海洋構造物 船舶海洋工学シリーズ12


978-4-425-71542-8
著者名:飯島一博・鈴木英之・井上俊司・高木健・岡田真三・前田克弥・尾崎雅彦・正信聡太郎・神田雅光・松浦正己・和田良太・平林紳一郎・武内崇晃
ISBN:978-4-425-71542-8
発行年月日:2024/12/18
サイズ/頁数:B5判 196頁
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価格¥4,400円(税込)
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海洋開発の基礎技術が1冊に! 資源開発、環境対策で注目される海洋開発に用いられる機器や設備を、海洋の波、風、流れ、水圧など厳しい環境下で保持し、安全に機能させるための基盤技術として、海洋構造物の基本的概念から力学的特徴、設計の考え方について紹介する。

【改訂版発行にあたって】 2013年に本書の初版を発行以来、学生・設計者をはじめ多くの関係者にご利用いただいた。そして,10 年を経て改訂のタイミングとなった。10年前の当時、学生でこの教科書を手に取った元学生はベテランに差し掛かる頃である。彼らは10年の間、いろいろな専門書を読んで勉強してきたのではないか? 本書が海洋工学分野の現ベテランにとって、一番初めの入門の教科書であったとしたら、本来の目的を果たせているのだろうと思う。本書はそのような入門編を目指している。
改訂では、表記・表現、図面等の追加・訂正を行った。さらに、この教科書を一層魅力的にするためにどうしたらよいか? 共著者間で意見交換した。ここ数年、カーボンニュートラル実現のための日本の切り札として浮体式洋上風車が話題に挙がる。浮体式洋上風車は、新しくかつ典型的な海洋構造物である。浮体式洋上風車を例に説明することで、海洋構造物の面白さに初心者が気づき、謎を解き、のめりこむきっかけを与えられたら最高ではないか? そして新しく第8章が完成した。
もうひとつ新しい試みとして、本分野で活躍する若手を共著者として迎えた。彼らが中心になって次の改訂を迎えるときに、浮体式洋上風車をはじめとする各種の海洋構造物が世界で多く用いられ、本教科書の内容が増補されるようだと嬉しい。本書が引き続き、関係各位に活用されることを願う次第である。

【目次】
第1章 海洋構造物の概要
 1.1 海洋開発と技術
  1.1.1 海洋資源開発
  1.1.2 海洋空間利用
  1.1.3 生物生産
  1.1.4 CO2の削減に利用される海洋構造物
  1.1.5 海中作業に用いられる機器
 1.2 海洋構造物の形態と形式
  1.2.1 海洋構造物の各形態と形式の紹介
  1.2.2 海洋構造物の設計目標
  1.2.3 海洋構造物の設計上の特徴
 1.3 設計に影響を与えた海洋構造物の事故
  1.3.1 Alexander L. Kielland号の事故
  1.3.2 Ocean Ranger号の事故
  1.3.3 Piper Alpha号の事故
  1.3.4 Deepwater Horizon号の事故
第2章 海洋の自然環境  2.1 海洋波
  2.1.1 波の基本事項
  2.1.2 微小振幅波(規則波)
  2.1.3 波の屈折
  2.1.4 砕波
  2.1.5 岸壁反射波
  2.1.6 有限振幅波
  2.1.7 フリーク波
  2.1.8 セイシュ
  2.1.9 海洋波の統計的性質
 2.2 風
 2.3 潮流・海流
 2.4 世界の代表的な海象条件

第3章 復原性  3.1 浮体の復原性の種類
 3.2 平面型浮体の復原性
  3.2.1 基本原理
  3.2.2 代表的な単体浮体のメタセンターについて
 3.3 自由水の影響
 3.4 浮体の安定性の評価

第4章 海洋構造物に作用する荷重  4.1 波から没水体が受ける力
  4.1.1 規則波による力
  4.1.2 不規則波による力
 4.2 無次元パラメータと波力
 4.3 漂流力
 4.4 渦放出による荷重
 4.5 衝撃荷重
 4.6 地震荷重
  4.6.1 地震の概要
  4.6.2 地震荷重の概要
  4.6.3 海洋構造物の地震荷重

第5章 海洋構造物の力学的特徴と応答解析  5.1 線形強制振動モデル
  5.1.1 剛体運動を表す座標系
  5.1.2 1自由度系の運動
  5.1.3 多自由度系の運動
  5.1.4 周波数領域の応答解析と時間領域の応答解析
 5.2 固定式海洋構造物の挙動の特徴と応答解析モデル
  5.2.1 固定式海洋構造物の挙動の特徴
  5.2.2 応答解析モデル
  5.2.3 地震応答解析
 5.3 浮体構造物の挙動の特徴と応答解析モデル
  5.3.1 浮体構造物の挙動の特徴
  5.3.2 応答解析モデル
  5.3.3 応答挙動の特徴
  5.3.4 安全性・機能性に係る設計要件
 5.4 メガフロートやライザー管の流力弾性応答
  5.4.1 流力弾性
  5.4.2 メガフロート
  5.4.3 VIV

第6章 位置保持  6.1 係留による方法
  6.1.1 係留の形式
  6.1.2 係留システムの構成要素と特性
  6.1.3 係留索解析手法と安全率
 6.2 DPS
  6.2.1 概要
  6.2.2 制御ロジック
  6.2.3 システム構成と冗長性
  6.2.4 位置保持精度

第7章 海洋構造物の構造設計法  7.1 構造設計の基本的考え方と設計の流れ
 7.2 構造設計法
 7.3 リスクベース設計法

第8章 浮体式洋上風車  8.1 各種の浮体式洋上風車の設計案
  8.1.1 浮体形式
  8.1.2 一点係留
  8.1.3 TLP型浮体式洋上風車
  8.1.4 垂直軸型風車
 8.2 洋上風車の応答
  8.2.1 風による荷重のモデル化
   8.2.1.1 翼素運動量理論(BEM)によるモデル化
   8.2.1.2 CFDによるモデル化
  8.2.2 連成解析
  8.2.3 構造モデル化
  8.2.4 浮体式洋上風車における同調回避設計
  8.2.5 Negative Damping
 8.3 設置法・建造法
  8.3.1 着床式の作業工程
  8.3.2 浮体式の作業工程
  8.3.3 作業船
 8.4 ウィンドファーム
 8.5 関連する法規のガイドライン

(海事図書)


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