交通論おもしろゼミナール8 遊園地の乗り物と遊びの文化


978-4-425-92781-4
著者名:澤 喜司郎・齋藤英智 共著
ISBN:978-4-425-92781-4
発行年月日:2012/4/3
サイズ/頁数:A5判 260頁
在庫状況:品切れ
価格¥3,080円(税込)
品切れ

「遊びの文化」と「遊園地ビジネス」という観点で、日本の代表的なテーマパークから地域の遊園地までの屋外乗り物系アトラクション(遊戯施設)を豊富な写真でビジュアルに紹介する。

【まえがき】より
 遊びとは、楽しみ、娯楽、休養、リラックス、ストレス解消などを目的とした行動の総称で、人間の成熟前に見られる遊びは生きていく上で必要な体力、知識、経験などを自然に得るためのものと考えられています。言い換えれば、成熟前の遊びには目的がないように見えますが、成人になってから必要とされるスキルを身につけるために遊びは必要で、遊びは成人になるための準備運動と言われています。とりわけ全身を使った遊びは前頭葉を活性化させ、抑制力や思いやる気持ちを育み、心豊かな人間への成長には不可欠とされています。なお、日本人など黄色人種の完成(成熟)には25年かかると言われ、成熟過程で成人になるためのスキルや社会性を習得しないで成長した場合、つまり遊ばずに成長した場合には脳の発達に支障をきたすとの指摘もあります。
 また人間は、成熟後も遊び、遊びは文化として確立し、その遊びの要素にはスポーツやチェスなどに見られる「競争」、ギャンブルや宝くじなどに見られる「偶然」、ごっこ遊びや物まねなどに見られる「模倣」、ローラーコースターやブランコなどに見られる「めまい」があるとされています。これらの要素によって人間が遊ぶのは、遊びによって欲求が満たされれば快感を覚えるからです。つまり、大脳の高次機能の発達した人間は喉の渇きや食欲などの動物的欲求以外のことからも快感を得ることが可能で、その欲求が満たされなければ不快感を覚えます。なお、欲求とは不快感を解消し、快感を得ることを希求する心のあり方で、快感とは人間の行動原理や価値観の根本を規定する脳の状態であるとされ、脳科学的には欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快の感覚を与える神経系の活動と定義されています。
 楽しみ、娯楽、休養、リラックス、ストレス解消などを目的とした遊びは、現在のストレス社会では必要不可欠なものになっていると言えます。遊びには自然発生的に形成され、世代や地域ごとに伝えられていくものと、商品化され提供されているものがあり、商品化され提供されている代表的な遊びにはテレビゲームや遊園地があります。
 本書は遊園地を取り上げ、遊びの文化と遊園地ビジネスという観点から、日本の代表的な遊園地の屋外乗り物系のアトラクション(遊戯施設)をビジュアルに紹介することを目的として編纂されたものです。遊園地には、ローラーコースター(ジェットコースター)や観覧車、メリーゴーランド、定置式遊具など楽しい乗りのものが溢れています。
 遊びの文化と遊園地ビジネスという観点から、日本の代表的な遊園地の屋外乗り物系のアトラクション(遊戯施設)をビジュアルに紹介するという本書の狙いがどの程度まで成功しているかは、読者のみなさんのご批判を待たねばなりませんが、楽しい乗り物に溢れている遊園地に出かける時の参考になれば幸いです。

【目次】
序章 遊園地と遊戯施設と楽しい乗り物

 1 遊園地の進化と楽しさ・恐怖の生理学
 2 進化するアトラクションの技術と構造
 3 遊園地の安全性とビジネス

第1章 日本一の遊園地と絶叫アトラクション
 1−1 ナガシマスパーランドとスチールドラゴン2000
 1−2 富士急ハイランドと「ええじゃないか」
 1−3 横浜・八景島シーパラダイスとブルーフォール

第2章 恐怖を共有する空中アトラクション
 2−1 バンジージャンプと鷲羽山ハイランド
 2−2 バードマンとセントレジャー城島高原パーク
 2−3 逆バンジーと仙台ハイランド

第3章 真夏の遊園地の定番アトラクション
 3−1 よみうりランドのジャイアントスカイリバー
 3−2 東京サマーランドのスピン・ディンキー
 3−3 那須ハイランドパークのウォーターコースター

第4章 テーマパークと意外なアトラクション
 4−1 東京ディズニーパークとビッグサンダー・マウンテン
 4−2 ハウステンボスとサウザンド・サニー号
 4−3 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとハリウッド・ドリーム・ザ・ライド

第5章 テーマのある遊園地とアトラクション
 5−1 スペースワールドとタイタンV
 5−2 志摩スペイン村「パルケエスパーニャ」とアドベンチャーラグーン
 5−3 浅草花やしきとBee タワー

第6章 遊園地とマスコットキャラクター
 6−1 ハローキティとハーモニーランド
 6−2 ペディー・バードとニューレオマワールド
 6−3 シルバニアファミリーとかしいかえん

第7章 これが凄い遊園地のアトラクション
 7−1 東京ドームシティアトラクションズのビッグ・オー
 7−2 東武動物公園の水上コースター「カワセミ」
 7−3 西武園ゆうえんちのループ・スクリューコースター

第8章 これが凄い遊園地のアトラクション2
 8−1 浜名湖パルパルのメガコースター「四次元」
 8−2 姫路セントラルパークのディアブロ
 8−3 グリーンランドのローラーコースター

第9章 これが珍しい遊園地のアトラクション
 9−1 ラクテンチのフラワーかんらん車
 9−2 生駒山上遊園地の飛行塔
 9−3 ひらかたパークのぐるぐる王

第10章 これが珍しい遊園地のアトラクション2
 10−1 としまえんのイーグル
 10−2 天橋立ビューランドのサイクルカー
 10−3 ヒルゼン高原センター・ジョイフルパークのカイトフライヤー

第11章 恋人たちのための都市型遊園地のアトラクション
 11−1 神戸モザイクガーデンの大観覧車「ワンダーホイール」
 11−2 名古屋港シートレインランドの大観覧車
 11−3 よこはまコスモワールドの大観覧車「コスモクロック21」

第12章 子供たちのための遊園地のアトラクション
 12−1 子供たちの遊びと遊具
 12−2 子供たちに定番の乗り物系アトラクション
 12−3 デパートの屋上遊園地とショッピングモールの遊園地



書籍「交通論おもしろゼミナール8 遊園地の乗り物と遊びの文化」を購入する

品切れ
カテゴリー:物流 
本を出版したい方へ