諦めずに、前へ進む。トライアンドエラーの繰り返し。そして、会社も社員も成長していく。この本を読んだ率直な感想。カッコいいことなんてしなくていい。地域住民のため、社員のため、会社のため。志と強い意志、そんな想いが前へ前へ進む原動力となっていくのだろう。
産廃会社と聞くと、良いイメージはなかなか沸かない。どうしても「ごみ処理業者」というイメージが頭を離れない。そんな会社が、里山保全で行ったり、地域に愛される会社になっていったり、工場見学者が年間1万人を超えるようになると読んでビックリ。ゴミをゴミとして扱っていたら、こうまでにならなかっただろう。そこには苦しいことも悲しいこともたくさんあった。でも、信念を曲げずにやってきた結果の今。
謙虚な心、前向きな姿勢、そして努力と奉仕
という創業者の思いを貫き、社員と一丸になってやってきたからこそ、会社が生まれ変わったのだろう。この本にも書いてあった、「情報を開示する」ことの重要性。非上場のオーナー企業は、会社の数字を開示したがらない。「情報漏えいが心配」、「数字を見てもわからないでしょ」という思いがあるからだろう。
しかし、数字をしっかりと開示し、その意味を説明し、何がどうなっているのかわからないと、いつまで経っても社員は「他人事」と捉える。しかしそれが、具体的なことが分かり、何にどう使われ、自分たちにどう配分されるのかが分かると、やる気が変わってくるものである。
そうなると、指示待ち人間から主体的に動くようになっていく。この本でも、そんなことが書かれていた。経営者はもっともっと社員を信じて、情報開示をしていって欲しい。社員を信じて情報を共有して欲しい。社員と共に数字の勉強をしていってほしい。それが強い会社をつくる秘訣である。
この本は二代目、三代目の後継社長たちに、ぜひとも読んでもらいたい一冊。後継者が心得ておくべきことが詰まった内容である。