航海応用力学の基礎(3訂版)


著者名: 和田 忠 著
ISBN: 978-4-425-42055-1
発行年月日: 2015-03-20
サイズ/頁数: A5判 268頁
在庫状況: 在庫あり
価格(本体価格)

4,104円 (3,800円)

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基礎から復原性・喫水・船の動揺・流体等に関して過去の海技試験出題例を参考にわかりやすく解説。2・3級海技士(航海)向。

【3訂版発行にあたって】
 3訂版発行にあたり、物理量の表現として原則的に国際単位系(SI)を用いることとした。
 国際単位系はメートル系の新しい形態であり、国際的に合意され、明確であり、使いやすい単位の集合として構築されたものである。現在、測定単位の世界的統一性を確保するために、国際度量衝局・国際度量衝総会によって国際単位系の普及が進められている。したがって、海上実務に関わるさまざまな事柄の国際単位系による理解は、重要性を増している。
 ただし、国際単位系による表現は、これまで用いられてきた単位(例:CGS単位・重力単位)による表現を全て置きかえるものではなく、特に実務においては、従来から用いられてきたこれらの単位による理解は依然として重要である。
 そこで、3訂版では、国際単位系による記述と2訂版での記述を併記することとした。併記は、下記のルールに基づいている。

●物理量の表現は、原則的に国際単位系で行う。ただし、必要に応じて重力単位系による表現を中括弧{}の中に併記する(例:98N{10kgf})。中括弧内の記述は、2訂版の記述による。

●中括弧による併記が読みづらい場合は、かわりに重力単位系による記述を直後の段落に併記する。その場合、「・・・重力単位系・・・」から「・・・・・・」までが重力単位系による記述の箇所である。

●航海の実務において長年慣用され、国際単位系による表現に置きかえることがそぐわない事項は、従来の単位のままとする(例:排水量を表すキロトン)。

 また、数字を含んだ記述においては物理量の単位を明記することとした。ただし、単位が明らかな場合は記述を簡潔にするために単位を省いた。このように単位を明記することが、数字を含んだ計算の理解をより容易にすると期待している。単位の扱いに十分に習熟した暁には、単位を省いた数字のみの計算で問題なく答えに至ることができるだろう。

平成27年3月
著者識す

【目次】
第1章 運動

 1.運動
 2.変位
 3.速度
 4.加速度
 5.落体
 6.角度速
 7.角度と弧速
 8.回転度および周期
 9.角加速度
 10.単弦運動
 11.単振り子
 12.相対運動
  12.1 速度の合成
  12.2 相対運動
  12.3 風向、風速
     (1)計算による方法
     (2)ベクトル図法による方法
     (3)風向風速計算盤による方法
     [練習問題]

第2章 力
 1.運動の第1法則(慣性の法則)
 2.運動の第2法則(力と加速度)
 3.運動の第3法則(作用と反作用)
 4.質量と重量および重力単位
 5.滑車の運動

第3章 ベクトル
 1.ベクトルとスカラー
 2.角速度および角加速度のベクトル
 3.ベクトルの和
  3.1 2つのベクトルの和
  3.2 多数のベクトルの和
 4.ベクトルの差
 5.ベクトルの合成と分解
  5.1 ベクトルの合成
  5.2 ベクトルの分解
  5.3 直角2方向への分解および合成
 6.斜面
  6.1 斜面の運動
  6.2 斜面滑車の運動
 7.放物線
 8.速度の変化と加速度
     [練習問題]

第4章 仕事およびエネルギ
 1.仕事
 2.仕事率
 3.エネルギ
  3.1 位置エネルギ
  3.2 運動エネルギ
  3.3 エネルギ保存の法則
     [練習問題]

第5章 回転運動
 1.力のモーメント
 2.回転による仕事
 3.偶力
 4.力と偶力との合成
 5.慣性モーメント
 6.遠心力
     [練習問題]

第6章 力のつりあい
 1.力の合成と分解
  1.1 力のつりあい
  1.2 つりあわせ力
 2.3力のつりあい
 3.デリックにおける力のつりあい
  3.1 重量物を単につるした場合
  3.2 カーゴホールをブームに沿わせて巻く場合
  3.3 カーゴホールをトッピングリフトに沿わせて巻く場合
  3.4 加速度により揚げまたは卸す場合
 4.モーメントのつりあい
 5.斜面のつりあい
 6.平行力のつりあい
  6.1 同一方向のとき
  6.2 反対方向のとき
     [練習問題]

第7章 摩擦
 1.摩擦力
  1.1 静止摩擦力
  1.2 動摩擦力
  1.3 ころがり摩擦力
  1.4 摩擦の利用
 2.滑車の摩擦
 3.摩擦角
 4.摩擦のためのエネルギ
     [練習問題]

