹にはどのようなものがある?
 Q67 海洋生物に刺されたらどうする?

#21 アレルギー
 Q68 ダイビングで注意しなければいけないアナフィラキシーは?

#22 頭痛
 Q69 ダイビングでみられる頭痛にはどのようなものがある?
 Q70 二酸化炭素蓄積性頭痛は、いつ、どうして発生する? 治療は?

#23 めまい
 Q71 ダイビングではどのようなめまいがみられる?

#24 船酔い
 Q72 ボートダイビングで酔わない方法は?

#25 冷え
 Q73 冷えの影響は?
 Q74 ヒトは冷水にどのくらい耐えることができる?
  column 4 熱中症

#26 窒素酔い、酸素中毒
 Q75 窒素酔いとは?
 Q76 酸素中毒とは?
  column 5 高圧神経症候群

#27 エンリッチド・エア・ナイトロックス
 Q77 エンリッチド・エア・ナイトロックスとは?
 Q78 EANと空気の窒素飽和率はどのくらい差がある?
  column 6 呼吸ガスと限界深度
  column 7 等圧逆拡散(isobaric counter-diffusion)

#28 シ ニ ア
 Q79 シニアダイバーが気をつけるべきことは?
  column 8 歳をとってもダイビングは続けたい

#29 スキンダイビング
 Q80 スキンダイビング中の耳抜きで気をつけることは?
 Q81 潜水反射とは?
 Q82 シャロー・ウォーター・ブラックアウトとは?
 Q83 ブラッド・シフトとは?
 Q84 息こらえ潜水でも減圧障害になることがある? ・


#30 潜水事故
 Q85 ダイビング死亡事故の原因は?
 Q86 水中から意識障害ダイバーを浮上させる方法は?

#31 薬
 Q87 薬を飲んで潜ってもいい?
 Q88 ダイビングの前に酔い止めを飲んでもいい?
 Q89 痛み止めを飲みながらダイビングしても大丈夫?
 Q90 降圧薬(血圧の薬)の注意点は?
 Q91 リバースブロックを治す薬がある?
 Q92 アナフィラキシーを起こしたときの緊急薬とは?
 Q93 薬を飲んで失神することがある?

#32 レクリエーショナルダイビングの適性
 Q94 レクリエーショナルダイビングの適性はどうやって判断する?
  column 9 喫煙者は減圧症になりやすい?
  フローチャート1 しびれ感
  フローチャート2 頭痛
  フローチャート3 めまい
  フローチャート4 気管支喘息のダイビング 適性評価



この書籍の解説

海のきれいな観光地に出かけると、多くの場合アクティビティとしてダイビング体験が用意されています。その中には初心者OKのものもありますし、海に潜って魚やサンゴを眺めるのは楽しいだろうな、ダイビングができたらいいな、と考える人も多いかもしれませんね。
一方、毎年のように海の事故が報道されます。シュノーケリング中だった著名人が溺れた人を助けようとして命を落としてしまったニュースでは、多くの人々が悲しみました。海は美しく楽しい場所ですが、危険と隣り合わせの決して侮ってはならない場所でもあるのです。
できるだけ安全にダイビングを楽しむためにはどうすればよいでしょう?下調べや器具のチェック、プールでの練習などを怠らないことはもちろんですが、水中での活動が体にどんな影響をもたらし、どんな危険があるのかを知っておくことも大切です。
今回ご紹介する『ドクター山見のダイビング医学』は、潜水医学の専門家が、潜水で起こりうる健康被害について、Q&Aで解説しました。一番心配される減圧症を中心に、予防や診断、治療について解説しました。減圧症以外の潜水障害についても、体の場所別に解説しています。
本書は医学関係者やインストラクター向けの教科書ではありますが、ダイビングを習いに行っている方は、もしかしたら教室にこの本が備えられているかもしれません。「こんなことが心配だけど、どのように潜ればより安全なのだろう?」「自分はシニア(薬を飲んでいる)けど、潜ってもいいのだろうか?」等の疑問があるとき、指導者のもとでこの本をご参照いただけば、きっと役に立つでしょう。

この記事の著者

スタッフM:読書が好きなことはもちろん、読んだ本を要約することも趣味の一つ。趣味が講じて、コラムの担当に。

『ドクター山見のダイビング医学』はこんな方におすすめ!

