自宅にいるような感覚の本屋「天狼院書店」

  • 2015.03.05 

近頃、変わった本屋さんが増えている。ただ本を並べるだけではない。並べるだけの本屋であれば、わざわざ行く必要もないのかなと感じてしまう。欲しい本があれば、パソコンやスマホで簡単に買える。翌日には届く。とっても便利。本屋って、そこで働く人が自らの目で選書をし、独自性を出しているのが本来の姿なような気がする。どこへ行っても同じような品揃えでは、本を選ぶ人も「どこで買っても同じでしょ?」となってしまうだろう。

今日、行った「天狼院書店」は店構えは「本屋」。中に入ると、カフェのような家のような、そんな感じ。大きな書斎とでも言ったほうがいいだろうか。こたつがあり、テーブルがあり、カウンター席があり、うたた寝できそうなソファーもある。飲み物を頼めばいつまでも居てもいいとのこと。まとめたいことがあったのでコーヒーを頼んでカウンター席へ。お店の人の仕事も気にならずに、集中できる。一息つきたければ、店内をウロウロしながら気になる本を見ればいい。そしてまた仕事へ。そんな使い方のできる楽しい本屋。

それまではカフェで読書や仕事をしていたのだが、どうしても周りが気になってしまい集中できないこともあった。しかしここなら、そういったこともなさそうだ。広くないので入れる人も限られるし、ざわざわしていない。席数が少ないので、朝一がおすすめかも。

本好きであれば、偶然の1冊に出会える可能性はあるかもしれない。僕も帰り際に店内を見ていたら、1冊の本に出会った。「復興の書店」というタイトルの本。東日本大震災で被害を受けた書店の、復興までの道を追った内容。書店業界のことをいろいろと勉強しているので、ちょうどよい1冊であった。

他にもイベントをやっていたり、Wi-Fiが使えたり、店主の方は映画撮ったりと、飽きさせない工夫が見られる。とても厳しい出版業界。そして、どんどん閉店していく書店。そんな業界であるが、工夫次第では人が集まる場所にもなるんだろう。居心地のよさであったり、お店とお客さんが近いというのは、とっても大事なことなんだな感じた。

場所は池袋駅から10分ほどと遠いけど、また行きたくなる場所である。スタバもいいけど、こういったホッとする場所も必要だな。