書店で本を探しているときに、近くでおばあさんが「この広告の本はどこにありますか?」と切り取った新聞広告を手に、店員に聞いていた。「この本ですね、こちらです」と案内する書店員。たまたま見た光景に過ぎないが、「本屋って必要だよね」と思った。
毎年、多くの書店が姿を消していく。先日、当社と長い付き合いのある書店から「閉店する」という報告を受けた。専門書を販売する書店として長くやってきたが、どうにもこうにも続けることができないらしい。本を買う人が少なくなり、情報はインターネットで簡単に手に入れることのできる時代。「本の役割は終わったのか?」と思うこともあるけど、新聞広告を片手に本屋へ行く人の姿を見ると、そうでもないのだろうと思う。複雑な気分である。
「本が欲しい」と思う人がいるのは事実である。必要と思っている人に向けて本をつくり、そして伝えていく。それがわれわれ出版人としての使命である。目標は「本から知識を得て、それを生かして欲しい」、目的は「本で人を幸せにする」ことだろうか。。。
一つ言えることは、「本は人生を豊かにしてくれる」ということ。それをたくさん伝えていきたい。僕自身、よく本を読んでいるせいなのか、息子もよく本を読んでいる。そういった若い人が増えることを願うばかりである。