  • ダイビングを習っている、行っている方
  • ダイビングインストラクター、潜水士等、業務で潜水を行う方
  • 潜水医学を学ぶ医師、医学生の方

『ドクター山見のダイビング医学』から抜粋して3つご紹介

『ドクター山見のダイビング医学』からいくつか抜粋してご紹介します。ダイビングを行う際に心配なことのひとつは、健康への影響です。減圧症になってしまったらどうすれば?どうすれば防げるの?減圧症をはじめとした頻度の高い潜水障害について、症例・原因・予防法をQ&Aで解説します。

減圧症とは何?潜水病とは違うの?

《減圧症とは何か》
気圧が下がったとき、体に溶解している気体(窒素などの不活性ガス)が気泡化して発症する病気を「減圧症」といいます。減圧症は、高圧下から大気圧に復帰したときに起こります。高圧下では窒素が体にたくさん溶解するからです。
水中では水圧がかかるため、窒素が体に溶け込みます。気泡ができるのを防ぐため、適切な速度で浮上すれば減圧症は防げますが、窒素が十分排出されないと発生してしまいます。
ダイビングで減圧症が発生するおもな理由は、次の2つです。
① 潜水深度が深く潜水時間が長いことで窒素を体内に溜め込むこと
② 減圧速度(浮上の速度)が適切でないこと
まれに、高圧下に滞在しなくても減圧症が発生することがあります。人間は通常、約1気圧の大気圧下に窒素が飽和した状態で生活しています。周囲の気圧が急激に下がると、体に溶けていた窒素が気泡化してしまうのです。航空機パイロットなどが発症することがあります。

《潜水病と減圧症は同じ?》
「潜水病」という言葉をよく耳にしますが、適切でない使い方は誤解のもとです。
① 潜水病:ダイビング後の体調不良を一括して表現する言葉で、正式な医学用語ではない
② 潜函(せんかん)病:おもに圧気土木作業で発症する減圧症のこと
③ 潜水障害:ダイビングがきっかけで発症する障害の総称。減圧症の他、耳や副鼻腔などのスクイズ、肺気圧外傷、水中環境やダイビング器材が原因で発生した障害すべてを含む
④ 減圧障害:減圧症と動脈ガス塞栓を総称した病名
⑤ 動脈ガス塞栓:動脈内に生じた気泡が脳などの血管につまり発生する病態。空気塞栓症(エアエンボリズム)とよばれることもある。発症すると脳梗塞と同様の症状が現れる

気圧が高い環境だと、窒素は排出されずに体に溜まり続けます。浮上して気圧が戻り始めると少しずつ窒素は体から排出されていきますが、数十分のダイビングでため込んだ窒素をすべて排出しきるには数時間かかります。その際に気泡が生じて組織に詰まってしまうと、減圧症を発症してしまうのです。

ダイビング中に減圧症のリスクが高まっていることを知る方法は?

ダイブコンピュータを携帯して潜れば、無減圧潜水時間や窒素飽和率などから減圧症の発症リスクが高まっていることを知ることができます。しかしDECO(減圧停止が必要であるという表示)さえ出なければよいという潜り方は危険です。

減圧症のリスクを下げるには、ダイバー自身が潜水深度と潜水時間を制限し、ダイブコンピュータを使ってダイブプロフィールをより安全なものに近づける工夫が必要です。リスク評価の項目には、最大深度、潜水時間、平均深度、時間対深度、浮上速度、安全停止深度、安全停止時間などがあります。

時間対深度は、バディとエントリー前に決めておくことで、ダイビング中も共通の行動指標となり、ダイビング後の気泡発生を減らすのに役立ちます。時間対深度は、潜水開始後ある時間が経過したときに、水深何mにいるかを示した指標です。時間対深度を守って潜ると、リバースダイブも起こりにくくなります。

《ダイブプロフィールと減圧症発症率》
ダイブプロフィール(潜水深度と潜水時間のグラフ上の軌跡)は、減圧症発症率の算出や時間対深度によるリスク評価に使われます。深い深度に長く滞在するほど、重症型減圧症にかかる確率が高くなります。
ダイバーによって許容できる発症率には差がありますが、一般に健常なダイバーは、減圧症発症率を10000回に1回以下に抑えたいものです。潜水開始から30分時点の時間対深度を水深15 m以浅にすることが推奨されます。

