スキンダイビング・セーフティ(2訂版)


978-4-425-95563-3
著者名:岡本美鈴・千足耕一・藤本浩一・須賀次郎 共著
ISBN:978-4-425-95563-3
発行年月日:2019/8/8
サイズ/頁数:四六判 264頁
在庫状況:在庫有り
価格¥1,980円(税込)
数量
もし、こんなふうに思っているなら、あなたは事故を起こします!
「スキンダイビングは、スクーバダイビングより簡単だ」
「フィン・マスク・スノーケルの3点セットを使えば、泳げなくても水面の空気を呼吸できて遊べる」
「無理しないから、一人でも大丈夫」
「浅い素潜りだから危なくない」
「自分の限界を知りたい」
と思っている方にぜひとも読んでいただきたいです。
2訂版では、
・スキンダイバー、フリーダイバーに最近よく見られる症例である浸水性肺水腫の解説
・沖縄の事例を中心に、スキンダイビングポイントにおける管理体制の変化を加筆
・機材、事故例、競技記録、練習方法などの情報
を追加しました。

【2訂版発行に寄せて】より 改版にあたって、執筆者4人のキーワードは「多様化」であった。
水に潜ってはいけない、水に浮く胴衣を身体に固着させて、水面を浮き漂うことだけのスノーケリングから、気楽に自由に水中を飛ぶスキンダイビング、身一つで、100mを越えて潜る、それこそ命がけで安全をキープするフリーダイビングまで、幅が広すぎ(海は広い)奥行きが深すぎる。執筆者4人の立ち位置も、バリバリの競技者であり、講習によるスキルアップ(安全とチャレンジの両立)を目指す岡本、6歳から80歳越えまでの生涯スポーツを実践しようとする須賀、教育者として、学校教育から研究者のフィールドワークまでの水中活動を向上させようとする千足、藤本は生理学の視点から総括するが、とてもまとまるものではない。
初版の時から、あえてまとめようとはしなかったが、それぞれの距離はますます離れる傾向(多様化)である。一番困ったのは潜らないスノーケリングを素潜りの仲間に入れるか? であったが、読者はそれも含めて多様化するスキンダイビング(素潜り)ワールドを俯瞰し、活動の安全を自分のものにしていただきたい。

 2019年6月
須賀次郎、千足耕一
藤本浩一、岡本美鈴
(年齢順)

【はじめに】より 海へ出て行く、水中に入って行くダイビングを続けている人(ダイバー)は、水中という、陸棲の動物である私たち人間が元来生存を続けられない環境に自分の活動範囲を拡大する冒険者である。冒険者は危険を明確に知り、自分の能力、水中の状況を適切に判断して自分の活動の限界を見極め、危険を避けなくてはならない。
著者一同は「危険を具体的に知り、避けるためにはどうしたらよいのか」に力点に置いて、この本を執筆した。

執筆者と分担
1 千足耕一(東京海洋大学教授)
主としてスキンダイビング入門について、大学の実習等での教育指導を行う視点から執筆した。
2 岡本美鈴(コンスタント・ウエイト・ウイズフィン(フィンを着けて深く潜る競技)での女性アジア・日本記録(2015年5月現在92m)保持者
スキンダイビング、フリーダイビングで発生する危険とその回避について執筆した。
3 藤本浩一(東京海洋大学准教授)
フリーダイビングの生理学を研究のテーマとしており、自らもフリーダイビングを行う。生理学的視点からの危険について執筆した。
4 須賀次郎(特定非営利活動法人 日本水中科学協会代表理事)
東京水産大学(現東京海洋大学)の学生時代からスキンダイビングを行い、後期高齢者の現在、自分の生きるためのトレーニングとして、スキンダイビングで泳ぎ、生涯スポーツとしてのスキンダイビングの指導を毎月およそ10回行っている。概論、スキンダイビング事故の分析、スキンダイビング活動について執筆した。
5 対談(須賀次郎×岡本美鈴)
岡本美鈴が92mを潜ったコンスタント競技での技術について、フリーダイビングの楽しみ方、その経験を活かしての注意事項などを、須賀次郎との対談で述べた。

