設問式 シップファイナンス入門


978-4-425-31341-9
著者名:秋葉 理恵 編著
ISBN:978-4-425-31341-9
発行年月日:2020/12/28
サイズ/頁数:A5判 248頁
在庫状況:在庫有り
価格(本体価格)

2800円(税別)

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シップファイナンスに携わる金融機関,船会社,保険会社,造船所,商社,ブローカーを対象としてできるだけわかりやすく説明した本であり、シップファイナンスに関する入門書です。

近年,海運関連企業の海外進展に伴い,日本の金融機関や船主が英国法を準拠とする船舶融資契約に関わる機会が増えています。日本法に基づく船舶融資契約とは考え方が異なるため,知識や理解の不足からトラブルになるケースもあるといいます。このような船舶融資契約に見られるシップファイナンスとは,船舶抵当権や傭船料債権譲渡などを担保として主に傭船料を返済原資とする資金調達手法のことで,最近も大型船融資の新スキームを創設するなど積極的に取り組む金融機関も少なくありません。
本書は,シップファイナンスの入門書であり,金融機関,船会社,保険会社,造船所,商社,ブローカーなどの実務家のために分かりやすく解説したものです。実際のビジネスシーンで発生する問題を想定した設問式の構成で,外国籍の船舶への登記,船舶の鑑定及び保険など極めて専門的な知識についても,エキスパートによる解説が加えられています。随所に著者独自のルートで得た情報や貴重な事例やノウハウも取り入れられています。
また,裸傭船・共有船・BBCチャーターバック案件など最近のトレンドから日本ではあまり頻繁に行われていない中古船融資に至るまで,シップファイナンスの実務で必要となる知識を幅広く網羅しています。
実務で役立つことに徹した内容は,傭船契約に携わるビジネスマンにとって使い勝手がよく,手元に備えておきたい一冊です。

【はしがき】
本書は,シップファイナンスに関する入門書である。シップファイナンスに携わる金融機関,船会社,保険会社,造船所,商社,ブローカーを対象としてできるだけわかりやすく説明した本でありいわゆる学術書ではない。法律的な正確さよりも読者にわかりやすい本を目指したつもりである。シップファイナンスであるが,極めて専門的であり,特に専門的な点が,外国籍の船舶への登記,船舶の鑑定及び保険である。そこで,本書では各分野のエキスパートの方に執筆を依頼した。本書であるが,特に,専門家に執筆していただいた箇所は,入門の域を超えてハイレベルな出来になっている点も本書の大きな特徴である。多忙な日常業務の中で本書の完成にご協力していただいた執筆者の皆さんに感謝申し上げたい。

2020年11月
編者 弁護士 秋葉理恵

【目次】
1.総論
 設問1 シップファイナンスの形態にはどのようなものがあるか( 秋葉)
  1.シップファイナンスとは
  2.シップファイナンスの種類
  3.ローン型シップファイナンス
  4.リース型シップファイナンス
 設問2 シップファイナンスにおける担保にはどのようなものがあるか(秋葉)
  1.抵当権
  2.抵当権以外の担保権
  3.保険金請求権譲渡とは
  4.傭船料債権譲渡とは
  5.特定債務保証
  6.株式質権
  7.預金質権(Account Charge)
  8.Quiet Enjoyment Agreement
 設問3 船価鑑定はどのように行われるのか(マリンネット・石田)
  1.船価鑑定とは
  2.船価鑑定評価の手法 

2.ローン契約  設問4 シップファイナンスに関するローン契約において留意すべきポイントとは(秋葉)
  1.主要項目
  2.定義
  3.ローン金額,使途,借入日
  4.契約締結や貸出に当たっての前提条件,あるいは解除条件
  5.表明保証
  6.返済条件,任意の期限前返済,強制的期限前返済
  7.利息
  8.誓約事項(Covenants:コベナンツ)
  9.期限の利益喪失事由
  10.費用
  11.通知先
  12.準拠法
 設問5 英国法に準拠するローン契約の特徴とは(秋葉)
  1.第一部
  2.第二部
  3.第三部
 設問6 シップファイナンスにおけるシンジゲートローンはどう行われているのか,クラブディールのシップファイナンスとは(秋葉)
  1.アレンジャーとエージェント
  2.アレンジャーの法的義務
  3.エージェントの法的義務
  4.フィーと「みなし利息」の問題 