《ダイブコンピュータ表示からリスクを知る》
多くのダイブコンピュータは、窒素飽和率がM値(100%)未満であれば、海面までの浮上を許可しますが、100%に近づいてから浮上を開始するのでは、安全停止中に十分窒素を排出できないことがあります。早めに警告を出してくれる製品であれば、リスクを軽減できます。
3種混合ガスを使うテクニカルダイビングなどで携帯するダイブコンピュータでは、グラディエント・ファクター(GF)によって減圧を管理することもあります。深場に潜ったときも、GFに従い段階的な減圧を繰り返すことで、エグジット時点の窒素飽和率を抑えることができます。

ダイブコンピュータは、安全なダイビングのよき相棒です。ダイブコンピュータを身に着けていれば、潜水時間や深度を自動的に測定し、表示してくれます。減圧停止をしなくてよい時間を超えなければ、減圧症の危険性は大幅に下がります。

中耳腔スクイズと耳抜きの方法

中耳腔スクイズとは、鼓膜の内側にある中耳腔の空気が圧縮され、陰圧になった状態のことです。潜降中、鼻腔の空気が中耳腔に送り込まれないと発生します。中耳腔スクイズが発生したときは、鼻腔の空気を中耳腔に送り込む(耳抜き)か、浮上して中耳腔圧と環境圧を同じにする必要があります。

《症状》
中耳腔にまったく空気が入らないまま潜降すると、水深1m以内に圧迫感が現れ、水深2mを超えると痛みに変わり、水深3~4mで鼓膜が破れてしまいます。
鼓膜が破れない程度の中耳腔スクイズが続くと、体液が中耳腔に染み出てくることもあります。これを潜水中耳炎といいます。

《耳抜きの方法》
耳管を介して空気を中耳腔に送り込む行為を耳抜きといいます。耳抜きには、鼻をつまむ方法とつままない方法があります。

鼻をつまむ方法
① バルサルバ法:鼻をつまみ、鼻腔圧を上げて空気を中耳腔に送り込む方法です。声帯を開けて行う方法と閉じて行う方法があります。舌に力を入れる(声門を閉じる)バルサルバ法は耳管や中耳腔に過剰な圧がかかりにくく、耳の障害が起こりにくいので推奨されています。
② トインビー法:鼻をつまみ、口を閉じるか舌の奥を硬口蓋に密着させることで鼻腔を閉鎖空間にして、つばを飲み込む方法です。
③ その他:鼻をつまみ、口を閉じるか舌の奥を硬口蓋に密着させることで鼻咽腔を閉鎖空間にして、あくびをするときのように、のどの奥を挙上させる方法もあります。
バルサルバ法は成功率も高くやり方も簡単ですが、つばを飲んだりあくびをしたりする方が負担がかかりにくい傾向があります。

鼻をつままない方法
つばを飲んだり、のどの奥を挙上させあくびをかみ殺すようにして抜いたりする方法もあります。何もしなくても自然に中耳腔に空気が流入する人もいます。

《初めて耳抜きをするときの注意点》
耳の病気をしたことがなければ、まず耳抜きは成功します。水中では気圧の変化が大きくなるため抜けが悪くなるので、抜けのよいダイバーでもバルサルバ法は修得しておく必要があります。練習は、まず陸上で行います。鼻をつまんで少しずつ鼻腔圧を上げ、ポソッとかポツッという音がしたら空気が中耳腔に送り込まれたというサインです。

ダイビングをしない人でも、飛行機の着陸前などに耳抜きを行うことがありますね。レギュレータをくわえているときといないとき、水中と陸上とでは微妙にやり方が違うので、どこでも行えるように練習しておくと安心です。

『ドクター山見のダイビング医学』内容紹介まとめ

レクリエーションから業務まで、潜水によって起こりうる潜水障害について、潜水医学の専門家が、減圧症を中心にQ&Aで解説します。症例・原因・予防法の解説の他、より体に負担のかからないダイビングについての知識も紹介します。

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