それぞれ立場が違うし、視点も異なる。同じことを、別の表現で述べている部分もある。しかし、それぞれの視点からの記述を読むことで、多角的に理解が深まることを期待して、あえて必要以上の調整はしなかった。

【目次】
Section 1 概論
【須賀 次郎】
 1-1 息こらえ潜水
 1-2 危険と安全についての基本的な考え方
 1-3 区分けとネーミングについて
 1-4 プログラムとローカルルールについて
 1-5 海女・海士の素潜り漁
 1-6 スキンダイビング
 1-7 フリーダイビング
 1-8 スノーケリング

Section 2 スキンダイビング入門 【千足 耕一】
 2-1 健康状態や技能の確認
 2-2 練習方法(指導方法)の基本
 2-3 スキンダイビングの指導段階
 2-4 装備の選択とフィッティング
 2-5 プールや限定水域での練習
 2-6 海でのスノーケリングとスキンダイビング
 2-7 グループとしての安全管理
 2-8 活動(実習)のバリエーション
 2-9 海洋リテラシーについて

Section 3 スキンダイビング活動 【須賀 次郎】
 3-1 スクーバとスキンダイビング
 3-2 スノーケリング講習(親と子のスノーケリング)
 3-3 生涯スポーツとしてのスキンダイビング

Section 4 息こらえ潜水の生理学 【藤本 浩一】
 4-1 ブラックアウト
 4-2 ブレイクポイント
 4-3 ハイパーベンチレーション
 4-4 耳や鼻のトラブル
 4-5 肺の損傷(スクイーズ)
 4-6 パッキング
 4-7 神経系DCI(Decompression Illness)
 4-8 活性酸素
 4-9 脳へのダメージ

Section 5 スキンダイビングの事故例─学生の部活動について─ 【須賀 次郎】
 5-1 ブラックアウト事故例1
 5-2 ブラックアウト事故例2
 5-3 ブラックアウト事故例3
 5-4 ブラックアウト事故例4
 5-5 学生の部活動・サークル活動
 5-6 学生のダイビングにおける安全のためのローカルルール

Section 6 器材と技術 【岡本・千足・藤本・須賀】
 6-1 マスク・ゴーグル
 6-2 スノーケル
 6-3 フィン
 6-4 ウエットスーツとウエイトベルト
 6-5 ネックウエイト
 6-6 ダイビングコンピューター
 6-7 レスキューチューブ
 6-8 フリーダイビング競技および練習での安全サポートシステム

Section 7 フリーダイビング・セーフティ 【岡本 美鈴】
 7-1 はじめに
 7-2 フリーダイビングの特性と特有のリスク
 7-3 フリーダイビング特有のリスク
 7-4 フリーダイビングの安全対策
 7-5 スキンダイビングとフリーダイビングの共通のリスク
 7-6 フリーダイビングにおけるブラックアウト調査と事故例
 7-7 フリーダイビング・セーフティの「鍵」

Section 8 対談:須賀次郎×岡本美鈴 ─フリーダイビングとは─  8-1 なぜ、フリーダイビング
 8-2 深く潜る、ということ
 8-3 ハイパーベンチレーションと腹式呼吸
 8-4 パッキングについて
 8-5 耳抜きについて
 8-6 肺の変化について
 8-7 記録について
 8-8 トレーニングについて
 8-9 責任とルールについて

Section 9 座談会   9-1 浸水性肺水腫
  9-2 講習
  9-3 沖縄の現状
  9-4 事故例
  9-5 スノーケリングで浮力体ジャケットを着けることについて
  9-6 まとめ

Section 10 資料  講習、練習、ツアー、器材について
 索引
 あとがき


書籍「スキンダイビング・セーフティ(2訂版)」を購入する

カテゴリー:趣味・実用 タグ:オーストラリア グアム シュノーケリング スノーケリング ダイバー ダイビング タンク バディ ハワイ マウイ 伊豆 安全  海中 青い海 
本を出版したい方へ