第8章 排水量
 1.浮力
 2.浮心
 3.排水量
  3.1 排水量等曲線図
  3.2 排水量を求める方法
  3.3 載貨重量トン数表(載貨重量尺度)
  3.4 ボンジャン曲線図
 4.船体浸水部の諸係数(ファインネス係数)
  4.1 方形係数
  4.2 柱形係数
  4.3 中央横断面積係数
  4.4 水線面積係数
  4.5 立て柱形係数
 5.面積および体積の近似計算法
  5.1 定形図形の求積
  5.2 台形の法則
  5.3 シンプソン法則
    (1)シンプソン第1法則
    (2)縦線間を部分的に細分して計算する場合
    (3)シンプソン第2法則
  5.4 チェビシェフの法則
  5.5 不規則な曲面を有する物体の体積
 6.海cm排水トン数
 7.比重の変化による喫水の変化
  7.1 容積差による法
  7.2 重量差による法
 8.W、V、γ、T、Awの関係
  8.1 排水量(W)一定の場合
  8.2 排水容積(V)一定の場合
  8.3 比重(γ)一定の場合
  8.4 水線面積(Aw)一定の場合
        [練習問題]

第9章 重心
 1.物体の重量と質量
 2.重心
 3.船舶の重心
 4.重心の移動
  4.1 一部重量を移動する場合
  4.2 一部重量を付加(積載)する場合
  4.3 一部重量を除去(揚卸し)する場合
 5.傾斜試験
  5.1 傾斜試験適用船舶
  5.2 傾斜試験の原理
  5.3 傾斜試験実施の準備と注意
  5.4 傾斜試験実施方法
     [練習問題]

第10章 復元性
 1.船体のつりあい
  1.1 安定のつりあい
  1.2 不安定のつりあい
  1.3 中立(不定)のつりあい
 2.横メタセンタ
  2.1 意義
  2.2 メタセンタ半径(BM)
  2.3 BM曲線
 3.初期復原力
  3.1 意義
  3.2 適当なGM
  3.3 適度の復原力とするための注意事項
  3.4 GMの算出法
 4.大角度傾斜の静的復元力
 5.静的復元力曲線
  5.1 意義
  5.2 船体の形状と曲線との関係
  5.3 復原力交差曲線
  5.4 負のGM船舶の復原性と傾斜軽減法
 6.動的復元力曲線
 7.横傾斜
  7.1 重量物の移動による横傾斜
  7.2 積荷による横傾斜
  7.3 揚荷による横傾斜
  7.4 風圧による横傾斜
  7.5 横区画の浸水による横傾斜
 8.遊動水による復元力の損失
 9.入渠または乗揚げにおける復原力の損失
     [練習問題]

第11章 喫水およびトリム
 1.トリムまたは船脚のつりあい
  1.1 船尾脚
  1.2 船首脚
  1.3 平脚、等喫水
 2.縦メタセンタ
 3.浮面心
 4.海cmトリム・モーメント
 5.船内重量物の移動に伴う喫水およびトリムの変化
 6.積荷(揚荷)に伴う喫水およびトリムの変化
 7.多数貨物の積荷(揚荷)に伴う喫水およびトリムの変化
 8.過重量貨物の積荷(揚荷)に伴う喫水およびトリムの変化
 9.船内区画の一部に浸水する場合の喫水およびトリムの変化
 10.喫水等による正確な排水量の計算
  10.1 トリム・コレクション
  10.2 ステム・コレクション
  10.3 標準海水密度と異なる密度の水面における喫水の修正
  10.4 船積による船体歪みに対する修正
     [練習問題]

第12章 船の動揺
 1.船の動揺の種類
 2.横揺周期
 3.同調動揺とその防止
  3.1 ビルジキール
  3.2 安定びれ
  3.3 Gyro-stabilizer
  3.4 Anti-rolling-tank
 4.縦揺周期
 5.ヨーイング(船首揺)の原因
  5.1 変動する風圧の作用
  5.2 波浪の作用
  5.3 縦揺と横揺によるジャイロ現象
  5.4 横揺中の左右非対称の水圧作用
 6.上下動周期
     [練習問題]

第13章 流体
 1.圧力の伝達
 2.液体内の圧力
 3.連続の法則
 4.ベルヌーイの定理
  4.1 ベルヌーイの定理
  4.2 ベルヌーイの定理の応用
 5.トリチェリの定理
 6.流体の粘性
 7.流体の抵抗
  7.1 平板抵抗
  7.2 船舶における抵抗
    (1)摩擦抵抗
    (2)造波抵抗
    (3)うず抵抗
    (4)空気抵抗
    (5)推進器抵抗
 8.スラミング(船首底衝撃)
     [練習問題]

(海事図書)

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