3.船舶抵当権  設問7 融資する船舶の船籍はどのように評価すべきか(秋葉)
  1.国籍要件
  2.海事法の整備の有無
  3.抵当権の実行のしやすさ
  4.登記手続が容易か
  5.抵当権の管理
  6.海事条約に批准しているか
  7.クロージングの同時実行の可能性
 設問8 共有船,デュアルフラッグ船舶へのシップファイナンスの注意ポイントは(秋葉)
  1.共有船スキーム
  2.相続税対策
  3.差押えリスクの軽減
  4.船舶共有関連の規定
  5.共有船の船舶融資におけるドキュメンテーション
  6.裸傭船登録
 設問9 船舶の登記設定は実務上どのように行われているのか(三井倉庫・山本)
  1.パナマ会社の設立について
  2.本船登録について
  3.抵当権登記について
  4.抵当権抹消登記について
  5.売船について
  ティーブレイク 三井倉庫がなぜ船籍登録を?
 設問10 船舶先取特権とは(松井)
  1.船舶先取特権とは何か
  2.どのような債権に船舶先取特権は与えられるのか
  3.英国法系の国
  4.米国法の船舶先取特権
  5.日本法の場合
  6.解決しない問題点
 設問11 船舶抵当権実行の実務とは(松井)
  1.抵当権の3つの機能の確認
  2.わが国の抵当権実行の実務
  3.海外での競売
  4.ヨーロッパでのシップファイナンスの実務
  5.船舶の占有の取得
  6.銀行による任意売却
  7.船主の期限の利益の喪失と抵当権の実行
 設問12 中古船融資におけるチェックポイントは何か(松井)
  1.中古船売買の標準契約書
  2.中古船売買の流れ
  3.クロージングにおける注意事項
  4.船舶先取特権の恐怖
 設問13 船舶ファイナンサー向けの特別保険とは(東京海上日動・片岡)
  1.船舶抵当権者の利益を保全する保険(Mortgagee’s, Interest Insurance)とは
  2.MII 保険はコンティンジェンシー保険
  3.MII 保険のてん補限度額と保険金支払時期
  4.MAP 保険

4.船舶保険の譲渡  設問14 船舶保険にはどのようなものがあるか,船舶保険はどのようなリスクをてん補するものか(浅井市川海損精算所・高橋)
  1.船舶保険とは
  2.船舶保険証券の記載事項
  3.船舶保険のもとでてん補される損害
  4.船舶保険のもとでてん補されない損害(免責)
  5.船舶戦争保険のてん補の範囲
  6.船舶戦争保険のもとでてん補されない損害(免責)
  7.船舶不稼働損失保険及び船舶不稼働損失戦争保険
  8.その他の間接損害をてん補する保険
   ティーブレイク 事例:諸外国における船舶の長期差押えリスク
 設問15 P&I 保険とは,P&I 保険のシステムはどうなっているのか(ガード・杉本,横山)
  1.P&I 保険とは
  2.保険料の方式
  3.国際P&I グループ
  4.船主先払いの原則
  5.保険金請求権の譲渡担保
  6.P&I 保険の他の類型
   ティーブレイク 事故は時間を選ぶ?
 設問16 P&I 保険はどのようなリスクを補てんするものか(ブリタニヤ・黒澤)
  1.はじめに
  2.担保リスク
  3.免責リスク
   ティーブレイク ブリタニヤP&I クラブ
 設問17 船舶の保険に関する担保取得の実務はどうなっているのか(松井)
  1.船舶保険に対する担保の設定
  2.Assignment of Insurance
  3.質権による船舶保険に対する担保の設定
  4.保険会社から保証状の取得
  5.金融機関が担保に取る保険の内容~裸傭船ファイナンスで最も重要なこと
  6.Loss Payable Clause について
  7.P&I 保険の譲渡
  8.海外の保険会社への船体保険の付保
  9.ロンドンマーケット方式の船体保険への担保の設定
  10.ネバーギブアップ

5.傭船料の譲渡  設問18 傭船契約とは(松井)
  1.裸傭船契約とは何か
  2.定期傭船契約とは何か
  3.航海傭船契約とは何か
  4.実務上の流れ
 設問19 定期傭船契約の主要条項を説明してください(松井)
  1.船舶の明細・船主の船舶提携義務
  2.傭船料の支払い
  3.オフハイヤー条項
  4.傭船期間 
  5.傭船者の指示
  6.Unsafe Port / Unsafe Birth
  7.傭船料の回収
  8.船荷証券なしの引渡し
  9.傭船者の買取権
  10.BIMCO 条項・NYPE2015 の活用
  11.ファイナンサーにとっての定期傭船契約
   ティーブレイク 傭船料債権の譲渡を受ける必要はあるのか
 設問20 傭船契約に関する担保取得の実務はどうなっているのか,いわゆる傭船料の譲渡とは,いわゆる傭船契約の譲渡とは(松井)
  1.一般的な傭船契約に関する担保取得の実務
  2.傭船料譲渡担保設定契約(Assignment of Charterhires)の内容
  3.法の適用に関する通則法と傭船料譲渡の対抗要件
  4.傭船者倒産における実務
  5.傭船契約の譲渡(Assignment of Charter)
  6.船主が自分で船舶を運航する場合は
   ティーブレイク 傭船料債権の譲渡を受ける必要はあるのか?
 設問21 裸傭船する船主に対して船舶融資をする場合の注意ポイントは(松井)
  1.裸傭船契約契約書のチェックは必須である
  2.裸傭船契約のチェックポイント
  3.裸傭船契約のスキームにおける保険金請求権に対する担保の設定の方法
  4.裸傭船契約における保険のチェックの必要性  

6.シップファイナンスに関するその他の担保  設問22 新造船に関する担保取得実務はどうなっているのか(松井)
  1.船舶の建造契約について
  2.建造中の船舶に対するシップファイナンスの実務~ローン契約
  3.建造中の船舶に対するシップファイナンスの実務~担保
 設問23 株式質とは,契約書の注意点は(秋葉)
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