地震と火山と防災のはなし


978-4-425-51491-5
著者名:楠城 一嘉 著
ISBN:978-4-425-51491-5
発行年月日:2022/3/28
サイズ/頁数:A5判 120頁
在庫状況:予約
価格¥2,200円(税込)
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自然豊かな日本においては、その恵みを存分に享受し独自の文化を育んできた一方、地震や火山噴火などの災害からは目をそらすことはできない。近いうちに起きるとされている南海トラフ地震までを視野に、地震、火山のメカニズムから、それに伴う災害への備え、地域での取り組みなどを分かりやすく解説。

【はじめに】 本書は、大学生や高校生に少しでも日本の自然に興味を持ち、防災の心構えを持っていただければと思い、語りかける様に書いた読み物です。
富士山があり、海にも囲まれた日本は、自然豊かで風光明媚な国です。日本人は、山海の幸や温泉など、自然の恵みを存分に生かした独自の文化を育み、現在の日本を創り上げてきました。一方、その自然は、突然の災害を引き起こす原因にもなることはご存知の通りです。2011年の東日本大震災、2018年の西日本豪雨災害、2019年には台風19号が発生し、静岡県、関東甲信越、東北地方で記録的な大雨が降りました。また、新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、コロナ禍での災害という複合災害にも注目が集まっています。インターネットやSNSからすぐ情報を集められる現代ですが、少し立ち止まって自然や防災のことを考えてみませんか。
想像力が及ばなかったことを表す「想定外」という言葉を、災害が起きたときに聞いたことがあるかもしれません。想像力とは例えば災害が起きたときに私たちの身の回りでどんなことが起きうるかを想像する能力です。災害を想定外として片付けてしまうと、今後も同じような災害が起きうることになります。そうならないよう、想像力を養うには、日頃から自然を知り災害の知識を得ることからはじめたり、周りの人たちと助け合う関係性を築いたりすることが大切です。その基本を知ることがこの本の目的であり、自然を楽しみ、防災することについて、正しいイメージを持ってもらうことを目指しています。直感的に理解できる専門用語は本文中で使いましたが、そうではない場合は、イメージを持つことを優先して、専門用語を誤解の生じないように、言い換えることにしました。
第1章では、これまでにわかった日本列島の基礎を知る章です。第2章から第4章では、日本の地震や火山の特性を知って防災に活かしている事例を取り上げます。第2章では富士山、第3章では南海トラフ地震、第4章では地学的に特異な伊豆半島を題材としました。第5章と第6章は、これまでの章に比べ、より生活に密着した話題となります。第5章では、自然災害が起こる事態への備えを考えます。第6章では、“ 台所にあるモノが家族の危機を救う! ” と題して家での防災の知恵を紹介します。
本書は大学や高校の教科書ではなく、むしろ副読本のような本です。一つ一つの話題を1,000文字前後とし、通学中や隙間時間など気軽に読めるようにしました。そのため、さまざまな世代の方に読んでいただけます。長い間防災訓練に携わってきた方も、また防災をあまり気にしていない方も、防災が大切なのはわかるけど、そればかりだと疲れてしまうと感じてはいないでしょうか。また、最近は、以前ほど積極的に防災に取り組んでいないということもあるはずです。本書で、改めて、防災を生活の中の一部として取り入れてみようと再発見するきっかけになれば良いと思っています。

2022年2月
楠城 一嘉

【目次】
第1章 日本列島の基礎を学ぶ
 1.1 プレートの動くスピードは?
 1.2 震度とマグニチュードは間違いやすいのでご注意を
 1.3 地震の起こらないところが地球の大半
 1.4 プレートの動きが変わってできた日本列島
 1.5 昔から日本人は地震とともに生きてきた
 1.6 これまでに起きた地震の数々

第2章 富士火山が私たちに教えること  2-1 あなたは富士山をどこまで知っていますか?
  2.1.1 若くして急成長した富士山
  2.1.2 富士山の噴火は火山灰? 溶岩?
 2.1.3 私たちの生活に影響を及ぼす富士山
  2.1.4 将来の噴火はどこから? どのくらいの規模?
  2.1.5 火山の富士山では地震も起きる
  2.1.6 噴火警戒レベルやハザードマップを知る
  2.1.7 火山噴火の影響は広範囲で長期間
  2.1.8 火山を知って火山を楽しむ
 2-2 富士山頂で地球環境と防災を考える
  2.2.1 富士山で研究することの意義は?
  2.2.2 富士山頂は日本で一番宇宙に近い研究室
  2.2.3  地球環境問題や登山者の防災に取り組む
  2.2.4 富士山頂の防災に貢献する測候所

第3章 これから起きる南海トラフ地震に備える  3.1 地震予知にまつわる誤解をとく
 3.2 南海トラフ地震とは何だろう
 3.3  過去の記録から南海トラフ地震を見てみよう
 3.4 地震予知は難しい? その理由は?
 3.5 はじまりつつある新しい防災対応
 3.6 なぜ海で観測するの?
 3.7 東日本大震災の前に様々な異常があった
 3.8 「いざ」という時に慌てないために
 3.9 どう受け止める? 南海トラフ地震臨時情報

第4章 火山と地震とほどよい距離感で暮らす  4.1 伊豆半島は南からやってきた
 4.2 今と昔で火山の性質が変わった?
 4.3 火山の恩恵を活用してきた歴史がある
 4.4  大津波の記録から学び、備える
 4.5  活断層で地震が起き、生活が一変!
 4.6 大地と末長くお付き合いする取り組み

第5章 自然災害にどう備える?  5.1 在宅避難を考える
 5.2  在宅避難への日頃の備えと公的支援
 5.3 ライフラインの復旧には時間がかかる
 5.4 被災時に困ることを想像しよう
 5.5 自然災害の心構え

第6章 台所にあるモノが、家族の危機を救う!  6.1 おうちでできる防災の知恵 
 6.2 日頃から食べても飲んでもよい日常備蓄品
 6.3 日常備蓄で気になることは?
 6.4 台所にあるモノを活かそう
 6.5 工夫次第で避けられるトイレ問題
カテゴリー:気象・海洋 タグ:気象 気象災害 防災 
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